「チュオタン(ドジョウ汁/추어탕)」の版間の差分

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チュオ([[추어]])は漢字で「鰍魚」と書いてドジョウ。タン([[탕]])は漢字で「湯」と書いてスープの意。ドジョウのことを一般的にミクラジ([[미꾸라지]])と呼ぶため、ミクラジタン([[미꾸라지탕]])と称することもある。ドジョウを丸のまま煮込む調理法と、下煮をしてすりつぶしす調理法に大きく分かれる。具にはドジョウのほか、シレギ(干した菜っ葉、[[시래기]])や、ワラビ、緑豆モヤシ、ニラ、長ネギ、青唐辛子などを入れ、味噌、コチュジャンなどで味をつける。仕上げには山椒粉をふりかけて薬味とする。家庭でも作られるほか、専門店や、スープ料理の専門店で提供されるメニューである。ドジョウを利用した料理としては、ほかに[[ミクラジティギム(ドジョウの天ぷら/미꾸라지튀김)]]、ミクラジスッケ(ドジョウの炒め煮、[[미꾸라지숙회]])などがある。
 
チュオ([[추어]])は漢字で「鰍魚」と書いてドジョウ。タン([[탕]])は漢字で「湯」と書いてスープの意。ドジョウのことを一般的にミクラジ([[미꾸라지]])と呼ぶため、ミクラジタン([[미꾸라지탕]])と称することもある。ドジョウを丸のまま煮込む調理法と、下煮をしてすりつぶしす調理法に大きく分かれる。具にはドジョウのほか、シレギ(干した菜っ葉、[[시래기]])や、ワラビ、緑豆モヤシ、ニラ、長ネギ、青唐辛子などを入れ、味噌、コチュジャンなどで味をつける。仕上げには山椒粉をふりかけて薬味とする。家庭でも作られるほか、専門店や、スープ料理の専門店で提供されるメニューである。ドジョウを利用した料理としては、ほかに[[ミクラジティギム(ドジョウの天ぷら/미꾸라지튀김)]]、ミクラジスッケ(ドジョウの炒め煮、[[미꾸라지숙회]])などがある。
  
