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済州道(チェジュド、제주도)は韓国の南部に位置する島嶼地域。本ページでは済州道の料理、特産品について解説する。

海雲台ビーチ

地域概要

チャガルチ市場の周辺に広がる露店

済州道(チェジュド、제주도)は韓国の南部に位置する島嶼地域。正式には済州特別自治道という名称であり、韓国で唯一の特別自治道(高度な自治権を保証された地方自治団体)である。朝鮮半島の南に浮かぶ済州島(제주도)を含む9の有人島と、55の無人島で構成される島嶼地域で構成される。人口は64万8497人(2017年6月)であり、広域地方自治団体(特別市、広域市、道、特別自治道、特別自治市)の中では特別自治市の世宗市に次いで2番目に少ない[1]済州市と、西帰浦市の2市で構成されており、道庁所在地は済州市。済州島の中央には標高1950mで韓国最高峰の漢拏山(한라산)がそびえ、かつての火山活動による大小の山々と洞窟郡が周辺に広がる。その独特な景観は「済州火山島と溶岩洞窟群」として2007年にユネスコの世界自然遺産としても登録された[2]。主要な観光地にはかつての噴火口跡である城山日出峰(성산일출봉)や、巨大洞窟の万丈窟(만장굴)、済州島3大瀑布と称される正房瀑布(정방폭포)、天地淵瀑布(천지연폭포)、天帝淵瀑布(천제연폭포)など、自然景観を活かしたものが多い。済州道までのアクセスは、済州国際空港への飛行機便が一般的である。

済州市の料理

済州市(チェジュシ、제주시)は、済州道の北部に位置する地域。済州市の料理、特産品については「済州市の料理」で扱う。

西帰浦市の料理

西帰浦市(ソギポシ、서귀포시)は、済州道の南部に位置する地域。西帰浦市の料理、特産品については「西帰浦市の料理」で扱う。

食文化の背景

ヒラメの刺身

済州道は島嶼地域であり、周囲に囲まれた海からの恵みが食文化の根幹を担った。アマダイ(옥돔)、サバ(고등어)、タチウオ(갈치)、スズメダイ(자리돔)などの魚に加えて、海女(해녀)たちが採集するアワビ(전복)、トコブシ(오분자기)、サザエ(소라)、ウニ(성게)、ナマコ(해삼)なども特産品として有名である。これらは刺身や、煮付け、鍋料理などに使用するとともに、塩辛などの保存食にも広く応用されている。一方で島の中央には標高1950mの漢拏山がそびえ、高原地域では牛や馬などの牧畜や、野菜、山菜、キノコなどの栽培も盛んである。漢拏山の南側に当たる西帰浦市ではミカン(감귤)、デコポン(한라봉)などの柑橘栽培が行われている。

  • 耽羅
済州道はもともと耽羅(탐라)という独立国家であり、本土とは異なる建国神話や独自の文化を多数有する。三国時代以降、百済、統一新羅への朝貢を行い、高麗に入っては半独立という状態であったが、朝鮮時代に入って15世紀初めには完全に併合された。
  • 済州道と馬肉食
13世紀に元が高麗に進行して服属させると、済州道は一時元の直轄領となった。1276年には元が耽羅牧場(탐라목장)を設置し、馬や牛の大規模な飼育を始めた。韓国では馬肉を食用とする習慣はほぼないものの、こうした歴史的経緯から済州道では古くから馬肉食が発達した。現在の済州道には馬肉料理の専門店が数多くあり、焼肉(말고기구이)、ユッケ(말고기육회)といった料理が味わえる。
  • 済州道と豚肉食
済州道の家庭では古くから豚を飼う習慣があり、ハレの日にはその豚で祝いの料理を作った。そのため済州道には、オギョプサル(皮付き豚バラ肉の焼肉/오겹살)、トムベゴギ(済州道式の茹で豚、돔베고기)、コギグクス(豚スープ麺、고기국수)、アガンバル(豚足のつま先部分の煮物、아강발)といった豚肉料理が豊富にある。伝統的な家屋では豚の飼育場所がトイレを兼ねており、人間の排泄物をエサとしたことから、済州道では在来種の黒豚(흑돼지)をトンテジ(直訳ではうんこ豚、똥돼지)と呼ぶこともある。現在ではこうした飼育方法は行われていないものの、民俗村では当時の暮らしを再現する意味から伝統家屋のトイレで実際に豚を飼っていたりもする。

