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− | + | '''仁川市'''(インチョンシ、인천시)は韓国の北西部に位置する地域。本ページでは仁川市の料理、特産品について解説する。 | |
== 地域概要 == | == 地域概要 == | ||
:仁川市(インチョンシ、인천시)は韓国の北西部に位置する広域市(韓国に6ヶ所ある上級地方自治体)。正式には仁川広域市(インチョンクァンヨクシ、인천광역시)と呼ぶ。北部は[[北朝鮮の料理|北朝鮮]]との軍事分界線に面し、東部と南部は[[京畿道の料理|京畿道]]と、東部の一部は[[ソウル市の料理|ソウル市]]と接する。西部は西海岸に面しており、数多くの島嶼を有する。韓国で5番目の面積を誇る江華島(カンファド、강화도)をはじめ、仁川国際空港のある永宗島(ヨンジョンド、영종도)、韓国の最西端に位置する白翎島(ペンニョンド、백령도)といった島がある([[北朝鮮の料理|北朝鮮]]を含む場合は平安北道薪島郡の馬鞍島が最西端である)。人口は295万2476人(2018年4月)で、韓国の市としては[[ソウル市の料理|ソウル市]]、[[釜山市の料理|釜山市]]に次いで3番目に多い<ref>[http://www.mois.go.kr/frt/sub/a05/totStat/screen.do 주민등록 인구통계] 、行政安全部ウェブサイト、2018年5月11日閲覧</ref>。主要な観光地としては、仁川駅前に韓国最大の中華街があり、またそれに隣接して日本の租界跡も残る。前述の江華島は歴史的な魅力に富む観光地でもあり、ユネスコの世界文化遺産にも指定された支石墓群や、神話上の始祖である檀君が天に祭祀を行った摩尼山(마니산)、高句麗時代の381年に創建されたとされる伝燈寺(전등사)などがある(「[[江華郡の料理]]」の項目も参照)。ソウルからのアクセスは、地下鉄1号線が仁川駅まで結ばれているほか、仁川市内を走る仁川都市鉄道1号線、2号線に、ソウルの地下鉄1号線や空港鉄道などが接続している。仁川国際空港までは空港鉄道のほか、リムジンバスが市内各地から往復している。江華島の市外バスターミナル「江華旅客自動車ターミナル」までは、ソウル(新村、弘大入口などの各バス停)から広域バスで約2時間の距離。 | :仁川市(インチョンシ、인천시)は韓国の北西部に位置する広域市(韓国に6ヶ所ある上級地方自治体)。正式には仁川広域市(インチョンクァンヨクシ、인천광역시)と呼ぶ。北部は[[北朝鮮の料理|北朝鮮]]との軍事分界線に面し、東部と南部は[[京畿道の料理|京畿道]]と、東部の一部は[[ソウル市の料理|ソウル市]]と接する。西部は西海岸に面しており、数多くの島嶼を有する。韓国で5番目の面積を誇る江華島(カンファド、강화도)をはじめ、仁川国際空港のある永宗島(ヨンジョンド、영종도)、韓国の最西端に位置する白翎島(ペンニョンド、백령도)といった島がある([[北朝鮮の料理|北朝鮮]]を含む場合は平安北道薪島郡の馬鞍島が最西端である)。人口は295万2476人(2018年4月)で、韓国の市としては[[ソウル市の料理|ソウル市]]、[[釜山市の料理|釜山市]]に次いで3番目に多い<ref>[http://www.mois.go.kr/frt/sub/a05/totStat/screen.do 주민등록 인구통계] 、行政安全部ウェブサイト、2018年5月11日閲覧</ref>。主要な観光地としては、仁川駅前に韓国最大の中華街があり、またそれに隣接して日本の租界跡も残る。前述の江華島は歴史的な魅力に富む観光地でもあり、ユネスコの世界文化遺産にも指定された支石墓群や、神話上の始祖である檀君が天に祭祀を行った摩尼山(마니산)、高句麗時代の381年に創建されたとされる伝燈寺(전등사)などがある(「[[江華郡の料理]]」の項目も参照)。ソウルからのアクセスは、地下鉄1号線が仁川駅まで結ばれているほか、仁川市内を走る仁川都市鉄道1号線、2号線に、ソウルの地下鉄1号線や空港鉄道などが接続している。仁川国際空港までは空港鉄道のほか、リムジンバスが市内各地から往復している。江華島の市外バスターミナル「江華旅客自動車ターミナル」までは、ソウル(新村、弘大入口などの各バス停)から広域バスで約2時間の距離。 | ||
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+ | == 食文化の背景 == | ||
+ | :現在の仁川市には[[ソウル市の料理|ソウル市]]の玄関口となる仁川国際空港や、釜山港に次いで韓国2位の規模を誇る仁川港があり、貿易や交通の拠点となる港湾都市として栄えている。しかし、その歴史は意外に浅く、1876年に締結された日朝修好条規を背景として、1883年に仁川港が開港したことに端を発する。それまでの仁川港は済物浦(チェムルポ、제물포)という小さな漁村であったが、開港によって日本や中国の租界が置かれ、多くの外国人が住むようになって大きく発展した。現在も仁川駅前には韓国最大の中華街が広がっており、[[チャジャンミョン(韓国式ジャージャー麺/짜장면)]]や、[[チャンポン(激辛スープの海鮮麺/짬뽕)]]など、コリアナイズされた[[:Category:中華料理の一覧|中華料理]]中華料理の一覧|の本場として知られる。また、中華街の裏手には開港以降、外国人に向けて新鮮な野菜などを販売した新浦市場(シンポシジャン、신포시장)があり、[[マンドゥ(餃子/만두)]]、[[チンパン(あんまん/찐빵)]]、[[コンガルパン(中国式の大きなパン/공갈빵)]]といった中国由来の料理を現在も名物としている。一方で仁川市は港町としての魚介料理も豊富であり、旬のワタリガニを用いた[[カンジャンケジャン(ワタリガニの醤油漬け/간장게장)]]や、[[コッケタン(ワタリガニ鍋/꽃게탕)]]、かつては「ムルトムボンイ(水に捨てる魚、물텀벙이)」と呼ばれていたアンコウを巧みに利用して作る[[アグタン(アンコウ鍋/아구탕)]]や、[[アグチム(アンコウの蒸し煮/아구찜)]]、青魚のツマリエツを刺身にしたペンデンイフェ(ツマリエツの刺身、[[밴댕이회]])富平区富平洞(プピョング プピョンドン、부평구 부평동)に専門店の集まる[[ヘムルタン(海鮮鍋/해물탕)]]などが有名である。このほか、仁川市は[[チョルミョン(生野菜入りの和え麺/쫄면)]]や、[[ケランパン(目玉焼き入り今川焼き/계란빵)]]の発祥地としても知られる。 | ||
== 仁川市(인천시) == | == 仁川市(인천시) == |