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== 地域 ==
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*ソウル市
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:[[ソウル市の料理|ソウル市]]には、古くからチュオタンの専門店が多く、1920年代には数多くの有名店が新聞、雑誌記事などで取り上げられている。丸ドジョウを煮込んで作るのが[[ソウル市の料理|ソウル]]式で、下煮をしたドジョウをすりつぶして作るのが南原式(全羅道式)と大別されるが、現在は[[ソウル市の料理|ソウル市]]を含め、全国的に下煮をしてすりつぶす方式が主流になっている。
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*仁川市南洞区雲宴洞
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:[[仁川市の料理|仁川市]]の南洞区雲宴洞(ナムドング ウニョンドン、남동구 운연동)には10数軒のチュオタン専門店が集まっており、一帯は地域の別称である宴楽コル(ヨルラクコル、연락골)から、「宴楽コルドジョウ村」(ヨルラクコル チュオマウル、연락골 추어마을)と呼ばれる。この地域のチュオタンは、客席にて煮込みながら食べる鍋料理の形式で、すりつぶしたドジョウのほか、ジャガイモ、素麺([[국수]])、すいとん([[수제비]])などが入ってボリュームがある。この調理法については、[[江原道の料理|江原道]][[原州市の料理|原州市]]式のチュオタンとの類似性がまま指摘される<ref>[http://itour.incheon.go.kr/NTK_40000/NTK_40300/Read.jsp?ntt_id=50086 음식문화거리 연락골 추어마을] 、仁川ツアーウェブサイト、2019年4月19日閲覧</ref>。「宴楽コルドジョウ村」は2006年に南洞区より「特色飲食通り」(특색음식거리)として指定された<ref>[http://food.namdong.go.kr/theme/unyeon-dong.asp 운연동 추어마을] 、南洞区保健所食品衛生課ウェブサイト、2019年4月19日閲覧</ref>。
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*京畿道九里市
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:[[京畿道の料理|京畿道]][[九里市の料理|九里市]]は、南部に漢江(ハンガン、한강)、東部に漢江に注ぐ王宿川(ワンスクチョン、왕숙천)が流れる。古くから川魚の利用が発達し、中でもチュオタンが郷土料理として代表的である。
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*江原道原州市
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:[[江原道の料理|江原道]][[原州市の料理|原州市]]では、2012年3月に「原州代表料理(원주대표음식)」4種のひとつとしてウォンジュチュオタン(原州式ドジョウ汁、[[원주추어탕]])を選定した。釜で煮ながら提供するスタイルが多く、味付けにコチュジャンを用いるのが特徴である。ドジョウ以外にも、セリ、ジャガイモ、シイタケ、エリンギなどを加えて具だくさんに作る。専門店では、[[ミクラジティギム(ドジョウの天ぷら/미꾸라지튀김)]]などもメニューに加える。
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*慶尚北道清道郡
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[[ファイル:23040404.jpg|thumb|300px|清道式のチュオタン(ドジョウ汁)]]
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:[[慶尚北道の料理|慶尚北道]][[清道郡の料理|清道郡]]の清道駅前には、チュオタンの専門店が並ぶ「清道チュオタン通り(청도 추어탕거리)」がある。清道式はドジョウだけでなく、ナマズ([[메기]])、ギギ([[빠가사리]])などの川魚も一緒に煮込んで作るのが特徴で、下煮をした後、身はすりつぶすため姿こそ見えないが、より深い甘味や、うま味を引き出すためと説明される。味付けは薄い味噌仕立てで、白菜、芋がら、長ネギなどの野菜を加える。好みで山椒の粉や、刻んだ青唐辛子、薬味ダレなどを加えて味わう。
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*慶尚南道居昌郡
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:[[慶尚南道の料理|慶尚南道]][[居昌郡の料理|居昌郡]]では、中心部の居昌渭川(コチャンウィチョン、거창위천)沿いに専門店が多く、一帯は「チュオタン通り(추어탕거리)」と呼ばれる。ドジョウ([[미꾸라지]])以外にも、ナマズ([[메기]])などいろいろな川魚を使用して作る。専門店では後述するオタングクス(ドジョウ汁麺、[[어탕국수]])を一緒に提供するところも多い。「クグチュオタン(구구추어탕)」「居昌チュオタン(거창추어탕)」などが専門店として有名である。
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*全羅北道南原市
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:[[全羅北道の料理|全羅北道]][[南原市の料理|南原市]]はチュオタンの本場として有名である。古典小説『春香伝(チュニャンジョン、춘향전)』の舞台となった広寒楼(クァンハルル、광한루)の周辺に専門店が集まっており、この一角を「南原チュオタン通り(남원추어탕거리)」と呼ぶ。中でも1959年創業の「セジプチュオタン(새집추어탕)」がもっとも古株として知られる。丸ドジョウを煮込んで作る[[ソウル市の料理|ソウル]]式に対し、下煮をしたドジョウをすりつぶして作るのが南原式(全羅道式)と大別されるが、現在は[[ソウル市の料理|ソウル市]]を含め、全国的に下煮をしてすりつぶす方式が主流になっている。専門店ではチュオタンのほか、[[ミクラジティギム(ドジョウの天ぷら/미꾸라지튀김)]]、ミクラジスッケ(ドジョウの炒め煮、[[미꾸라지숙회]])などの料理も提供する。
  
 
== 脚注 ==
 
== 脚注 ==

2025年3月4日 (火) 01:01時点における版

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いろいろなドジョウ料理。チュオタンは写真手前

チュオタン추어탕)は、ドジョウ汁。

概要

チュオ(추어)は漢字で「鰍魚」と書いてドジョウ。タン()は漢字で「湯」と書いてスープの意。ドジョウのことを一般的にミクラジ(미꾸라지)と呼ぶため、ミクラジタン(미꾸라지탕)と称することもある。ドジョウを丸のまま煮込む調理法と、下煮をしてすりつぶしす調理法に大きく分かれる。具にはドジョウのほか、シレギ(干した菜っ葉、시래기)や、ワラビ、緑豆モヤシ、ニラ、長ネギ、青唐辛子などを入れ、味噌、コチュジャンなどで味をつける。仕上げには山椒粉をふりかけて薬味とする。家庭でも作られるほか、専門店や、スープ料理の専門店で提供されるメニューである。ドジョウを利用した料理としては、ほかにミクラジティギム(ドジョウの天ぷら/미꾸라지튀김)、ミクラジスッケ(ドジョウの炒め煮、미꾸라지숙회)などがある。