代表的な料理

テジクッパプ(タロクッパプ)

魚介料理

島嶼地域である済州道では、さまざまな魚介が水揚げされる。代表的な特産品としては、サバ(고등어)、タチウオ(갈치)、アマダイ(옥돔)、スズメダイ(자리돔)、ヤリイカ(한치)、アワビ(전복)、トコブシ(오분자기)、ウニ(성게)などがあげられる。鮮度のよいものを刺身で味わうほか、焼き物、煮付け、スープ、粥など多様な調理法が用いられる。

ヘムルトゥッペギ(海鮮味噌鍋/해물뚝배기)
ヘムルトゥッペギ(해물뚝배기)は、海鮮味噌鍋。ヘムル(해물)は漢字で「海物」と書いて魚を除いた海産物のこと。トゥッペギ(뚝배기)は素焼きの鍋。単にトゥッペギと呼ばれることもある。アワビ、トコブシ、ミナミアカザエビ(딱새우)、アサリ(바지락)、ウニなどの海産物を、味噌仕立ての鍋料理に仕立てて作る。1人前のトゥッペギで提供し、ごはん、副菜とともに定食として提供されることが多い。済州道では代表的な郷土料理のひとつであり、郷土料理店、刺身店などで提供される。飲食店によっては済州道の名産であるアワビを前面に出して、チョンボクトゥッペギ(アワビ海鮮味噌鍋、전복뚝배기)と呼ぶこともある。ただし、近年の済州道では養殖物のアワビが主流となっていることから、2010年代前半までは天然のトコブシを用いたオブンジャギトゥッペギ(トコブシ入りの海鮮味噌鍋、오분자기뚝배기)が人気を集めていたが、2010年代半ば以降はトコブシも激減している。
フェ(刺身/회)
フェ()は、刺身(「センソンフェ(刺身/생선회)」の項目も参照)。島嶼地域である済州道では、一般に鮮度落ちの早いサバや、タチウオを刺身で味わえるほか、クエ(다금바리)、キジハタ(붉바리)、マハタ(구문쟁이, 능성어)ブリ(방어)、サワラ(삼치)、アジ(각재기)、ヤリイカ、アワビ、サザエ(소라)、ウニ、ナマコ(해삼)など、多様な種類の魚介を刺身として味うことができる。なお、サバとタチウオは両者の頭文字を取って、コガルフェ(サバとタチウオの刺身、고갈회)という名前で盛り合わせにすることも多い。食べ方は一般的なセンソンフェと同様だが、ブリの刺身をキムチで巻いて食べる、サワラの刺身を海苔で包んで食べる、といった個性的な食べ方もある。
  • 済州道のサムバリ
済州道でよく語られる、済州道に行って味わうべきサムバリ(삼바리)という話がある。サムバリとは、3つのバリ(=パリ、바리)という意味であり、すなわちタグムバリ(다금바리)、プッパリ(붉바리)、ピバリ(비바리)を指す。タグムバリとプッパリはそれぞれクエ、キジハタを指す魚の名前だが、ピバリとは済州道の方言で女性を意味する。主に済州道方言を知らない他地域の男性に対して、済州道のサムバリを知っているか? サムバリのうちどれを食べたいか? などと問いかけることが多い。
ムルフェ(冷汁風刺身/물회)
ムルフェ(물회)は、冷汁風の刺身(「ムルフェ(水刺身/물회)」の項目も参照)。大きな丼状の器に生野菜と刺身を盛り付け、氷水、コチュジャン、酢などを加えて作る。済州道の特産品である、アワビ、サザエ、ナマコ、スズメダイ、ヤリイカなどを用いて作ることが多い。済州道方言でチェピ(제피)と呼ばれるケカラスザンショウの葉を、香りのアクセントとして加えることもある。
クイ(焼き物/구이)
クイ(구이)は、焼き物(「センソングイ(焼き魚/생선구이)」の項目も参照)。済州道の特産品である、アマダイ、サバ、タチウオ、アジ、アワビ、サザエなどを焼いて食べることが多い。
