トンダク(丸鶏揚げ/통닭)
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トンダク(통닭)は、丸鶏揚げ、または丸鶏焼き。
概要
トンダクのトン(통)は丸ごと、ダク(=タク、닭)は鶏を指し、トンダクで丸鶏を意味する。鶏をぶつ切りにしてから衣をつけて揚げるフライドチキンに対し、トンダクは丸鶏に塩、コショウなどをすり込み、小麦粉(밀가루)、または天ぷら粉(튀김가루)などの薄衣をつけてそのまま揚げるとの違いがある。1960~70年代に普及し、チキン(韓国チキン/치킨)やヤンニョムチキン(辛口のフライドチキン/양념치킨)よりも歴史が古いことから、イェンナルトンダク(昔風の丸鶏揚げ、옛날통닭)と呼ばれることも多い。食べる際は、手で食べやすい大きさに解体し、塩コショウにつけて味わう。フライドチキンの専門店や居酒屋のメニューに載るほか、市場や移動販売車での販売も多い。京畿道水原市の八達区行宮洞(パルダルグ ヘングンドン、팔달구 행궁동)には専門店の集まる「水原トンダク通り(수원통닭거리)」がある。
種類
チョンギグイトンダク(丸鶏のオーブン焼き/전기구이통닭)
- チョンギグイトンダク(전기구이통닭)は、丸鶏のオーブン焼き。チョンギ(전기)は電気を意味し、電気オーブン(전기오븐)のこと。グイ(=クイ、구이)は焼き物、トンダク(통닭)は丸鶏を意味する。電気オーブンで丸鶏を焼いた料理を指す。1960年にソウル市の明洞(ミョンドン、명동)で創業した「栄養センター本店(영양센타 본점)」が草分け店として知られ、当時珍しかった電気オーブンを店頭に設置し、丸鶏を回転させながら焼くパフォーマンスで話題を集めた。「栄養センター本店」は2009年8月に同じ明洞内で移転をしたものの、店頭の電気オーブンで焼くスタイルは現在も継続している。チョンギグイトンダクの専門店があるほか、フライドチキンの専門店でもメニューに載る。揚げて作るチキンよりもヘルシーなイメージがあり、鶏肉本来の味をシンプルに楽しめるよさがある。
ヌルンジトンダク(おこげチキン/누룽지통닭)
- ヌルンジトンダク(누룽지통닭)は、おこげチキン。ヌルンジ(누룽지)はおこげ、トンダク(통닭)は丸鶏を意味する。丸鶏の腹にもち米を詰めてオーブンで焼いたのち、腹の部分を半分に割って開き、ごはん部分を下にして鉄板に載せておこげを作る。または詰めたごはんを熱した鉄皿に取り出して焼き、できたおこげの上に丸鶏を戻す方式もある。ごはんを炒める際にバターの風味を効かせたり、チーズやコーンなどのトッピングを加えることも多い。
マヌルトンダク(ニンニクチキン/마늘통닭)
- マヌルトンダク(마늘통닭)は、ニンニクチキン。マヌル(마늘)はニンニク、トンダク(통닭)は丸鶏を意味する。丸鶏に衣をつけて揚げ、みじん切りのニンニクをまぶして味わう。1960~70年代にトンダクが普及すると、その派生形として1970~80年に流行した。ソウル市では、永登浦区文来洞(ヨンドゥンポグ ムルレドン、영등포구 문래동)で1970年に創業した「元祖マヌルトンダク(원조마늘통닭)」や、瑞草区盤浦洞(ソチョグ パンポドン、서초구 반포동)で1977年に創業した「盤浦チキン(반포치킨)」などが当時から続く老舗として有名である。
- 慶尚北道安東市
- 慶尚北道安東市の旧市場(クシジャン、구시장)では、1970年代後半にマヌルトンダクが人気を集めたあと、1980年代後半に入れ替わる形でチムタク(鶏と野菜の醤油煮/찜닭)が登場して郷土料理になったとの逸話がある[1]。
- 忠清北道丹陽郡
- 全羅南道順天市
脚注
外部リンク
- 制作者関連サイト
- 韓食生活(韓食ペディアの執筆者である八田靖史の公式サイト)
- 八田靖史プロフィール(八田靖史のプロフィール)