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中国料理の「炸醤麺(zhajiangmian)」に由来。チャジャン(炸醤、[[짜장]])は炒め味噌、ミョン(麺、[[면]])は麺を意味する。
 
中国料理の「炸醤麺(zhajiangmian)」に由来。チャジャン(炸醤、[[짜장]])は炒め味噌、ミョン(麺、[[면]])は麺を意味する。
 
=== 標準語表記 ===
 
=== 標準語表記 ===
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[[ファイル:22022701.JPG|thumb|300px|チャジャンミョンを「자장면」と表記した中華料理店のメニュー]]
 
:国立国語院の認めるチャジャンミョンの標準語表記は「[[짜장면]]」「[[자장면]]」の2種類がある。1986年に当時の文教部が外来語表記法を告示し、「zh」の音は「ㅈ」で表記すると定めたことで、それ以降は「[[자장면]]」のみが標準語とされていたが、2011年8月に「[[짜장면]]」など39語が標準語として新たに追加され、両表記とも認められるようになった<ref>[https://www.korean.go.kr/front/board/boardStandardView.do?board_id=6&mn_id=19&b_seq=374 ‘짜장면’ 등 39항목 표준어로 인정] 、国立国語院ウェブサイト、2022年2月19日閲覧</ref>。本辞典では「짜장면」を項目名として使用する。発音表記は[짜장면]。
 
:国立国語院の認めるチャジャンミョンの標準語表記は「[[짜장면]]」「[[자장면]]」の2種類がある。1986年に当時の文教部が外来語表記法を告示し、「zh」の音は「ㅈ」で表記すると定めたことで、それ以降は「[[자장면]]」のみが標準語とされていたが、2011年8月に「[[짜장면]]」など39語が標準語として新たに追加され、両表記とも認められるようになった<ref>[https://www.korean.go.kr/front/board/boardStandardView.do?board_id=6&mn_id=19&b_seq=374 ‘짜장면’ 등 39항목 표준어로 인정] 、国立国語院ウェブサイト、2022年2月19日閲覧</ref>。本辞典では「짜장면」を項目名として使用する。発音表記は[짜장면]。
  
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=== チュンジャン(春醤) ===
 
=== チュンジャン(春醤) ===
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[[ファイル:22022702.JPG|thumb|300px|中華料理店の副菜。大きな皿に生タマネギ、たくあん、春醤が載っている]]
 
チャジャンミョンに用いる黒味噌をチュンジャン(春醤、[[춘장]])と呼ぶ。1948年にソウル市龍山区文培洞で創業した「龍華醤油(용화장유)」(現、龍華食品株式会社)が発売し、これが飲食店でも広く使われるようになった。1950年代にカラメル([[캐러멜]])を入れる工夫が追加され<ref>양세욱, 2009, 『짜장면젼』, 프로네시스, 電子書籍版P140/270(52%)</ref>、これが普及したことにより、韓国式のチャジャンミョンは「黒さ」と「濃厚な甘さ」を大きな特徴として持つに至った。春醤の語源や命名の時期は定かでないが、(1)春に作ったから、(2)甜面醤の略称である甜醤(チョムジャン、첨장)が変化した、(3)ネギをつけて食べる味噌という意味の「葱醤(チョンジャン、총장)」が変化した、またはその味噌を春に出る長ネギにつけて食べたからなどの説がある<ref>周永河, 2021, 『食卓の上の韓国史』, 慶應義塾大学出版会, P341-342</ref><ref>양세욱, 2009, 『짜장면젼』, 프로네시스, 電子書籍版P137/270(51%)</ref>。
 
