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:セジョゲシャブシャブはトリガイのしゃぶしゃぶ。セジョゲ([[새조개]])はトリガイ、シャブシャブ([[샤브샤브]])は日本料理のしゃぶしゃぶに由来する。生のトリガイを野菜とともに海鮮ダシでさっとゆがき、醤油ダレや、チョコチュジャン(唐辛子酢味噌、[[초고추장]])などで味わう。西海岸に面した浅水湾、特に南塘港の名物として知られ、韓国でトリガイといえばこの地域がもっとも有名である。旬は真冬であり、12~3月頃まで提供されるが、その中でも1~2月を最盛期とする。また、春に旬を迎えるイイダコ([[주꾸미]])をトリガイと一緒にゆがいて味わうことも多い。最後残ったスープにインスタントの袋ラーメンを入れて食べるのも定番である。毎年1~3月には南塘港、浅水湾一帯で「洪城南塘港トリガイ祭り(홍성남당항새조개축제)」が開催される<ref>[https://www.hongseong.go.kr/prog/tursmCn/tour/sub03_04/view.do?cntNo=44 홍성남당항새조개축제] 、洪城郡ウェブサイト、2024年6月17日閲覧</ref>。 | :セジョゲシャブシャブはトリガイのしゃぶしゃぶ。セジョゲ([[새조개]])はトリガイ、シャブシャブ([[샤브샤브]])は日本料理のしゃぶしゃぶに由来する。生のトリガイを野菜とともに海鮮ダシでさっとゆがき、醤油ダレや、チョコチュジャン(唐辛子酢味噌、[[초고추장]])などで味わう。西海岸に面した浅水湾、特に南塘港の名物として知られ、韓国でトリガイといえばこの地域がもっとも有名である。旬は真冬であり、12~3月頃まで提供されるが、その中でも1~2月を最盛期とする。また、春に旬を迎えるイイダコ([[주꾸미]])をトリガイと一緒にゆがいて味わうことも多い。最後残ったスープにインスタントの袋ラーメンを入れて食べるのも定番である。毎年1~3月には南塘港、浅水湾一帯で「洪城南塘港トリガイ祭り(홍성남당항새조개축제)」が開催される<ref>[https://www.hongseong.go.kr/prog/tursmCn/tour/sub03_04/view.do?cntNo=44 홍성남당항새조개축제] 、洪城郡ウェブサイト、2024年6月17日閲覧</ref>。 |
2024年7月11日 (木) 06:38時点における版
この記事はウィキペディアではありません。「韓食ペディア」はコリアン・フード・コラムニストの八田靖史が作る、韓国料理をより深く味わうためのWEB百科事典です。以下の内容は八田靖史の独自研究を含んでいます。掲載されている情報によって被った損害、損失に対して一切の責任を負いません。また、内容は随時修正されます。 |
洪城郡(ホンソングン、홍성군)は忠清南道の西部に位置する地域。本ページでは洪城郡の料理、特産品について解説する。
地域概要
洪城郡は忠清南道の道庁所在地。道の西部に位置し、北部から東部にかけては忠清南道の礼山郡、南東部は忠清南道の青陽郡、南部は忠清南道の保寧市、北西部は忠清南道の瑞山市と接する。西部は浅水湾(チョンスマン、천수만)に面し、忠清南道泰安郡の安眠島(アンミョンド、안면도)と向かい合う。人口は9万8272人(2024年5月)[1]。郡の西部は西海岸に面する一方で、内陸部は山岳や丘陵地域が多く、車嶺山脈(チャリョンサンメク、차령산맥)の支脈に当たる標高791mの烏棲山(オソサン、오서산)がある。
