ヘジャンクッ(酔い覚ましのスープ/해장국)

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ヘジャンクッ해장국)は、酔い覚ましのスープ。

ソンジヘジャンクッ

概要

特定の料理を指すわけではなく、酒を飲んだ後に酔い覚ましを目的として食べるスープを総称する。ヘジャン(해장)が酔い覚まし、クッ()がスープを表す。ヘジャンは「解酲(ヘジョン、해정)」が転化したとの説があるほか、「解腸(해장)」の字を当てることも多い。翌朝の二日酔いを解決する目的で食べられることが多いが、飲んだ後に酔いを覚ましてから帰るために食べることもある。各メニューは飲酒とは無関係に単なる食事としても親しまれる。深夜、早朝に食べることが多い料理であるため、専門店では早朝から営業をするか、24時間営業の店が多い。ヘジャンクッを食べたり、酔い覚ましをすることを指す「ヘジャンハダ(해장하다)」という動詞がある。迎え酒のことはヘジャンスル(해장술)と呼ぶ。

種類

 
ファンテヘジャンクッ(手前)

ヘジャンクッは地域ごと、家庭ごとにさまざまな料理がある。代表的なものを以下に列挙する。

プゴクッ(북어국)、またはプゴヘジャンクッ(북어해장국)とも呼ぶ。ファンテ(干しダラ、황태)は江原道の名産品であり、同地域を代表するヘジャンクッとして親しまれる。
ピョヘジャンクッ(뼈해장국)とも呼ぶ。カムジャタン(ジャガイモ鍋/감자탕)を1人前にしたような料理で、カムジャタンの専門店でも多く提供される。
ソンジクッ(선지국)とも呼ぶ。大邱市ではタロクッパプ(別盛のスープごはん/따로국밥)として郷土料理になっている。
スンデクッパプ(순대국밥)とも呼ぶ。
 
コンナムルクッパプ
コンナムルヘジャンクッ(콩나물해장국)とも呼ぶ。全羅北道全州市の郷土料理として有名である。
チェチョプヘジャンクッ(재첩해장국)とも呼ぶ。慶尚南道河東郡の郷土料理として有名である。
オルゲンイヘジャンクッ(올갱이해장국)、タスルギヘジャンクッ(다슬기해장국)とも呼ぶ。カワニナ(올갱이)は淡水貝で、忠清北道など内陸地域を代表するヘジャンクッとして親しまれる。
ウゴジタン(우거지탕)、ウゴジクッ(우거지국)とも呼ぶ。
ポクヘジャンクッ(복해장국)とも呼ぶ。釜山市慶尚南道といった南部地域のヘジャンクッとして親しまれる。
済州道の郷土料理であり、同地域のヘジャンクッとして親しまれる。
ソネジャンタン(소내장탕)とも呼ぶ。
クルヘジャンクッ(굴해장국)とも呼ぶ。

地域

 
京畿道楊平郡のヘジャンクッ
  • 京畿道楊平郡
京畿道楊平郡はヘジャンクッの町として有名で、楊平ヘジャンクッ(양평해장국)の看板を掲げた専門店は全国的に数多い。郡南部の介軍面貢税里(ケグンミョン コンセリ、개군면 공세리)一帯はシンネ村(シンネマウル、신내마을)と呼ばれ、この地域で作られた牛肉、牛の内臓、牛血(선지)などを煮込んだヘジャンクッが人気を集めて広まったとされる。現在も同地域をはじめ、楊平郡にはヘジャンクッの専門店が多い。
  • 慶尚北道慶州市
慶尚北道慶州市では、豆モヤシ(콩나물)、海藻のホンダワラ(모자반)、刻んだ古漬けキムチ、メミルムク(そば寒天、메밀묵)を具としたヘジャンクッが郷土料理として知られる。これを慶州式ヘジャンクッ(경주식해장국)とも呼ぶ。皇吾洞(ファンオドン、황오동)の八友亭三差路(パルジョン サムゴリ、팔우정 삼거리)近くに専門店が並んでおり、一画は「八友亭ヘジャンクッ通り(팔우정해장국거리)」と呼ばれる。

脚注


外部リンク

制作者関連サイト

関連項目