チャンオグイ(ウナギ焼き/장어구이)

提供: 韓食ペディア
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チャンオグイ。上がヤンニョムグイ(薬味ダレ焼き)、下がソグムグイ(塩焼き)

チャンオグイ장어구이)は、ウナギ焼き。

概要

チャンオ(장어)は漢字で「長魚」と書いてウナギやアナゴの総称。グイ(구이)は焼き物の総称。ウナギはペムジャンオ(뱀장어)、またはミンムルチャンオ(민물장어)と呼ばれるが、略称としてチャンオと呼ばれることも多い。開いて骨を除いたウナギを炭火などで下焼きし、醤油ダレ、またはコチュジャンダレを塗って網焼き、または鉄板焼きにする。主に専門店で食べる料理であり、焼肉のようにテーブルで焼きながら食べる形式が多い。その際、下焼きされたウナギをハサミで食べやすい大きさにカットをするのも一般的である。甘い醤油ダレにつけて味わうほか、サンチュ(상추)、エゴマの葉などの葉野菜に包んでも味わう。後味をさっぱりさせるために千切りのショウガが添えられるので、これを薬味として使用する。日本のように土用丑にウナギを食べる習慣はないが、代表的な夏の補陽食(スタミナ料理、보양식)として親しまれている。運動量の多いしっぽの部分がもっとも精がつくと考えられており、年長者に譲ったり、互いに勧め合ったりする場面がよくある。類似の料理には、パダジャンオグイ(アナゴ焼き/바다장어구이)コムジャンオグイ(ヌタウナギ焼き/곰장어구이)などがある。チャンオグイをごはんに載せた料理はチャンオドッパプ(ウナ丼、장어덮밥)と呼ぶ。

  • 覆盆子酒(복분자주)
覆盆子酒(ポップンジャジュ、복분자주)は、トックリイチゴ酒(ラズベリー酒)。赤ワインのような色合いと濃厚な甘味が特徴で、男性の精力増強によいとされることから、チャンオグイとは定番の組み合わせである。ウナギの名産地である全羅北道高敞郡の地酒としても有名で、専門店では自家製の覆盆子酒を提供するところもある。

地域

かつては多くの川でウナギがとれたが、現在は天然物が激減しており、飲食店で提供されるほとんどが養殖物である。それでも以前、ウナギがよくとれた川沿いには現在も専門店が多く地域の名物になっている。

  • 仁川市江華郡
仁川市江華郡の江華海峡一帯は古くからウナギの名産地であり、トリミ(더리미)地区にチャンオグイの専門店が集まっている。
  • 京畿道坡州市
京畿道坡州市の臨津江(イムジンガン、임진강)沿いにチャンオグイの専門店が集まっている。
  • 忠清南道牙山市
忠清南道牙山市の仁州(インジュ、인주)地区にチャンオグイの専門店が集まっている。得山洞(トゥクサンドン、득산동)には韓国のチャンオグイ専門店としてはもっとも古い1936年創業の「恋春(연춘)」がある
  • 慶尚南道金海市
慶尚南道金海市の仏岩洞(プラムドン、불암동)に専門店が集まっており、西洛東江(ソナクトンガン、서낙동강)沿いの一帯は「江辺チャンオタウン(강변장어타운)」と呼ばれる。
  • 慶尚南道晋州市
慶尚南道晋州市の南江(ナムガン、남강)沿いにチャンオグイの専門店が集まっている。
  • 全羅北道高敞郡
全羅北道高敞郡の仁川江(インチョンガン、인천강)沿いは古くからウナギの名産地として知られ、「プンチョンジャンオ(風川ウナギ、풍천장어)」の名前でブランド化している。風川とは海水と淡水の入り混じる汽水域のことで、海水の流入とともに風が吹くことを示す。現在は天然物が激減して稀少になってしまったが、同地域の天然環境で育てたウナギが新たな名物となっている。

エピソード

韓食ペディアの執筆者である八田靖史は、著書『八田靖史と韓国全土で味わう 絶品! ぶっちぎり108料理』において、全羅北道高敞郡のチャンオグイを厳選したベスト8の7位として紹介した[1]

脚注

  1. 八田靖史, 2014, 『八田靖史と韓国全土で味わう 絶品! ぶっちぎり108料理』, 三五館, P20-21

外部リンク

制作者関連サイト

関連項目