タッペクスク(丸鶏の水煮/닭백숙)

提供: 韓食ペディア
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タッペクスク

タッペクスク닭백숙)は、丸鶏の水煮。

概要

タッ()は鶏。ペクスク(백숙)は漢字で「白熟」と書いて味付けをなしに煮込むこと。丸鶏を鍋、または圧力釜などで煮込んで作る。高麗人参やキバナオウギ、ナツメなどの韓方材を入れて煮ることも多い。韓方材を入れたものはハンバンペクスク(丸鶏の韓方煮、한방백숙)とも呼ぶ。丸鶏に熱が通ったら大皿に盛り付けて食卓に運び、食べやすくハサミで切った後、塩コショウにつけて味わう。また、残った煮汁で米や野菜、緑豆などを煮込み、タッチュク(鶏粥/닭죽)として味わうのも定番である。かつては家庭ごとに鶏を飼っており、来客があったときや、祝い事の際にタッペクスクを作った。現在でも家庭料理として作られるほか、地鶏専門店や、鶏料理専門店などで提供される。類似の料理として、タッカンマリ(丸鶏の鍋/닭한마리)サムゲタン(ひな鶏のスープ/삼계탕)がある。同様の調理法でアヒルを煮たものはオリペクスク(アヒルの水炊き/오리백숙)と呼ぶ。

  • 類似料理との差異
タッペクスクと比較される類似料理にタッカンマリ(丸鶏の鍋/닭한마리)と、サムゲタン(ひな鶏のスープ/삼계탕)があり、主に以下のような差異がある。
タッペクスクと類似料理の比較
料理名 タッカンマリ サムゲタン タッペクスク
鶏のサイズ 700g~1.2kg程度の鶏を用いて1羽が2~4人前となる 3~500g程度のひな鶏を用いて1羽が1人前となる 700g~1.2kg程度の鶏を用いて1羽が2~4人前となる
野菜や餅を一緒に煮込み、漢方材を足すこともある 腹にもち米や漢方材を詰めて煮る 基本的には鶏だけを煮て漢方材を加える
味付け 鶏を辛いつけダレで味わう 薄い塩味、好みで塩を足してもよい 鶏を塩、コショウで味わう
提供方式 金ダライのような鍋で煮ながら味わう 1人前のトゥッペギ(뚝배기、素焼きの器)に盛り付ける 鶏だけを大皿に盛り付ける
料理の後 残ったスープにカルグクスやごはんを入れる 特になし 煮汁で粥を作る

歴史

丸鶏を茹でて食べるという簡便な調理法であり、古くから食べられていたと考えられる。文献史料の一例として、1795年に朝鮮王朝第22代王の正祖(정조)が水原華城まで出かけたときの記録である『園幸乙卯整理儀軌(원행을묘정리의궤)』に、恵慶宮洪氏の食事として「陳鶏白熟(진계백숙)」が記載されている[1]。陳鶏(진계)とは老鶏のことである。なお、同じ食膳に若鶏を蒸した「軟鶏蒸(연계증)」も並んでいる。

脚注

  1. 【PDF】園幸乙卯整理儀軌(巻4饌品/粥水剌十一日、P327、1行目[132/200)] 、デジタル蔵書閣(韓国中央研究院)、2024年8月16日閲覧

外部リンク

制作者関連サイト

関連項目