谷城郡の料理

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この記事はウィキペディアではありません。「韓食ペディア」はコリアン・フード・コラムニストの八田靖史が作る、韓国料理をより深く味わうためのWEB百科事典です。以下の内容は八田靖史の独自研究を含んでいます。掲載されている情報によって被った損害、損失に対して一切の責任を負いません。また、内容は随時修正されます。
ウノグイ

谷城郡(コクソングン、곡성군)は全羅南道の北東部に位置する地域。本ページでは谷城郡の料理、特産品について解説する。

地域概要

谷城郡は全羅南道の北東部に位置する地域。郡の北部は全羅北道淳昌郡南原市と接し、東部は全羅南道求礼郡、南部は順天市、南西部は和順郡、西部は潭陽郡と接する。人口は2万7007人(2023年3月)で、全羅南道では求礼郡に次いで2番目に少ない[1]。小白山脈(ソベクサンメク、소백산맥)の影響を受けて全体に山地が多く、標高764mの通明山(トンミョンサン、통명산)、標高735mの動楽山(トンアクサン、동악산)などが代表的である。北部から東部に向かって蟾津江(ソムジンガン、섬진강)が流れ、これに南部から東部へと流れる宝城江(ポソンガン、보성강)が注ぎ、これら川の周囲が平野部となっている。主要な観光地としては、旧谷城駅の跡地に蒸気機関車やディーゼル機関車などを展示する谷城蟾津江汽車村(コクソンソムジンガンキチャマウル、곡성섬진강기차마을)や、それに併設されるバラ公園(チャンミゴンウォン、장미공원)、蟾津江と宝城江の合流地であり川遊びや避暑地として利用される鴨緑遊園地(アムノクユウォンジ、압록유원지)などがある。ソウル市から谷城郡までのアクセスは、ソウル駅、龍山駅から高速鉄道のKTXで2時間20分前後。または、ソウル高速バスターミナルから谷城バスターミナル、玉果ターミナルまで高速バスで約3時間30分(1日1便)。近隣の主要都市である光州市の光州総合バスターミナル(U Square)から谷城バスターミナルまでは約1時間の距離である。

食文化の背景

蟾津江でとれるアユ(은어)やモクズガニ(동남참게)が名産として知られる。アユは焼き魚、天ぷら、刺身で味わい、モクズガニは鍋料理が代表的である。石谷面(ソッコンミョン、석곡면)地区では網焼きのテジプルコギ(豚肉の味付け焼肉/돼지불고기)が郷土料理として知られる。

代表的な料理

ウノグイ(アユの焼き魚/은어구이)

ウノグイ(은어구이)は、アユの焼き魚(「ウノグイ(アユの焼き魚/은어구이)」の項目も参照)。ウノ(은어)は漢字で「銀魚」と書いてアユのこと。グイ(=クイ、구이)は焼き物を総称する。内臓を抜いた腹に、刻んだニンニク、青唐辛子などを詰めて焼きあげる。蟾津江でとれるアユは初夏から夏にかけて旬を迎え、かつては陰暦6月になると宮中への進上品にも用いられた。陰暦6月15日の流頭(ユドゥ、유두)までは宮中に送り、その後になって初めて地元民の口に入ったという。現在も蟾津江沿いに専門店が多く、ウノフェ(アユの刺身、은어회)、ウノティギム(アユの天ぷら、은어튀김)といった料理も提供する。

チャムゲタン(モクズガニ鍋/참게탕)

チャムゲタン(참게탕)は、モクズガニ鍋、またはチュウゴクモクズガニ鍋(「チャムゲタン(チュウゴクモクズガニ鍋/참게탕)」の項目も参照)。チャムゲ(참게)は、本来チュウゴクモクズガニ(上海ガニ)を指すが、近縁種のモクズガニ(동남참게)の俗称としても使われる。蟾津江でとれるのはモクズガニだが、飲食店では養殖物や輸入物のチュウゴクモクズガニで代用することも多い。タン()は鍋料理の意。モクズガニ、またはチュウゴクモクズガニを野菜、キノコなどと煮込み、エゴマの粉や唐辛子などを加えて味噌仕立てにする。

ソクセテジプルコギ(豚肉の網焼き/석쇠돼지불고기)

ソクセテジプルコギ(석쇠돼지불고기)は、豚肉の網焼き(「テジプルコギ(豚肉の味付け焼肉/돼지불고기)」の項目も参照)。ソクセ(석쇠)が網、テジプルコギ(돼지불고기)は豚焼肉を意味する。石谷面(ソッコンミョン、석곡면)地区の郷土料理として知られる。

代表的な特産品

  • ヌンイボソッ(コウタケ/능이버섯)
  • トラン(サトイモ/토란)

代表的な酒類・飲料

飲食店情報

以下は韓食ペディアの執筆者である八田靖史が実際に訪れた店を列挙している。

  • トンナムチプ(통나무집)
住所:全羅南道谷城郡竹谷面大荒江路1598-19(下汗里山419-1)
住所:전라남도 곡성군 죽곡면 대황강로 1598-19(하한리 산 419-1)
電話:061-362-3090
料理:ウノグイ(アユ焼き)、チャムゲタン(チュウゴクモクズガニの鍋)

エピソード

韓食ペディアの執筆者である八田靖史は2019年4月に初めて谷城郡を訪れた。蟾津江名物のアユ料理がお目当てだったが、出てきたアユの塩焼きには青唐辛子と大量のニンニクが腹に詰められており、そのパンチの効いた調理法に驚いた。アユといえば繊細な香りを楽しむもの、という先入観ゆえにはじめは衝撃のほうが勝ったが、刺激的な味わいと鮮烈な香りは誇張なしにたいへん美味であり、改めて韓国料理と日本料理の違いを学ぶに至った[2]

脚注

  1. 주민등록 인구 및 세대현황 、行政安全部ウェブサイト、2023年4月10日閲覧
  2. 八田靖史の韓食動画 Vol.9 全羅南道の料理(求礼郡・谷城郡) 、八田靖史の韓食動画、2023年4月10日閲覧

外部リンク

関連サイト
制作者関連サイト

関連項目