代表的な観光地に西海岸の重要な拠点として機能した洪州城(ホンジュソン、홍주성)と、それに付帯する朝陽門(チョヤンムン、조양문)、洪州衙門(ホンジュアムン、홍주아문)、安懐堂(アヌェダン、안회당)、余何亭(ヨハジョン、여하정)といった建築物がある。また、烏棲山、龍鳳山(ヨンボンサン、용봉산)は登山客を集め、浅水湾の南塘港(ナムダンハン、남당항)は海産物を楽しめるグルメスポットとして人気がある。代表的な人物には高麗時代の名将である崔瑩(チェ・ヨン、최영)や、朝鮮時代の学者である成三問(ソン・サムムン、성삼문)、詩人の韓龍雲(ハン・ヨンウン、한용운)、独立運動家の金佐鎮(キム・ジャジン、김좌진)らがいる。ソウル市からのアクセスは、ソウル高速バスターミナルから洪城総合ターミナルまで高速バスで約2時間の距離。
食文化の背景
西海岸に面した浅水湾はコウライエビ(대하)や、トリガイ(새조개)の名産地として知られる。中でも南塘港にはコウライエビやトリガイ料理を提供する海鮮料理の専門店が集まっており、旬の時期には大勢の観光客を集める。郡南部の広川(クァンチョン、광천)地区は海苔の産地であり、広川海苔(광천김)の名前は全国に轟いている。また、山の中腹にある洞窟内でアミの塩辛(새우젓)を貯蔵発酵させた「広川トグルセウジョッ(광천토굴새우젓)」も名産品のひとつである。内陸部では古くから畜産業が栄えており、中でも牛肉の評価が高く、「洪城韓牛(ホンソンハヌ、홍성한우)」として名高い。
代表的な料理
セジョゲシャブシャブ(トリガイのしゃぶしゃぶ/새조개샤브샤브)
- セジョゲシャブシャブはトリガイのしゃぶしゃぶ。セジョゲ(새조개)はトリガイ、シャブシャブ(샤브샤브)は日本料理のしゃぶしゃぶに由来する。生のトリガイを野菜とともに海鮮ダシでさっとゆがき、醤油ダレや、チョコチュジャン(唐辛子酢味噌、초고추장)などで味わう。西海岸に面した浅水湾、特に南塘港の名物として知られ、韓国でトリガイといえばこの地域がもっとも有名である。旬は真冬であり、12~3月頃まで提供されるが、その中でも1~2月を最盛期とする。また、春に旬を迎えるイイダコ(주꾸미)をトリガイと一緒にゆがいて味わうことも多い。最後残ったスープにインスタントの袋ラーメンを入れて食べるのも定番である。毎年1~3月には南塘港、浅水湾一帯で「洪城南塘港トリガイ祭り(홍성남당항새조개축제)」が開催される[2]。
- 韓国観光公社の記述
- 韓国観光公社が配布する『韓国の味紀行』という冊子(WEBでも閲覧可)では以下のように紹介されている。
- 「1980年代初盤には浅水湾にトリガイはいませんでした。トリガイは、沿岸5~30メートルの深さの泥底に生息していますが、1984年の干拓事業で浅水湾北端に砂が生じ、自然とトリガイが生息できる環境ができました。浅水湾の防潮堤工事が終わり、ある漁夫が干潟で偶然にトリガイを見つけましたが、初めは何か分からずに全て捨ててしまいました。しかしそれが日本で最高の寿司の材料として使われるという噂が立ってからは、ほとんどが日本に輸出されるようになりました。韓国でこの珍しい貝を食べ始めたのは、1990年代後半に一部の美食家によりその味が知られるようになってからのことです。さっと煮て食べると、やわらかい身はほのかに甘く、初めて味わう人も感嘆せざるをえないほどでした。その後、毎年12月になるとトリガイを味わうために南塘港を訪ねる人が増え始め、最近ではトリガイが無くなり販売できなくなるほどになりました。 」[3]
テハグイ(コウライエビ焼き/대하구이)
- テハグイはコウライエビ焼き。コウライエビは日本で大正エビとの別名もある。活きたままのコウライエビを塩焼きにし、殻を剥いてそのまま味わう。トリガイと同じく南塘港の名物として知られ、9~10月頃を最盛期とする。界隈の飲食店ではテハグイのほか、コウライエビを薬味醤油に漬け込んだテハジャン(コウライエビの醤油漬け、대하장)も提供する。南塘港(ナムダンハン、남당항)ではシーズンになると「洪城南塘港コウライエビ祭り(홍성남당항대하축제)」が開催される[4]。
ソモリクッパプ(牛頭肉のスープごはん/소머리국밥)
