31,667
回編集
(→地域) |
(→地域) |
||
21行目: | 21行目: | ||
*;仁川市江華郡 | *;仁川市江華郡 | ||
:[[仁川市の料理|仁川市]][[江華郡の料理|江華郡]]と[[金浦市の料理|金浦市]]を分かつ江華海峡(カンファヘヒョプ、강화해협)は、塩辛い川のようだという意味で塩河(ヨマ、염하)と呼ばれ、一帯では古くからウナギがよくとれた。近年は天然物の減少から漁獲量は激減しているが、それでも塩河沿いのトリミ(더리미)地区にはウナギ料理の専門店が集まっている。 | :[[仁川市の料理|仁川市]][[江華郡の料理|江華郡]]と[[金浦市の料理|金浦市]]を分かつ江華海峡(カンファヘヒョプ、강화해협)は、塩辛い川のようだという意味で塩河(ヨマ、염하)と呼ばれ、一帯では古くからウナギがよくとれた。近年は天然物の減少から漁獲量は激減しているが、それでも塩河沿いのトリミ(더리미)地区にはウナギ料理の専門店が集まっている。 | ||
+ | |||
*;京畿道坡州市 | *;京畿道坡州市 | ||
:[[京畿道の料理|京畿道]][[坡州市の料理|坡州市]]の臨津江(イムジンガン、임진강)沿いにチャンオグイの専門店が集まっている。現在の臨津江は軍事上の理由から民間人の立ち入りや写真撮影を制限している場所がある。韓食ペディアの執筆者である八田靖史は、臨津江沿いの専門店でウナギを焼いているところを撮影しようとした際、カメラを向けた先が軍事地域であったためスタッフに慌てて止められた経験がある。 | :[[京畿道の料理|京畿道]][[坡州市の料理|坡州市]]の臨津江(イムジンガン、임진강)沿いにチャンオグイの専門店が集まっている。現在の臨津江は軍事上の理由から民間人の立ち入りや写真撮影を制限している場所がある。韓食ペディアの執筆者である八田靖史は、臨津江沿いの専門店でウナギを焼いているところを撮影しようとした際、カメラを向けた先が軍事地域であったためスタッフに慌てて止められた経験がある。 | ||
+ | |||
*;忠清南道牙山市 | *;忠清南道牙山市 | ||
− | :[[忠清南道の料理|忠清南道]][[牙山市の料理|牙山市]] | + | :[[忠清南道の料理|忠清南道]][[牙山市の料理|牙山市]]の仁州(インジュ、인주)地区にチャンオグイの専門店が集まっている。得山洞(トゥクサンドン、득산동)には韓国のチャンオグイ専門店としてはもっとも古い1936年創業の「恋春(연춘)」がある。 |
+ | |||
+ | :「恋春(연춘)」は[[牙山市の料理|牙山市]]のもっとも古い飲食店であり、また韓国のウナギ料理店としてももっとも古い。1926年に造られた人造湖の神井湖(シンジョンホ、신정호)沿いに位置し、日本統治時代に建てられた家屋をそのまま残している。店主によれば「温泉地である牙山には創業当時、日本人が休養地としてよく訪れており、日本人に向けた高級料理としてウナギを出すようになった。当時は近くに光興楼という楼閣があったため、『光興楼観光食堂』という名前を掲げ、ウナギ料理と韓定食を扱った。後に『迎春』と名前を変え、また現在は『恋春』としている。春を迎える、春に恋するというのは、もともとウナギのオフシーズンである9月末から3月は営業をせず、春を待って営業を始めたことに由来する」(八田靖史の取材記録より、2014年12月17日)。現在もチャンオグイが看板メニューであり、ウナギと同じタレで焼いたタックイ(鶏肉焼き、[[닭구이]])も他店ではあまり見ない名物として親しまれる。 | ||
+ | |||
*;慶尚南道金海市 | *;慶尚南道金海市 | ||
[[ファイル:25010802.JPG|thumb|300px|[[慶尚南道の料理|慶尚南道]][[金海市の料理|金海市]]のチャンオグイ(ヤンニョムグイ)。鉄板の周囲にチャンアチなどの副菜が並ぶ]] | [[ファイル:25010802.JPG|thumb|300px|[[慶尚南道の料理|慶尚南道]][[金海市の料理|金海市]]のチャンオグイ(ヤンニョムグイ)。鉄板の周囲にチャンアチなどの副菜が並ぶ]] | ||