チョリム(煮付け/조림)
チョリム(조림)は、煮付けの総称。ぶつ切り、あるいは丸ごとの魚を、大根、長ネギなどと煮付けて作る。味付けには醤油、砂糖、粉唐辛子、ニンニク、ショウガなどを用いてピリ辛に仕上げる。魚はサバ、タチウオ、カワハギ(ウマヅラハギ、객주리)、カタクチイワシ()などを用いて作ることが多い。大豆を一緒に煮込むのが済州道における伝統的な調理法である。
クッ(スープ/국)
クッ()は、スープ料理の総称。済州道ではさまざまな魚介を用いて、アマダイ、ウニ、アワビなどを用いてミヨックッ(ワカメスープ/미역국))を作ることが多い。それぞれ魚介の名称をつけて、オクトムミヨックッ(アマダイ入りのワカメスープ、옥돔미역국)、ソンゲミヨックッ(ウニ入りのワカメスープ、성게미역국)などとも呼ぶ。また、タチウオ、アジ、カタクチイワシなどは若い白菜とともに澄まし仕立てのスープに仕立て、それぞれカルチクッ(タチウオのスープ/갈치국)、カクチェギクッ(アジのスープ、각재기국)、メルクッ(カタクチイワシのスープ、멜국)と呼ばれる。カルチクッにはカボチャを加えることも多い。豚肉や豚骨を煮込んだスープに、海藻のホンダワラ()を入れたモムクッ(ホンダワラのスープ/몸국)も済州道の郷土料理として有名である。
チュク(粥/죽)
チュク()は、粥。主にアワビ、サザエ、イソシジミ(대조개)、済州道方言でポマル(보말)と総称される巻貝などの貝類を用い、米とともにゴマ油で炒め、水を注いで煮込んで作る。中でも、チョンボッチュク(アワビ粥/전복죽)の人気は高く、鮮度のよい肝を一緒に煮込んで作るのが最上とされる。貝以外の粥としては、済州道方言でキンイ(깅이)、またはケンイ(갱이)と呼ばれるアシハラガニの粥がある。
トルソッパプ(釜飯/돌솥밥)
トルソッパプ(돌솥밥)は、釜飯(トルソッパプ(釜飯/돌솥밥)の項目も参照)。アワビ、トコブシ、ウニなどを入れて炊いたトルソッパプがよく作られる。それぞれ、アワビを入れたものはチョンボクトルソッパプ(アワビの釜飯、전복돌솥밥)、トコブシはオブンジャギトルソッパプ(오분자기돌솥밥)、ウニはソンゲトルソッパプ(ウニの釜飯、성게돌솥밥)と呼ぶ。店によっては、アワビ、トコブシのトルソッパプを頼むと、炊き上がった釜のふちにマーガリンを塗ってコクを加える調理法もある。
ククス(麺/국수)
ククス(국수)は、麺。白身魚の刺身を載せた混ぜ麺のフェグクス(刺身麺、회국수)や、ウニを載せた汁麺のソンゲグクス(ウニ載せ麺、성게국수)が郷土料理として知られる。また、中華料理店を中心に魚介をたっぷりと入れたチャンポン(激辛スープの海鮮麺/짬뽕)の人気も高い。
  • 馬羅島のチャジャンミョン
韓国の有人島としては最南端に位置する馬羅島(마라도)には、チャジャンミョン(韓国式ジャージャー麺/짜장면)の専門店が集まっている。もともと馬羅島には釣りを目的として訪れる観光客が多く、こうした人たちへのサービスとしてチャジャンミョンの出前をしたことから、話題を呼んで専門店が増えていった。韓食ペディアの執筆者である八田靖史が、2013年3月に訪れた際は、人口100人強の島に対して、7軒もの専門店が営業をしていた。競争が激しいことから各店とも工夫を凝らしており、魚介や海藻を具としてふんだんに盛り込んだり、ヒジキを麺に練り込むなど、海の幸を活かしたチャジャンミョンを味わえる。