- ソモリクッパプは牛頭肉のスープごはん(「ソモリクッパプ(牛頭部のスープごはん/소머리국밥)の項目も参照」)。牛の頭部をじっくり煮込んでスープをとり、ごはんとともに食べやすく切った頭部の肉を具として加える。味付けは薄い塩味で、アミの塩辛を加えてもよい。郡の中心部にある洪城伝統市場(ホンソンチョントンシジャン、홍성전통시장)に専門店が立ち並んでおり、市場の名物としても知られる。
代表的な特産品
内陸部では牛肉を中心とした畜産業が盛んで、西部の海岸地域ではトリガイ(새조개)、コウライエビ(대하)などが名産である。広川地区は海苔の生産や、洞窟を利用したアミの塩辛作りでも有名。
海苔
- 洪城郡の広川地区は忠清南道や全羅北道の沿岸部、島嶼部などで生産する海苔の集散地として名高い。「広川海苔(광천김)」の名はブランドとして広く認知されており、日本をはじめとした諸外国にも輸出されている。一例として、五星コーポレーションが販売する「ソンガネ韓国のり」は、缶のパッケージに「広川(クァンチョン)海苔使用」との説明書きを載せ、「韓国西海岸にある広川は潮の干満の差が大きく良質で味の良い海苔が取れることで有名な地域」と記している。[5]
アミの塩辛
- 広川(クァンチョン、광천)地区では1950年代にアミの塩辛を洞窟内で熟成させる技術を確立した(1960年代半ばとする情報もある)。洞窟内は年間を通して温度が一定であり、品質を保つのにも適している。韓国語で洞窟のことをトグル(토굴)と呼び、ここで保存したアミの塩辛は「トグルセウジョッ(洞窟のアミの塩辛、토굴새우젓)」と呼ばれる。アミの塩辛はキムチの材料として欠かせないため、越冬用のキムチを大量に漬け込むキムジャン(김장)のシーズンを目前とした、毎年10月に「広川トグルセウジョッ・広川海苔祭り(광천토굴새우젓·광천김축제)」が開催される[6]。
- 洪城郡の記述
- 洪城郡の観光ページではトグルセウジョッの由来について以下のように紹介している。
- 「もともとアミの塩辛はチョレンイと呼ばれる甕に貯蔵したが、夏に腐敗して嫌なにおいの塩辛になる場合が多かった。 このにおいを出さない方法を考えていた故ユン・ビョンウォン氏が実験的に1954年、廃金鉱にアミの塩辛を置き、キムチを漬ける季節に行ってみるとよく熟成しているのを発見した。ユン・ビョンウォン氏が洞窟を堀って以来、洞窟の効果を体験した村の人々は相次いで洞窟を掘り始めた。洞窟は石が多くて水のたくさん落ちるところがよいのだが、このような土壌をよく選んだ後、機械の力を借りず純粋に人の労働力でのみ掘った。この洞窟の中にアミの塩辛の甕を置き始めて以来、広川のアミの塩辛は「トグルセウジョッ(洞窟のアミの塩辛)」として知られるようになり、現在は西海岸と南海岸でとれたアミをここに貯蔵し、「広川トグルセウジョッ」として生まれかわらせ、代表的なアミの塩辛の販売団地として地位を築いた」(原文1)[7]
- 【原文1】원래 새우젓은 조랭이 또는 조쟁이라 불리는 항아리에 저장하는데, 여름에 부패하여 고랑젓이 되는 경우가 많았다. 이 고랑젓이 생기지 않는 방법을 고민하다가 고(故) 윤병원 씨가 실험적으로 1954년 금광 폐광에 새우젓을 넣어 보았다가 김장철에 가보니 잘 숙성되어 있는 것을 발견하게 되었다. 윤병원 씨가 토굴을 판 이후에 토굴의 효험을 체험한 마을 사람들은 연이어 토굴을 파기 시작하였다. 토굴은 돌이 많고 물이 많이 떨어지는 곳이 좋은 곳인데, 이러한 토질을 잘 고른 다음 기계의 힘을 빌리지 않고 순진히 사람의 노동력으로만 팠다. 이 토굴속에 새우젓 독을 넣기 시작한 이래, 광천새우젓은 토굴새우젓으로 소문하게 되었고, 현재는 서해와 남해에서 잡은 새우를 이 곳에 저장해 광천토굴새우젓으로 재탄생하여 대표적인 새우젓 판매단지로 자리 잡았다.