チャジャンミョンに用いる黒味噌をチュンジャン(春醤、[[춘장]])と呼ぶ。1948年にソウル市龍山区文培洞で創業した「龍華醤油(용화장유)」(現、龍華食品株式会社)が発売し、これが飲食店でも広く使われるようになった。1950年代にカラメル([[캐러멜]])を入れる工夫が追加され<ref>양세욱, 2009, 『짜장면젼』, 프로네시스, 電子書籍版P140/270(52%)</ref>、これが普及したことにより、韓国式のチャジャンミョンは「黒さ」と「濃厚な甘さ」を大きな特徴として持つに至った。春醤の語源や命名の時期は定かでないが、(1)春に作ったから、(2)甜面醤の略称である甜醤(チョムジャン、첨장)が変化した、(3)ネギをつけて食べる味噌という意味の「葱醤(チョンジャン、총장)」が変化した、またはその味噌を春に出る長ネギにつけて食べたからなどの説がある<ref>周永河, 2021, 『食卓の上の韓国史』, 慶應義塾大学出版会, P341-342</ref><ref>양세욱, 2009, 『짜장면젼』, 프로네시스, 電子書籍版P137/270(51%)</ref>。
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*副菜としての利用
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:中華料理店では副菜として、タンムジ(たくあん、[[단무지]])、生タマネギ、チュンジャンを出すのが定番である。生タマネギはチュンジャンにつけて食べる。
  
 
=== チャジャン(炸醤) ===
 
=== チャジャン(炸醤) ===
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=== 食べ方 ===
 
=== 食べ方 ===
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[[ファイル:22022703.JPG|thumb|300px|チャジャンミョンを混ぜているところ]]
 
箸で全体をよくかき混ぜ、麺に黒味噌を絡めてから食べる。箸を両手に1本ずつ持ち、下からすくいあげるようにして混ぜる姿もよく見かける。
 
箸で全体をよくかき混ぜ、麺に黒味噌を絡めてから食べる。箸を両手に1本ずつ持ち、下からすくいあげるようにして混ぜる姿もよく見かける。
  
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=== 1920~30年代 ===
 
=== 1920~30年代 ===
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[[ファイル:22022704.JPG|thumb|300px|調査をもとに100年前の姿を再現したチャジャンミョン]]
 
チャジャンミョンに関する記録は、1920~30年代の新聞、雑誌記事に見られ、当時から大衆的な中華料理として根付いていたと推測される。ただし、ウドン(中華風の五目麺、[[우동2|우동]])や、[[タンスユク(酢豚/탕수육)]]、[[チャプチェ(春雨炒め/잡채)]]、ヤンジャンピ(板春雨の冷菜、[[양장피2|양장피]])といった他の中華料理に比べると登場の頻度は少なく、現在のように国民食として親しまれるのは1950年代以降と見られる。
 
チャジャンミョンに関する記録は、1920~30年代の新聞、雑誌記事に見られ、当時から大衆的な中華料理として根付いていたと推測される。ただし、ウドン(中華風の五目麺、[[우동2|우동]])や、[[タンスユク(酢豚/탕수육)]]、[[チャプチェ(春雨炒め/잡채)]]、ヤンジャンピ(板春雨の冷菜、[[양장피2|양장피]])といった他の中華料理に比べると登場の頻度は少なく、現在のように国民食として親しまれるのは1950年代以降と見られる。
  
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;『東亜日報』(1936年)の記述
 
;『東亜日報』(1936年)の記述
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[[ファイル:22022705.JPG|thumb|300px|中華料理店のウドン(ダールー麺)]]
 
:1930年2月16日発行の紙面に「第三回全朝鮮男女専門学校卒業生大懇親会後期」との特集記事があり、その中に「大会余禄 印象の点描」としてチャジャンミョンの記述がある。卒業生への祝辞として、「(先生方は)ウドン、チャジャンミョンを食べ、冷めた弁当を食べてあなたたちを教えた」との一節があったことを紹介している<ref>[https://newslibrary.naver.com/viewer/index.naver?articleId=1936021600209203021&editNo=2&printCount=1&publishDate=1936-02-16&officeId=00020&pageNo=3&printNo=5466&publishType=00020 大会余禄 印象의点描] 、NAVERニュースライブラリー、2022年2月19日閲覧</ref>。
 
:1930年2月16日発行の紙面に「第三回全朝鮮男女専門学校卒業生大懇親会後期」との特集記事があり、その中に「大会余禄 印象の点描」としてチャジャンミョンの記述がある。卒業生への祝辞として、「(先生方は)ウドン、チャジャンミョンを食べ、冷めた弁当を食べてあなたたちを教えた」との一節があったことを紹介している<ref>[https://newslibrary.naver.com/viewer/index.naver?articleId=1936021600209203021&editNo=2&printCount=1&publishDate=1936-02-16&officeId=00020&pageNo=3&printNo=5466&publishType=00020 大会余禄 印象의点描] 、NAVERニュースライブラリー、2022年2月19日閲覧</ref>。
  