豚肉料理

済州道では古くから家庭で豚を飼育し、祝い事があったときなどハレの日に屠畜して豚肉料理を作り、家族や親戚が集まって食べるとともに、近所の人などにも配る習慣があった。各部位を余すことなく用いるため、部位ごとに多彩な調理法が発達している。

  • チェジュフッテジ
済州道で伝統的に飼育されてきた豚は、チェジュフッテジ(済州黒豚、제주흑돼지)と呼ばれる黒豚である。韓国内の在来種としても貴重であり、2015年3月17日には国の天然記念物第550号に指定されている[3]。ただし、その指定は済州畜産振興院が純粋な血統を守りながら飼育する250頭程度に限定され、一般的に食肉用として飼育、流通されている黒豚は天然記念物に含まれない。一般的にはフッテジ(黒豚、흑돼지)、トンテジ(直訳ではうんこ豚、똥돼지)と呼ばれることが多く、これに対して外来の品種はペクテジ(白豚、백돼지)と呼び分ける。フッテジのほうが市場価値は高く、飲食店での値段もペクテジに比べて高価である。
  • 豚肉と塩辛
済州道では豚肉料理に塩辛を合わせる食べ方が好まれる。豚焼肉の専門店では、小さな容器にミョルチジョッ(カタクチイワシの塩辛、멸치젓)、焼酎、ニンニク、青唐辛子などを入れ、豚肉を焼く鉄板の上で煮立たせる方式をよく見かける。チャリジョッ(スズメダイの塩辛、자리젓)や、カルチソクチョッ(タチウオの内臓の塩辛、갈치속젓)など、他の塩辛を用いる場合もある。豚焼肉だけでなく郷土料理のトムベゴギ(済州島式の茹で豚、돔베고기)にも塩辛を添える。本土でもポッサム(茹で豚の葉野菜包み/보쌈)や、チョッパル(豚足の煮物/족발)にセウジョッ(アミの塩辛、새우젓)を添えるのは定番だが、済州道では塩辛の種類が上記のように多彩である。
フッテジグイ(黒豚焼き/흑돼지구이)
フッテジグイは黒豚の焼肉。オギョプサル(皮付き豚バラ肉の焼肉/오겹살)モクサル(豚の肩ロース焼き/목살)ハンジョンサル(豚トロの焼肉/항정살)といった各部位をそのまま塩焼きにすることがあれば、薄切りにした黒豚をテジプルコギ(豚肉の味付け焼肉/돼지불고기)として仕上げることもある。脂の乗ったオギョプサル(皮付き豚バラ肉の焼肉/오겹살)がもっとも人気であるが、その理由として皮付きであれば黒い毛を視認できるため、安価な白豚を黒豚と偽って提供される心配がないとの理由もあった。また、済州産の黒豚の皮部分にはそれを証明するスタンプが押されており、その部分をわざわざ見せるようにして提供する店も多い(食べても害はない)。近年は黒豚の生産量も増え、皮のない部位を提供する店も増えてきている。
  • クンゴギ
一部の飲食店には、クンゴギ(塊肉、근고기)と呼ばれるメニューがある。クンゴギとはもともと「一斤の肉」を意味し、600gをひと単位として提供する方式を指している。多くの店では、オギョプサル(皮付き豚バラ肉の焼肉/오겹살)モクサル(豚の肩ロース焼き/목살)をセットにして600gで提供する。
  • 黒豚通り
済州市健入洞には黒豚専門の焼肉店が集まる一画があり、2010年6月に「黒豚通り(フッテジコリ、흑돼지거리)」として指定された[4]
トムベゴギ(済州島式の茹で豚/돔베고기)
トムベゴギは、済州島式の茹で豚。トムベ(돔베)は済州島方言でまな板(標準語ではトマ、도마)。ゴギ(=コギ、고기)は肉。茹でた豚バラ肉を食べやすい大きさに切り、まな板ごと提供する料理を指す。茹でる際には味噌を加えてくさみを取る。茹で上がった豚肉はサンチュ、エゴマの葉、白菜などに包んで味噌を載せて味わうほか、塩辛につけても食べる。現地では家庭料理として作られるほか、郷土料理店、豚焼肉店などで提供される。
コギグクス(豚スープ麺/고기국수)
説明入る。
スンデ(済州島式の腸詰/순대)
説明入る。
アガンバル(済州島式の豚足/아강발)
説明入る。
コサリユッケジャン(豚とワラビのスープ/고사리육개장) ===
説明入る。
チョプチャクピョクッ(접짝뼈국/豚スープ)

