ホバクヨッ(カボチャ飴/호박엿)

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ホバクヨッをハサミで切っているところ

ホバクヨッ호박엿)は、カボチャ飴。

概要

ホバク(호박)はカボチャ、ヨッ()は飴を意味する。発音はホバンニョッがより近い。発音表記は[호방녓]。米とカボチャを煮たものに麦芽を加え、発酵ののち濾した汁を煮詰めて作る。韓国においてはセンガンヨッ(ショウガ飴/생강엿)とともに代表的な伝統飴のひとつである。屋台や露店での販売が多く、トロット音楽に合わせてハサミの音を立てながら巨大なカボチャ飴をひと口大に切っていくパフォーマンスが定番である。伝統菓子店、郷土食材店などでも販売されるほか、慶尚北道鬱陵郡の郷土菓子としても有名である。

地域

慶尚北道鬱陵郡の土産物店に並ぶホバクヨッ
  • 慶尚北道鬱陵郡
慶尚北道鬱陵郡では、ホバクヨッが郷土菓子として親しまれる。伝統的な製法では、名産であるカボチャ(늙은호박)と麦芽(엿기름)を混ぜて煮詰め、トウモロコシの水飴(옥수수엿)を加えて作る。島内の直売店や、土産物店で販売され、カボチャゼリー(호박젤리)、カボチャ饅頭(호박빵)などの商品もある。
鬱陵郡におけるホバクヨッの発祥ははっきりせず、口伝として残る説がいくつかある[1]。代表的なものとしては、島に自生するフバクナム(タブノキ、후박나무)の皮を飴に加えたものをフバクヨッ(후박엿)と呼び、ホバク(カボチャ、호박)と語感が似ていることから次第にカボチャを用いるようになったとされるものと、19世紀後半に島を開拓した際、カボチャの種をまいて栽培を始めたところ、たくさんとれるようになったのでこれを利用して作るようになったとのものである。タブノキは郡の木に指定される身近なものであるが、実際にそのような製法があったかは資料がなく、少なくとも現在はその皮を使って飴を作ることはない。
  • 慶尚北道青松郡
慶尚北道青松郡には炭酸水の湧き出る場所があり、そこでは薬水飴(ヤクスヨッ、약수엿)という名前でセンガンヨッ(ショウガ飴/생강엿)や、ホバクヨッを販売している。飴を舐めることで炭酸水の味がよくわかるとされる。

エピソード

  • 合格飴
合格飴(ハプキョンニョッ、합격엿)は、試験への合格を願って食べる飴()。韓国語では試験に合格することを、「試験に付く(시험에 붙다)」と表現するため、よくくっつくように飴や餅などを食べて縁起を担ぐ。餅の場合は合格餅(ハプキョクトク、합격떡)と呼ぶ。受験に際しては、志望校の門に飴や餅を貼り付けて合格を祈願する光景も見られる。
  • 飴を食べろ
慣用句の「飴を食べろ(엿 먹어라)」は、「クソくらえ」「ひどい目にあえ」を意味する。
  • 大根おろし騒動(무즙파동)
大根おろし騒動(ムジュプパドン、무즙파동)は、1964年12月7日に行われたソウル市の前期中学校入学試験に対する抗議行動。自然科目の試験として飴の作り方に関する問題が出され、麦芽(엿기름)の代用になるものを、(1)ジアスターゼ(디아스타아제)、(2)蜂蜜()、(3)水溶き片栗粉(녹말)、(4)大根おろし(무즙)から選ぶ内容だった。用意された正答は(1)ジアスターゼだったが、(4)大根おろしにもジアスターゼが含まれており、実際に飴を作ることが可能なため保護者を中心に抗議が起きた。12月22日には保護者20余名が、実際に大根おろしで作った飴を持参してソウル市教育委員会を訪れ、「飴を食べろ」と訴えている[2]。これを慣用句「飴を食べろ(엿 먹어라)」の語源とする説もあるが、実際にはもっと古くから用例があるため事実ではない。

脚注

  1. 울릉도의 과거와 현재가 담긴 간식, 울릉도 호박엿 、地域N文化ウェブサイト、2025年5月29日閲覧
  2. 꼬리문騷動…『自然』18번"무汁엿 먹어보라" 、NAVERニュースライブラリー(東亜日報1964年12月22日記事)、2026年2月13日閲覧

外部リンク

制作者関連サイト

関連項目