洪城韓牛
- 洪城韓牛(ホンソンハヌ、홍성한우)はブランド牛のひとつとして名高い。多く内陸部の丘陵地において、ワラや穀物などをエサに昔ながらの方法で飼育している。洪城韓牛は2012年に大韓民国代表ブランド大賞を受賞し、2014年には大韓民国地域ブランド特産物部門優秀賞を受賞した[8]。
代表的な酒類・飲料
洪城郡のマッコリ
- 主要な銘柄に結城醸造場の「結城マッコリ(결성막걸리)」、ホンドン酒造の「内浦マッコリ(내포막걸리)」がある。
飲食店情報
以下は韓食ペディアの執筆者である八田靖史が実際に訪れた店を列挙している。
- 内浦フェッチプ(내포횟집)
- 住所:忠清南道洪城郡西部面南塘港路210-1(南塘里452-1)
- 住所:충청남도 홍성군 서부면 남당항로 210-1(남당리 452-1)
- 電話:041-633-9480
- 料理:セジョゲシャブシャブ、テハグイ
- ソボクカルビ洪城店(소복갈비 홍성점)
- 住所:忠清南道洪城郡洪城邑月渓2キル5-6(月山里860-3)
- 住所:충청남도 홍성군 홍성읍 월계2길 5-6(월산리 860-3)
- 電話:041-631-2343
- 料理:カルビグイ、カルビタン(洪城韓牛を使用)
- スンドゥネワンマンドゥ(순두네 왕만두)
- 住所:忠清南道洪城郡洪城邑朝陽路188(古厳里532-3)
- 住所:충청남도 홍성군 홍성읍 조양로 188(고암리 532-3)
- 電話:041-631-1333
- 料理:ワンマンドゥ
- ホンソンチプ(홍성집)
- 住所:忠清南道洪城郡洪城邑義士路43番キル27-3(大校里400-14)
- 住所:충청남도 홍성군 홍성읍 의사로43번길 27-3(대교리 400-14)
- 電話:041-632-0723
- 料理:ソモリクッパプ
エピソード
- 韓食ペディアの執筆者である八田靖史は2014年11月に初めて洪城郡を訪れた。
- 2014年11月の初訪問時、八田靖史は郡中心部の古厳里において、路線バスの運転手がワンマンドゥ(肉まん/왕만두)店の前で突如停止し、運転席から大声でテイクアウトを注文する姿を見て衝撃を受けた。思わず自分も購入してみたところ、1個W1000のワンマンドゥは刻んだキャベツなどの野菜がたっぷりで確かに美味しかった。
脚注
- ↑ 주민등록 인구 및 세대현황 、行政安全部ウェブサイト、2024年6月17日閲覧
- ↑ 홍성남당항새조개축제 、洪城郡ウェブサイト、2024年6月17日閲覧
- ↑ 忠清南道の味紀行 、韓国観光公社ウェブサイト、2015年1月17日閲覧
- ↑ 홍성남당항대하축제 、洪城郡ウェブサイト、2024年6月17日閲覧
- ↑ ソンガネ韓国海苔(缶) 、五星コーポレーションウェブサイト、2015年1月18日閲覧
- ↑ 광천김·토굴새우젓 대축제 、洪城郡ウェブサイト、2024年6月17日閲覧
- ↑ 광천토굴의 역사 、洪城郡ウェブサイト、2024年6月17日閲覧
- ↑ 홍성군 특산품 한우 、洪城郡ウェブサイト、2024年6月17日閲覧
外部リンク
- 関連サイト
- 制作者関連サイト
- 韓食生活(韓食ペディアの執筆者である八田靖史の公式サイト)
- 八田靖史プロフィール(八田靖史のプロフィール)