ケッチャンオフェ(ハモの刺身/갯장어회)

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ケッチャンオフェ

ケッチャンオフェ갯장어회)は、ハモの刺身。

概要

ケッチャンオ(갯장어)はハモ。フェは()は刺身の意(「センソンフェ(刺身/생선회)」の項目も参照)。ハモは日本への輸出用としての需要が高かったため、日本語のハモ(하모)という呼び名が残っており、ハモフェ(하모회)、ハモサシミ(하모사시미)とも呼ぶ。骨切りをしたハモを細造りにし、ワサビ醤油やチョコチュジャン(唐辛子味噌、초고추장)につけて味わうほか、生タマネギに載せてサムジャン(包み味噌、쌈장)と一緒に味わう食べ方もある。産地を中心としたハモ料理専門店で提供されるメニューであり、主産地である全羅南道麗水市の郷土料理としても有名。ハモを用いた料理としては、ほかにケッチャンオデチムフェ(ハモのしゃぶしゃぶ/갯장어데침회)がある。5~10月頃を旬とする。

  • 語源
ケッチャンオの「ケッ(갯)」は、「犬(개)」に名詞を合成する「~の(ㅅ)」を組み合わせたもの。チャンオ(장어)は漢字で「長魚」と書いて、ウナギ(뱀장어민물장어)や、アナゴ(붕장어바다장어)などの長い魚を総称する。直訳すると「犬の長い魚」となり、歯の鋭さが犬に似ていることから名付けられたとされる。

地域

  • 慶尚南道固城郡
慶尚南道固城郡を代表する9種類の料理「固城9味(고성9미)」には、センソンフェ(刺身/생선회)と合わせる形でケッチャンオフェが含まれている。
  • 全羅南道高興郡
全羅南道高興郡の鹿洞港(ノクトンハン、녹동항)には「鹿洞チャンオ通り(녹동장어거리)」があり、名産品のアナゴ(바다장어)とハモ(갯장어)の両方をまとめた名物通りになっている。アナゴ料理はチャンオタン(アナゴのスープ、장어탕)、チャンオグイ(アナゴ焼き)、チャンオフェ(アナゴの刺身、장어회)が代表的で、ハモはケッチャンオフェ、ケッチャンオデチムフェ(ハモのしゃぶしゃぶ/갯장어데침회)として味わうことが多い。いずれの料理にも、名産品である柚子を用いたユジャチョン(柚子の砂糖漬け、유자청)が添えられ、葉野菜で包む際に、一緒に載せて食べるのが特徴的である。
  • 全羅南道麗水市
全羅南道麗水市を代表する10種類の料理「麗水10味(여수10미)」には、ケッチャンオフェとケッチャンオデチムフェ(ハモのしゃぶしゃぶ/갯장어데침회)がひとつにまとめられた形で含まれている。市中心部から船で5分ほどの大鏡島(テギョンド、대경도)が主産地として有名で、島内にはハモ料理の専門店が集まっている。

脚注


外部リンク

制作者関連サイト

関連項目