地域

  • ソウル市
ソウル市には、古くからチュオタンの専門店が多く、1920年代には数多くの有名店が新聞、雑誌記事などで取り上げられている。丸ドジョウを煮込んで作るのがソウル式で、下煮をしたドジョウをすりつぶして作るのが南原式(全羅道式)と大別されるが、現在はソウル市を含め、全国的に下煮をしてすりつぶす方式が主流になっている。
  • 仁川市南洞区雲宴洞
仁川市の南洞区雲宴洞(ナムドング ウニョンドン、남동구 운연동)には10数軒のチュオタン専門店が集まっており、一帯は地域の別称である宴楽コル(ヨルラクコル、연락골)から、「宴楽コルドジョウ村」(ヨルラクコル チュオマウル、연락골 추어마을)と呼ばれる。この地域のチュオタンは、客席にて煮込みながら食べる鍋料理の形式で、すりつぶしたドジョウのほか、ジャガイモ、素麺(국수)、すいとん(수제비)などが入ってボリュームがある。この調理法については、江原道原州市式のチュオタンとの類似性がまま指摘される[1]。「宴楽コルドジョウ村」は2006年に南洞区より「特色飲食通り」(특색음식거리)として指定された[2]
  • 京畿道九里市
京畿道九里市は、南部に漢江(ハンガン、한강)、東部に漢江に注ぐ王宿川(ワンスクチョン、왕숙천)が流れる。古くから川魚の利用が発達し、中でもチュオタンが郷土料理として代表的である。
  • 江原道原州市
江原道原州市では、2012年3月に「原州代表料理(원주대표음식)」4種のひとつとしてウォンジュチュオタン(原州式ドジョウ汁、원주추어탕)を選定した。釜で煮ながら提供するスタイルが多く、味付けにコチュジャンを用いるのが特徴である。ドジョウ以外にも、セリ、ジャガイモ、シイタケ、エリンギなどを加えて具だくさんに作る。専門店では、ミクラジティギム(ドジョウの天ぷら/미꾸라지튀김)などもメニューに加える。
  • 慶尚北道清道郡
清道式のチュオタン(ドジョウ汁)
慶尚北道清道郡の清道駅前には、チュオタンの専門店が並ぶ「清道チュオタン通り(청도 추어탕거리)」がある。清道式はドジョウだけでなく、ナマズ(메기)、ギギ(빠가사리)などの川魚も一緒に煮込んで作るのが特徴で、下煮をした後、身はすりつぶすため姿こそ見えないが、より深い甘味や、うま味を引き出すためと説明される。味付けは薄い味噌仕立てで、白菜、芋がら、長ネギなどの野菜を加える。好みで山椒の粉や、刻んだ青唐辛子、薬味ダレなどを加えて味わう。
  • 慶尚南道居昌郡
慶尚南道居昌郡では、中心部の居昌渭川(コチャンウィチョン、거창위천)沿いに専門店が多く、一帯は「チュオタン通り(추어탕거리)」と呼ばれる。ドジョウ(미꾸라지)以外にも、ナマズ(메기)などいろいろな川魚を使用して作る。専門店では後述するオタングクス(ドジョウ汁麺、어탕국수)を一緒に提供するところも多い。「クグチュオタン(구구추어탕)」「居昌チュオタン(거창추어탕)」などが専門店として有名である。
  • 全羅北道南原市
全羅北道南原市はチュオタンの本場として有名である。古典小説『春香伝(チュニャンジョン、춘향전)』の舞台となった広寒楼(クァンハルル、광한루)の周辺に専門店が集まっており、この一角を「南原チュオタン通り(남원추어탕거리)」と呼ぶ。中でも1959年創業の「セジプチュオタン(새집추어탕)」がもっとも古株として知られる。丸ドジョウを煮込んで作るソウル式に対し、下煮をしたドジョウをすりつぶして作るのが南原式(全羅道式)と大別されるが、現在はソウル市を含め、全国的に下煮をしてすりつぶす方式が主流になっている。専門店ではチュオタンのほか、ミクラジティギム(ドジョウの天ぷら/미꾸라지튀김)、ミクラジスッケ(ドジョウの炒め煮、미꾸라지숙회)などの料理も提供する。

脚注

  1. 음식문화거리 연락골 추어마을 、仁川ツアーウェブサイト、2019年4月19日閲覧
  2. 운연동 추어마을 、南洞区保健所食品衛生課ウェブサイト、2019年4月19日閲覧

外部リンク

制作者関連サイト

関連項目