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=== 味噌の種類 ===
 
=== 味噌の種類 ===
 
*カンチャジャンミョン([[간짜장면]])
 
*カンチャジャンミョン([[간짜장면]])
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[[ファイル:22022706.JPG|thumb|300px|目玉焼きを載せたカンチャジャンミョン]]
 
:水溶き片栗粉を入れずに作るとろみ抜きのチャジャンミョン。カンチャジャン([[간짜장]])と呼ぶことも多い。一般的なチャジャンミョンは黒味噌を作り置きすることもあるが、カンチャジャンミョンは都度炒めて作ることから、常にできたてを楽しめると評価する人も多い。麺と黒味噌は別盛りで提供される。南部地方を中心に目玉焼きを載せることもある。
 
:水溶き片栗粉を入れずに作るとろみ抜きのチャジャンミョン。カンチャジャン([[간짜장]])と呼ぶことも多い。一般的なチャジャンミョンは黒味噌を作り置きすることもあるが、カンチャジャンミョンは都度炒めて作ることから、常にできたてを楽しめると評価する人も多い。麺と黒味噌は別盛りで提供される。南部地方を中心に目玉焼きを載せることもある。
 
*サチョンチャジャンミョン([[사천짜장면]])
 
*サチョンチャジャンミョン([[사천짜장면]])
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==== チャパグリ ====
 
==== チャパグリ ====
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[[ファイル:22022707.JPG|thumb|300px|映画『パラサイト 半地下の家族』に登場した牛肉入りのチャパグリを再現したもの]]
 
:チャパグリ(짜파구리)は、農心が発売するインスタント麺「チャパゲテイ(짜파게티)」と「ノグリ(너구리)を一緒に混ぜて作ったもの。「チャパゲテイ」が1984年発売、「ノグリ」が1982年発売といずれもロングセラーであるため、その起源には諸説あり、1980年代後半から90年代頃に軍隊で広まったとする説など、古くから存在した可能性はある。
 
:チャパグリ(짜파구리)は、農心が発売するインスタント麺「チャパゲテイ(짜파게티)」と「ノグリ(너구리)を一緒に混ぜて作ったもの。「チャパゲテイ」が1984年発売、「ノグリ」が1982年発売といずれもロングセラーであるため、その起源には諸説あり、1980年代後半から90年代頃に軍隊で広まったとする説など、古くから存在した可能性はある。
 
:より具体的には、2008年12月6日に、当時農心が運営していたインターネットコミュニティ「ラミョンチャン(라면짱)」内のユーザーらがオリジナルレシピを紹介する「秘法伝授(비법전수)」コーナーで、「짜파구리!!(짜파게티+너구리)」とのタイトルで投稿がなされている<ref>[https://www.breaknews.com/94707 짜파게티가 너구리를 만났을 때? “짜파구리” 이색 레시피 화제] 、BreakNews2009年1月15日記事、2022年2月22日閲覧</ref>)。これが話題となって広まり、2009年1月2日には、当時アメリカ進出中であった歌手のBoAが新聞社のインタビューに対し、チャパグリの美味しさを語ったりもしている<ref>[https://blog.nongshim.com/129 보아, 라면이 이 세상에서 제일 맛있다] 、農心公式ブログ2009年1月2日記事、2022年2月22日閲覧</ref>。
 
:より具体的には、2008年12月6日に、当時農心が運営していたインターネットコミュニティ「ラミョンチャン(라면짱)」内のユーザーらがオリジナルレシピを紹介する「秘法伝授(비법전수)」コーナーで、「짜파구리!!(짜파게티+너구리)」とのタイトルで投稿がなされている<ref>[https://www.breaknews.com/94707 짜파게티가 너구리를 만났을 때? “짜파구리” 이색 레시피 화제] 、BreakNews2009年1月15日記事、2022年2月22日閲覧</ref>)。これが話題となって広まり、2009年1月2日には、当時アメリカ進出中であった歌手のBoAが新聞社のインタビューに対し、チャパグリの美味しさを語ったりもしている<ref>[https://blog.nongshim.com/129 보아, 라면이 이 세상에서 제일 맛있다] 、農心公式ブログ2009年1月2日記事、2022年2月22日閲覧</ref>。
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