スンデ(韓国式の腸詰/순대)

2024年11月13日 (水) 01:34時点におけるHatta (トーク | 投稿記録)による版
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スンデ순대)は、韓国式の腸詰。

スンデの盛り合わせ。写真左は豚の直腸を用いたマクチャンスンデ

概要

スンデはもともと満州語から転化したとされ、スン(순대)は血、デ(대)は腸を意味する。豚の腸に、新鮮な豚の血液と、もち米、みじん切りにした野菜、春雨などの具を詰めて茹でるか、または蒸して作る。火が通ったら食べやすい大きさに切り、粗塩をつけて食べるが、地域によってサムジャン(薬味味噌、쌈장)やチョゴチュジャン(唐辛子酢味噌、초고추장)をつけることもあり、しばしばその地域差が話題になる。一緒に茹でたレバーやハツなどとともに提供されることも多い。韓国を代表する屋台料理のひとつであるとともに、専門店も多く存在する。同じ豚肉料理のチョッパル(豚足の煮物/족발)や、ポッサム(茹で豚の葉野菜包み/보쌈)の専門店で一緒にスンデを出すところも多い。スンデを用いた料理としては、スンデクッ(腸詰入りのスープ/순대국)スンデボックム(腸詰炒め/순대볶음)などがある。スンデとしてのバリエーションも豊富で、豚の腸のかわりにスルメイカを用いたオジンオスンデ(詰め物をした蒸しイカ/오징어순대)や、豚の大腸を用いたアバイスンデ(大腸を使った太い腸詰/아바이순대)、豚の直腸を用いたマクチャンスンデ(直腸を使った腸詰め、막창순대)がある。スンデを郷土料理とする地域も多い。

屋台での提供

 スンデはトッポッキ(餅炒め/떡볶이)や、キムパプ(海苔巻き/김밥)ティギム(天ぷら/튀김)オデン(おでん/오뎅)などとともにの定番メニューである。スンデをトッポッキのソースにつけるのは定番の食べ方であり、店によっては最初から一緒に盛ったメニューもある。

  • キムトクスン(김떡순)
キムトクスン(김떡순)は、キムチジョン(キムチ入りのチヂミ/김치전)トッポッキ(餅炒め/떡볶이)、スンデの盛り合わせ。名称は3料理の頭文字を取ったもので、韓国人の人名を思わせる語呂のよさが感じられる。ソウル市鍾路区(チョンノグ、종로구)の大通り沿いにかつてあった屋台料理が発祥とされる。キムチジョンに代えて、キムパプ(海苔巻き/김밥)や、キムマリ(春雨の海苔巻き揚げ/김말이)を盛り合わせに加えることもある。

種類

ペクスンデ(腸詰の白炒め/백순대)

ペクスンデ(백순대)は、腸詰の白炒め。ひと口大に切ったスンデを、キャベツ、ニンジン、長ネギ、エゴマの葉、韓国餅()、でんぷん麺(쫄면)などの具とともに鉄板で炒め、塩やエゴマの粉などで味付けをして作る。ペクスンデのペクは「白」を意味し、広く親しまれているスンデボックム(腸詰炒め/순대볶음)に対して、辛い薬味ダレを用いないことから名前がついた。ただし、別添えで薬味ダレを用意し、具をつけて食べるのは一般的である。ソウル市の冠岳区新林洞(クァナック シルリムドン、관악구 신림동)にある「新林洞スンデタウン(신림동 순대타운)」の名物として知られ、その発祥は諸説あるが、近隣の冠岳山(クァナクサン、관악산)を訪れた登山客が下山後に立ち寄って、薬味ダレを抜いたスンデボックムを注文したことから広まったと語られることが多い。

地域

スンデを郷土料理とする地域は全国的に多数ある。以下に代表例を列挙する。

  • ペガムスンデ(백암순대)
京畿道龍仁市処仁区白岩面(チョイング ペガムミョン、처인구 백암면)の名物スンデ。ペガムスンデのペガム(백암)は地名の「白岩」を意味する。
  • ピョンチョンスンデ(병천순대)
忠清南道天安市竝川面(ピョンチョンミョン、병천면)の名物スンデ。ピョンチョンスンデのピョンチョン(병천)は地名の「竝川」を意味する。
  • ヨングンスンデ(용궁순대)
慶尚北道醴泉郡龍宮面(ヨングンミョン、용궁면)の名物スンデ。ヨングンスンデのヨングン(용궁)は地名の「龍宮」を意味する。

脚注


外部リンク

制作者関連サイト

関連項目