トックッ(韓国式の雑煮/떡국)

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トックッ떡국)は、韓国式の雑煮。

トックッ

概要

トッ()は餅、クッ()は汁、またはスープの意。古くはピョンタン(餅湯、병탕)とも呼ばれた。牛の肩バラ肉(양지머리)や鶏肉を煮込んでスープを作り、うるち米で作った細長い棒状の餅を、小判型に薄く切って入れる。味付けは醤油、塩で整え、みじん切りニンニクなどを加える。そのほか溶き卵、刻み海苔、刻みネギを加えたり、炒めた牛肉や、またはサンジョク(牛肉や野菜の串焼き、산적)を載せることもある。また、具としてマンドゥ(餃子/만두)を加えたものは、トッマンドゥクッ(餅入り餃子スープ/떡만두국)と呼ぶ。日本の雑煮と同様、韓国でも正月料理として欠かせない一品であるが、正月にのみ食べられるという訳ではなく、食堂や粉食店では1年を通してメニューに載せられている。類似の料理としては、雪だるま型の餅を使うチョレンイトックッ(開城式の雑煮/조랭이떡국)がある。

  • カレトク
 
棒状に切ったトッポッキ(餅炒め)用の餅と(写真左と右手前)、小判型にスライスしたトックッ用の餅(右奥)
トックッに用いる棒状の餅をカレトク(가래떡)、またはヒントク(흰떡)と呼ぶ。棒状に作ったものをななめにスライスして小判型にするが、細長い形は長寿を、小判型は富裕を意味する。
  • 『東国歳時記』(1849年)の記述
洪錫謨によって1849年に書かれた『東国歳時記(동국세시기)』には、当時の歳時風俗が月ごとにまとめられており、1月の項目にはトックッに関する記述がある。「粳米の粉を蒸して大きな板のうえに置き、杵をもって無数に搗いてのち、長く引きのばしてつくった餅を白餅(흰떡)という。これを銭型に薄く輪切りにし、すまし汁に牛肉または雉肉を入れて炊き、とうがらし粉をふりかけたものを餅湯(떡국)という。これは祭祀の供え物として、お客の接待用としてつかわれるので、歳饌として無ければならないものである。お汁に入れてたいたものだから、昔の湿麺がこれに似たものである。店では時食としてこれを売る。俗に年齢をたずねるとき、餅湯を幾椀食べたか、といわれる所以である。」と説明されている。文末にあるように、トックッは正月に必ず食べる料理であることから、「トックッを何杯食べたか」との問いは年齢を尋ねる意味で使われる。[1]


脚注

  1. 洪錫謨・他、姜在彦(訳注), 1971, 『朝鮮歳時記』平凡社, P20

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