:[[慶尚南道の料理|慶尚南道]][[金海市の料理|金海市]]の仏岩洞(プラムドン、불암동)に専門店が集まっており、仏岩チャンオ([[불암장어]])の名前で知られる。仏岩洞は西洛東江(ソナクトンガン、서낙동강)を挟んで[[釜山市の料理|釜山市]]との境界にあり、かつては両地域を結ぶ金海橋(キメギョ、김해교)の周辺にチャンオグイの専門店があった。2004年に釜山新港背後道路(地方道69号線)が着工すると、一部の店が要地に引っ掛かったことから、2007年に金海橋から600mほど離れた場所で「江辺チャンオタウン(강변장어타운)」が造成され、現在はここに多くの専門店が集まっている。副菜として種類豊富なチャンアチ(漬物、[[장아찌]])を用意するのが特徴で、チャンオグイと一緒に食べると後味がさっぱりとする。 | :[[慶尚南道の料理|慶尚南道]][[金海市の料理|金海市]]の仏岩洞(プラムドン、불암동)に専門店が集まっており、仏岩チャンオ([[불암장어]])の名前で知られる。仏岩洞は西洛東江(ソナクトンガン、서낙동강)を挟んで[[釜山市の料理|釜山市]]との境界にあり、かつては両地域を結ぶ金海橋(キメギョ、김해교)の周辺にチャンオグイの専門店があった。2004年に釜山新港背後道路(地方道69号線)が着工すると、一部の店が要地に引っ掛かったことから、2007年に金海橋から600mほど離れた場所で「江辺チャンオタウン(강변장어타운)」が造成され、現在はここに多くの専門店が集まっている。副菜として種類豊富なチャンアチ(漬物、[[장아찌]])を用意するのが特徴で、チャンオグイと一緒に食べると後味がさっぱりとする。 | ||
+ | |||
*;慶尚南道晋州市 | *;慶尚南道晋州市 | ||
:[[慶尚南道の料理|慶尚南道]][[晋州市の料理|晋州市]]の南江(ナムガン、남강)沿いにかつてはチャンオグイの専門店が集まっていたが、2007年頃から一帯を再開発し、「晋州大捷広場(진주대첩광장)」を造成する事業が本格的に始まったことから、すべての店が移転を余儀なくされた。現在は近隣地域などにかつての古株店が点在する。薬味ダレを塗って焼いたチャンオグイを、熱した鉄板に載せて提供するのが特徴である。 | :[[慶尚南道の料理|慶尚南道]][[晋州市の料理|晋州市]]の南江(ナムガン、남강)沿いにかつてはチャンオグイの専門店が集まっていたが、2007年頃から一帯を再開発し、「晋州大捷広場(진주대첩광장)」を造成する事業が本格的に始まったことから、すべての店が移転を余儀なくされた。現在は近隣地域などにかつての古株店が点在する。薬味ダレを塗って焼いたチャンオグイを、熱した鉄板に載せて提供するのが特徴である。 | ||
*;全羅北道高敞郡 | *;全羅北道高敞郡 | ||
+ | |||
:[[全羅北道の料理|全羅北道]][[高敞郡の料理|高敞郡]]の仁川江(インチョンガン、인천강)沿いは古くからウナギの名産地として知られ、「プンチョンジャンオ(風川ウナギ、풍천장어)」の名前でブランド化している。風川とは海水と淡水の入り混じる汽水域のことで、海水の流入とともに風が吹くことを示す。現在は天然物が激減して稀少になってしまったが、同地域の天然環境で育てたウナギが新たな名物となっている。 | :[[全羅北道の料理|全羅北道]][[高敞郡の料理|高敞郡]]の仁川江(インチョンガン、인천강)沿いは古くからウナギの名産地として知られ、「プンチョンジャンオ(風川ウナギ、풍천장어)」の名前でブランド化している。風川とは海水と淡水の入り混じる汽水域のことで、海水の流入とともに風が吹くことを示す。現在は天然物が激減して稀少になってしまったが、同地域の天然環境で育てたウナギが新たな名物となっている。 | ||
*;全羅南道羅州市 | *;全羅南道羅州市 | ||
+ | |||
:[[全羅南道の料理|全羅南道]][[羅州市の料理|羅州市]]の栄山江(ヨンサンガン、영산강)はウナギの産地であり、中でも海水と淡水の混ざる汽水域の九津浦(クジンポ、구진포)一帯では、ウナギがドジョウ([[미꾸라지]])を食べて育つことから味がよいと高く評価されていた。現在は漁獲量の減少から養殖ウナギの利用が主流となっているが、一帯には老舗のウナギ料理専門店が集まっており、「九津浦ウナギ通り(구진포 장어거리)」として名声を誇る。 | :[[全羅南道の料理|全羅南道]][[羅州市の料理|羅州市]]の栄山江(ヨンサンガン、영산강)はウナギの産地であり、中でも海水と淡水の混ざる汽水域の九津浦(クジンポ、구진포)一帯では、ウナギがドジョウ([[미꾸라지]])を食べて育つことから味がよいと高く評価されていた。現在は漁獲量の減少から養殖ウナギの利用が主流となっているが、一帯には老舗のウナギ料理専門店が集まっており、「九津浦ウナギ通り(구진포 장어거리)」として名声を誇る。 | ||