肉料理(豚肉以外)

説明入る。黒牛、地鶏、キジ。

野菜料理

トンジキムチ(白菜の菜花のキムチ/동지김치)
トンジナムル(白菜の菜花のナムル/동지나물)
ホバンニプクッ(カボチャの葉のスープ/호박잎국)

餅・菓子・甘味

オメギトク(粟餅/오메기떡)
ピントク(そばクレープ/빙떡)
アイスクリーム(아이스크림)
土産物
スッパン(ヨモギ蒸しパン/쑥빵)
スッホットク(ヨモギ入りのお焼き/쑥호떡)
オルレクルパン(ナッツ餡ドーナツ/올레꿀빵)

済州道のB級グルメ

モダッチギ(屋台料理盛り合わせ/모닥치기)
チャジャンミョン(ジャージャー麺/자장면)

代表的な特産品

コカルビ

魚介類

アワビ

肉類

黒豚
黒牛
地鶏
キジ

野菜・山菜・キノコ

ワラビ
シイタケ

果物

ミカン
デコポン

代表的な酒類・飲料

生濁(左)と金井山城マッコリ

マッコリ

釜山を代表するマッコリとしては「釜山濁薬酒製造協会(부산탁약주제조협회)」の「生濁(생탁)」がもっとも広く流通している。金井区金城洞(금정구 금성동)で生産される「金井山城マッコリ(금정산성막걸리)」は、伝統製法のヌルク(小麦麹、누룩)を自家生産しており、プレミアムマッコリとして全国的な知名度を誇る。そのほか金井区釜谷洞(금정구 부곡동)の「釜山山城醸造(부산산성양조)」や、江西区美音洞(강서구 미음동)の「ノクサン醸造場(녹산양조장)」といった酒蔵がマッコリを生産している。

生濁
生濁(センタク、생탁)は、東区草梁洞(동구 초량동)に本社を置く「釜山濁薬酒製造協会(부산탁약주제조협회)」で生産されるマッコリ。1970年7月に43社の醸造場が合併してできた合同醸造場であり、「釜山合同醸造(부산합동양조)」とも呼ぶ[5]。生濁の発売は2005年5月で、釜山地域におけるもっとも代表的な銘柄として親しまれる。2005年7月からは日本へも輸出されている[5]
金井山城マッコリ
金井山城マッコリ(クムジョンサンソンマッコルリ、금정산성막걸리)は、金井区金城洞の「金井山城土産酒(금정산성토산주)」で生産されるマッコリ。一帯は山城に囲まれており、金井山城村(クムジョンサンソンマウル、금정산성마을)と呼ばれる。現在の韓国では珍しく、伝統製法のヌルク(小麦麹、누룩)を自家生産しているのが大きな特徴[6]。代表を務めるユ・チョンギル(유청길)氏は、韓国の農林畜産食品部によって食品名人の第49号に指定されている[7]

焼酎

C1焼酎、大鮮
東莱区社稷洞(동래구 사직동)に本社を置く「大鮮酒造(대선주조)」は、焼酎の「C1(시원)」、「大鮮(대선)」といった銘柄を製造、販売する大手酒造メーカーである。創立者は長崎県出身の酒造家である森英示(もりひでじ)。1929年に森英示が社長を務める大日本酒類醸造の釜山工場として発足し、翌1930年7月に「大鮮醸造(대선양조)」として独立した[8]。1968年に社名を現在の大鮮酒造に変更している[9]

居酒屋通り

  • 国際市場のシルビチプ通り
中区の国際市場(국제시장)にはシルビチプ(直訳すると「実費家」となる格安居酒屋)の集まる一画がある。ビール、焼酎、またはそれらを組み合わせた3本の酒類と、大量の料理をセットにして初回の支払いが3万ウォンというシステム。料理は15品前後で4人前は充分にある。

