ヘムルタン(海鮮鍋/해물탕)
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この記事はウィキペディアではありません。「韓食ペディア」はコリアン・フード・コラムニストの八田靖史が作る、韓国料理をより深く味わうためのWEB百科事典です。以下の内容は八田靖史の独自研究を含んでいます。掲載されている情報によって被った損害、損失に対して一切の責任を負いません。また、内容は随時修正されます。 |
ヘムルタン(해물탕)は、海鮮鍋。
概要
ヘムル(해물)は漢字で「海物」と書いて魚を除いた海産物のこと。タン(탕)は鍋料理を表す。ヘムルジョンゴル(해물전골)とも呼ぶ。ワタリガニ(꽃게)、テナガダコ(낙지)、スルメイカ(오징어)、エビ(새우)、ハマグリ(대합)、アサリ(바지락)、ムール貝(홍합)、エボヤ(미더덕)といった海産物を、野菜、豆腐などとともに辛いスープで煮込む。ただし、さまざまな魚介が使われる中で、魚が入ることは魚卵や白子を除いて希であり、魚を煮込んだ鍋料理は一般的にメウンタン(魚入りの辛い鍋/매운탕)と呼ぶ。専門店もあるが、刺身店、海鮮料理店、居酒屋など、多くの飲食店でメニューに並ぶ。家庭料理として作られることも多く、スーパーでミールキットが販売されていたり、市場ではヘムルタン用の魚介盛り合わせがひと鍋分ごとに販売されていたりもする。類似の料理には、海産物をヘムルチム(海産物の蒸し煮、해물찜)や、ヘムルトゥッペギ(1人前の海鮮鍋、해물뚝배기)などがある。
種類
ヘシンタン(丸鶏と海鮮の鍋/해신탕)
- ヘシンタン(해신탕)は、丸鶏と海鮮の鍋。漢字では「海神湯」と書く。サムゲタン(ひな鶏のスープ/삼계탕)にアワビ、テナガダコ、エビなどの魚介をふんだんに加えたもので、1人前のトゥッペギ(土鍋、뚝배기)で提供するほか、大勢でシェアする鍋料理としても作られる。ヘムルタンとサムゲタンを融合させた料理とも言える。ヘシンタンの発祥は諸説あり、一説によるとホテル「グランドウォーカーヒルソウル」内の韓国料理店「オンダル(온달)」の料理長が、2004年放送のドラマ『海神(해신)』からインスピレーションを得て、2005年夏に考案、命名したとされる[1]。ただし、同様の料理をヘゲタン(海鶏湯、해계탕)とも呼び、こちらは2004年12月にサムゲタンの大手フランチャイズ店「智鎬韓方参鶏湯(지호한방감계탕)」がヤナギタデ(여뀌)を用いた製法として特許申請を行っており、後に認可されている(第10-0635258号)[2]。少なくともヘシンタンとの名称はドラマを由来とするのが有力と見られるが、料理としてはそれ以前からもあったと考えられる。
地域
- 仁川市
- 仁川市東部の富平区富平洞(プピョング プピョンドン、부평구 부평동)に「富平ヘムルタン通り」(プピョンヘムルタンゴリ、부평해물탕거리)があり、ロータリーから伸びる250mほどの通りに10数軒の専門店が集まっている。この地域にヘムルタンの店ができ始めたのは1980年代初頭で、港町である仁川市の新鮮な魚介をふんだんに用いた名物として人気を集めた。店名として「東海ヘムルタン(동해해물탕)」「西海ヘムルタン(서해해물탕)」「南海ヘムルタン(남해해물탕)」という三方の海が揃っていることがしばしば話題にのぼる。
脚注
- ↑ 복날에는 ‘온달’에서 몸보신하세요! 、グランドウォーカーヒルソウルウェブサイト、2025年4月14日閲覧
- ↑ 여뀌를 이용한 해계탕 조리방법 、Google Patents、2025年4月14日閲覧
外部リンク
- 制作者関連サイト
- 韓食生活(韓食ペディアの執筆者である八田靖史の公式サイト)
- 八田靖史プロフィール(八田靖史のプロフィール)