永同郡の料理
この記事はウィキペディアではありません。「韓食ペディア」はコリアン・フード・コラムニストの八田靖史が作る、韓国料理をより深く味わうためのWEB百科事典です。以下の内容は八田靖史の独自研究を含んでいます。掲載されている情報によって被った損害、損失に対して一切の責任を負いません。また、内容は随時修正されます。 |
永同郡(ヨンドングン、영동군)は忠清北道に位置する地域。本ページでは永同郡の料理、特産品について解説する。
地域概要
永同郡は忠清北道の南部に位置し、北部は忠清北道の沃川郡と慶尚北道の尚州市、東部は慶尚北道の金泉市、南部は全羅南道の茂朱郡、西部は忠清南道の錦山郡と接する。人口は3万3876人(2018年6月)[1]。郡の東部から南部にかけては小白山脈が南北に伸びており、西部では錦江(クムガン、금강)が南から北へと流れる。永同郡は韓国三大楽聖のひとりに数えられる朝鮮時代の音楽家、朴堧(パク・ヨン、박연)を輩出したことから国楽(伝統音楽)の本場を掲げており、朴堧の号である蘭渓(ナンゲ、난계)から取った「永同蘭渓国楽祭り(영동난계국악축제)」が毎年秋に開催される。また、郡内の深川面高塘里(シムチョンミョン コダンニ、심천면 고당리)地区には「永同国楽体験村(ヨンドンクガクチェホムチョン、영동국악체험촌)」があり、伝統音楽の公演や、伝統楽器の体験プログラムを実施している。敷地内には世界でもっとも大きな太鼓としてギネスブックにも登録された天鼓(チョンゴ、천고)があり、叩くと願い事がひとつ叶うとされている。サイズは胴部の直径が6.4m、打面の直径が5.5m、長さ6m、重さ4トンで、40頭分の牛皮と2万4000本の松を利用し、14ヶ月の制作期間を経て2010年8月に完成した。これらは名産であるワイン(ワイン/와인)関連の施設とともに、永同郡の代表的な観光地として知られる。ソウルから永同郡までは、東ソウル総合ターミナルから永同市外バス共用ターミナルまで高速バスで約2時間30分の距離。
- レインボー永同
- 永同郡では地域のイメージとして「レインボー永同(레인보우 영동)」を掲げている。地域の名物である、リンゴ(赤)、柿(オレンジ)、国楽(黄)、山(緑)、澄んだ水(青)、ブドウ(藍色)、ワイン(紫)がそれぞれ虹の7色に対応する。
食文化の背景
永同郡はブドウの名産地であり、1990年代からワイン造りが行われてきた。地域内にはブドウ農家らが運営する40ヶ所以上ものワイナリーがあり、地元のワインを利用した、ワインサムギョプサル(ワインに漬けた豚バラ肉の焼肉/와인삼겹살)も地域自慢の料理である。
代表的な料理
- オジュク(魚粥/어죽)
- ワインサムギョプサル(豚バラ肉のワイン漬け焼き/와인삼겹살)
代表的な特産品
果物の生産が盛んでブドウ、干し柿が有名である。永同郡の特産品である永同ブドウ(영동포도)は、農林畜産食品部が地域の名産品を認証する地理的表示農産物の第60号として登録されている[2]。同様に永同干し柿(영동곶감)は、山林庁が地域の名産品を認証する地理的表示林産物の第24号として登録されている[3]。
- ポド(ブドウ/포도)
- コッカム(干し柿/곶감)
代表的な酒類・飲料
- ワイン(ワイン/와인)
飲食店情報
以下は韓食ペディアの執筆者である八田靖史が実際に訪れた店を列挙している。
- シナブロワイナリー(시나브로 와이너리)
- 住所:忠清北道永同郡深川面薬沐2キル26(薬沐里584-2)
- 住所:충청북도 영동군 심천면 약목2길 26(약목리 584-2)
- 電話:043-742-5275
- 料理:ワインの試飲
- 永同ワイン広報館(영동와인홍보관)
- 住所:忠清北道永同郡深川面国楽路1キル4-4(高塘里456-3)
- 住所:충청북도 영동군 심천면 국악로1길 4-4(고당리 456-3)
- 電話:043-742-5543
- 料理:ワインの試飲
- ワインコリア(와인코리아)
- 住所:忠清北道永同郡永同邑永同黄澗路662(主谷里44-1)
- 住所:충청북도 영동군 영동읍 영동황간로 662(주곡리 44-1)
- 電話:043-744-3211
- 料理:ワインの試飲、ワインサムギョプサル(ワインに漬けた豚バラ肉の焼肉)
エピソード
韓食ペディアの執筆者である八田靖史は2018年5月に初めて永同郡を訪れた。それまでもワイン造りが盛んということは聞いていたが、実際に生産者の方々から話を聞いたことで、そこに韓国の地方都市らしいおおらかな楽しみ方を感じた。ワイン自体の出来もさることながら、地域に溶け込んだ姿こそが見どころではと感じている。
脚注
外部リンク
- 関連サイト
- 制作者関連サイト
- 韓食生活(韓食ペディアの執筆者である八田靖史の公式サイト)
- 八田靖史プロフィール(八田靖史のプロフィール)