老舗

  • 東莱ハルメパジョン(동래할매파전)
1940年創業のパジョン(ネギのチヂミ/파전)専門店。詳細は「トンネパジョン(東莱式のネギ焼き/동래파전)」の項目を参照。

飲食店情報

以下は韓食ペディアの執筆者である八田靖史が実際に訪れた店を列挙している。

  • コカルビハルメチプ(고갈비할매집)
住所:釜山市中区光復路67番キル22(光復洞2街2-106)
住所:부산시 중구 광복로67번길 22(광복동2가 2-106)
電話:051-246-2148
料理:コカルビ

各地域の料理

済州市(제주시)
  • イルミトピジャ(1メートルピザ/1미터피자)翰京面楮旨里
  • コサンガムジャ(ジャガイモ/고산감자)翰京面高山里
  • タッペクスク(丸鶏の水煮/닭백숙)朝天邑橋来里
  • タッシャブシャブ(鶏のシャブシャブ/닭샤브샤브)朝天邑橋来里
  • タンコン(ピーナッツ/땅콩)牛島面
  • タンコンアイスクリム(ピーナッツアイスクリーム/땅콩아이스크림)牛島面
  • チェジュメクチュ(済州ビール/제주맥주)蓮洞
  • フェグクス(刺身載せ混ぜ麺/회국수)旧左邑東福里
西帰浦市(서귀포시)
  • カルチパン(タチウオパン/갈치빵)穡達洞
  • テジョフェジュク(イソシジミの粥/대조개죽)城山邑始興里
  • テジョゲフェ(イソシジミの刺身/대조개회)城山邑始興里
  • モダッチギ(屋台料理盛り合わせ/모닥치기)
  • チャジャンミョン(ジャージャー麺/자장면)大静邑馬羅里
  • フッカヌグイ(黒韓牛焼き/흑한우구이)
全域
  • カクチェギクッ(アジのスープ/각재기국)
  • カルチ(タチウオ/갈치)
  • カルチクッ(タチウオのスープ/갈치국)
  • カルチフェ(タチウオの刺身/갈치회)
  • カムキュル(ミカン/감귤)
  • カムキュルマッコルリ(ミカンマッコリ/감귤막걸리)
  • カムキュルアイスクリム(ミカンアイスクリーム/감귤아이스크림)
  • カムキュルチョコルリッ(ミカンチョコレート/감귤초콜릿)
  • ケクチュリジョリム(カワハギの煮物/객주리조림)
  • ケウジョッ(アワビの内臓の塩辛/게우젓)
  • コギグクス(豚スープ麺/고기국수)
  • コドゥンオ(サバ/고등어)
  • コドゥンオヘジャンクッ(サバのスープ/고등어해장국)
  • コドゥンオフェ(サバの刺身/고등어회)
  • コサリユッケジャン(豚とワラビのスープ/고사리육개장)
  • キンイジュク(カニ粥/깅이죽)
  • キンイティギム(カニの天ぷら/깅이튀김)
  • クォンゴギグイ(キジ肉焼き/꿩고기구이)
  • クォンメミルグクス(キジ肉そば/꿩메밀국수)
  • クォンシャブシャブ(キジ肉シャブシャブ/꿩샤브샤브)
  • タグムバリフェ(クエの刺身/다금바리회)
  • タクセウ(ミナミアカザエビ/딱새우)
  • トムベゴギ(済州島式の茹で豚/돔베고기)
  • トンジキムチ(白菜の菜花のキムチ/동지김치)
  • トンジナムル(白菜の菜花のナムル/동지나물)
  • マルコギグイ(馬肉焼き/말고기구이)
  • メルクッ(カタクチイワシのスープ/멜국)
  • メルジョッ(カタクチイワシの塩辛/멜젓)
  • メルジョリム(カタクチイワシの煮物/멜조림)
  • メルティギム(カタクチイワシの天ぷら/멜튀김)
  • ミョルチグクス(煮干しスープ麺/멸치국수)
  • モムクッ(ホンダワラのスープ/몸국)
  • モムグクス(ホンダワラのスープ麺/몸국수)
  • ポリパン(大麦の蒸しパン/보리빵)
  • ポリカステラ(大麦のカステラ/보리카스테라)
  • ポマルチュク(巻貝の粥/보말죽)
  • プッパリフェ(キジハタの刺身/북바리회)
  • ピントク(そばクレープ/빙떡)
  • サムチフェ(サワラの刺身/삼치회)
  • サンウェトク(小麦粉餅/상외떡)
  • ソンゲクッ(ウニのスープ/성게국)
  • ソンゲグクス(ウニのスープ麺/성게국수)
  • ソラジュク(サザエの粥/소라죽)
  • ソラフェ(サザエの刺身/소라회)
  • ソンピョン(済州島式の松葉餅/송편)
  • スンデ(済州島式の腸詰/순대)
  • スッパン(ヨモギ蒸しパン/쑥빵)
  • スッホットク(ヨモギ入りのお焼き/쑥호떡)
  • アガンバル(済州島式の豚足/아강발)
  • オギョプサル(豚バラ肉の焼肉/오겹살)
  • オメギトク(粟餅/오메기떡)
  • オメギスル(粟酒/오메기술)
  • オブンジャットルソッパプ(トコブシの釜飯/오분작돌솥밥)
  • オブンジャットゥッペギ(トコブシの海鮮鍋/오분작뚝배기)
  • オイプチュ(エゾウコギ酒/오잎주)
  • オクトムグイ(アマダイの焼き魚/옥돔구이)
  • オクトムミヨックッ(アマダイのワカメスープ/옥돔미역국)
  • オルレクルパン(ナッツ餡ドーナツ/올레꿀빵)
  • ウムッカサリ(トコロテン/우뭇가사리)
  • ユチェナムル(菜の花のナムル/유채나물)
  • チャリムルフェ(スズメダイの冷汁風刺身/자리물회)
  • チャリジョッ(スズメダイの塩辛/자리젓)
  • チャリフェ(スズメダイの刺身/자리회)
  • チョンボク(アワビ/전복)
  • チョンボッチュク(アワビ粥/전복죽)
  • チョプチャクピョクッ(접짝뼈국/豚スープ)
  • チョッコプテギマッコルリ(粟殻マッコリ/조껍데기막걸리)
  • チャンドルムスンデ(豚の直腸の腸詰/창도름순대)
  • コンクッ(大豆粉と白菜のスープ/콩국)
  • タムナボン(デコポン/탐나봉)
  • トルチェ(ヒジキの冷汁/톨채)
  • ハルラボン(デコポン/한라봉)
  • ハルラボンチョコルリッ(デコポンチョコレート/한라봉초콜릿)
  • ハルラサン(済州島の焼酎/한라산)
  • ハルラサンムルスナンソジュ(済州島の焼酎/한라산물순한소주)
  • ハンチフェ(ヤリイカの刺身/한치회)
  • ヘムルトゥッペギ(海鮮鍋/해물뚝배기)
  • ホバンニプクッ(カボチャの葉のスープ/호박잎국)
  • ホンサムフェ(赤ナマコの刺身/홍삼회)
  • フッテジグイ(黒豚焼き/흑돼지구이)

エピソード

  • 韓食ペディアの執筆者である八田靖史は2002年4月に初めて済州道を訪れた。同年3月に7年間在籍した大学をようやく卒業したものの、就職をする気がまったくなく、コリアン・フード・コラムニストを名乗りながらも実質的な無職の頃であった。自由を謳歌しながらの地方旅はことのほか楽しく、現在に至るまでの地方都市志向はこのときに始まったものである。このときの旅で特に印象的だったヘムルトゥッペギ(海鮮味噌鍋、해물뚝배기)と黒豚の焼肉については、当時執筆していたメールマガジン『コリアうめーや!!第28、29号』にその感動が記されている[10][11]

脚注

  1. 주민등록 인구통계 、行政自治部ウェブサイト、2017年7月20日閲覧
  2. 世界遺産一覧 地域別リスト(アジア②) 、公益社団法人日本ユネスコ協会連盟ウェブサイト、2017年7月20日閲覧
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