済州道の料理
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この記事はウィキペディアではありません。「韓食ペディア」はコリアン・フード・コラムニストの八田靖史が作る、韓国料理をより深く味わうためのWEB百科事典です。以下の内容は八田靖史の独自研究を含んでいます。掲載されている情報によって被った損害、損失に対して一切の責任を負いません。また、内容は随時修正されます。 |
済州道(チェジュド、제주도)は韓国の南部に位置する島嶼地域。本ページでは済州道の料理、特産品について解説する。
地域概要
済州道(チェジュド、제주도)は韓国の南部に位置する島嶼地域。正式には済州特別自治道という名称であり、韓国で唯一の特別自治道(高度な自治権を保証された地方自治団体)である。朝鮮半島の南に浮かぶ済州島(제주도)を含む9の有人島と、55の無人島で構成される島嶼地域で構成される。人口は64万8497人(2017年6月)であり、広域地方自治団体(特別市、広域市、道、特別自治道、特別自治市)の中では特別自治市の世宗市に次いで2番目に少ない[1]。済州市と、西帰浦市の2市で構成されており、道庁所在地は済州市。済州島の中央には標高1950mで韓国最高峰の漢拏山(한라산)がそびえ、かつての火山活動による大小の山々と洞窟郡が周辺に広がる。その独特な景観は「済州火山島と溶岩洞窟群」として2007年にユネスコの世界自然遺産としても登録された[2]。主要な観光地にはかつての噴火口跡である城山日出峰(성산일출봉)や、巨大洞窟の万丈窟(만장굴)、済州島3大瀑布と称される正房瀑布(정방폭포)、天地淵瀑布(천지연폭포)、天帝淵瀑布(천제연폭포)など、自然景観を活かしたものが多い。済州道までのアクセスは、済州国際空港への飛行機便が一般的である。
食文化の背景
- 済州道は島嶼地域であり、周囲に囲まれた海からの恵みが食文化の根幹を担った。アマダイ(옥돔)、サバ(고등어)、タチウオ(갈치)、スズメダイ(자리돔)などの魚に加えて、海女(해녀)たちが採集するアワビ(전복)、トコブシ(오분자기)、サザエ(소라)、ウニ(성게)、ナマコ(해삼)なども特産品として有名である。これらは刺身や、煮付け、鍋料理などに使用するとともに、塩辛などの保存食にも広く応用されている。一方で島の中央には標高1950mの漢拏山がそびえ、高原地域では牛や馬などの牧畜や、野菜、山菜、キノコなどの栽培も盛んである。漢拏山の南側に当たる西帰浦市ではミカン(감귤)、デコポン(한라봉)などの柑橘栽培が行われている。
- 耽羅
- 済州道はもともと耽羅(탐라)という独立国家であり、本土とは異なる建国神話や独自の文化を多数有する。三国時代以降、百済、統一新羅への朝貢を行い、高麗に入っては半独立という状態であったが、朝鮮時代に入って15世紀初めには完全に併合された。
- 済州道と馬肉食
- 13世紀に元が高麗に進行して服属させると、済州道は一時元の直轄領となった。1276年には元が耽羅牧場(탐라목장)を設置し、馬や牛の大規模な飼育を始めた。韓国では馬肉を食用とする習慣はほぼないものの、こうした歴史的経緯から済州道では古くから馬肉食が発達した。現在の済州道には馬肉料理の専門店が数多くあり、焼肉(말고기구이)、ユッケ(말고기육회)といった料理が味わえる。
- 済州道と豚肉食
- 済州道の家庭では古くから豚を飼う習慣があり、ハレの日にはその豚で祝いの料理を作った。そのため済州道には、オギョプサル(皮付き豚バラ肉の焼肉/오겹살)、トムベゴギ(済州道式の茹で豚、돔베고기)、コギグクス(豚スープ麺、고기국수)、アガンバル(豚足のつま先部分の煮物、아강발)といった豚肉料理が豊富にある。伝統的な家屋では豚の飼育場所がトイレを兼ねており、人間の排泄物をエサとしたことから、済州道では在来種の黒豚(흑돼지)をトンテジ(直訳ではうんこ豚、똥돼지)と呼ぶこともある。現在ではこうした飼育方法は行われていないものの、民俗村では当時の暮らしを再現する意味から伝統家屋のトイレで実際に豚を飼っていたりもする。
各地域の料理
詳細ページのある地域
- 作成中。
西帰浦市(서귀포시)
- カルチパン(タチウオパン/갈치빵)穡達洞
- テジョフェジュク(イソシジミの粥/대조개죽)城山邑始興里
- テジョゲフェ(イソシジミの刺身/대조개회)城山邑始興里
- モダッチギ(屋台料理盛り合わせ/모닥치기)
- チャジャンミョン(ジャージャー麺/자장면)大静邑馬羅里
- フッカヌグイ(黒韓牛焼き/흑한우구이)
済州市(제주시)
- イルミトピジャ(1メートルピザ/1미터피자)翰京面楮旨里
- コサンガムジャ(ジャガイモ/고산감자)翰京面高山里
- タッペクスク(丸鶏の水煮/닭백숙)朝天邑橋来里
- タッシャブシャブ(鶏のシャブシャブ/닭샤브샤브)朝天邑橋来里
- タンコン(ピーナッツ/땅콩)牛島面
- タンコンアイスクリム(ピーナッツアイスクリーム/땅콩아이스크림)牛島面
- チェジュメクチュ(済州ビール/제주맥주)蓮洞
- フェグクス(刺身載せ混ぜ麺/회국수)旧左邑東福里
全域
- カクチェギクッ(アジのスープ/각재기국)
- カルチ(タチウオ/갈치)
- カルチクッ(タチウオのスープ/갈치국)
- カルチフェ(タチウオの刺身/갈치회)
- カムキュル(ミカン/감귤)
- カムキュルマッコルリ(ミカンマッコリ/감귤막걸리)
- カムキュルアイスクリム(ミカンアイスクリーム/감귤아이스크림)
- カムキュルチョコルリッ(ミカンチョコレート/감귤초콜릿)
- ケクチュリジョリム(カワハギの煮物/객주리조림)
- ケウジョッ(アワビの内臓の塩辛/게우젓)
- コギグクス(豚スープ麺/고기국수)
- コドゥンオ(サバ/고등어)
- コドゥンオヘジャンクッ(サバのスープ/고등어해장국)
- コドゥンオフェ(サバの刺身/고등어회)
- コサリユッケジャン(豚とワラビのスープ/고사리육개장)
- キンイジュク(カニ粥/깅이죽)
- キンイティギム(カニの天ぷら/깅이튀김)
- クォンゴギグイ(キジ肉焼き/꿩고기구이)
- クォンメミルグクス(キジ肉そば/꿩메밀국수)
- クォンシャブシャブ(キジ肉シャブシャブ/꿩샤브샤브)
- タグムバリフェ(クエの刺身/다금바리회)
- トムベゴギ(済州島式の茹で豚/돔베고기)
- トンジキムチ(白菜の菜花のキムチ/동지김치)
- トンジナムル(白菜の菜花のナムル/동지나물)
- マルコギグイ(馬肉焼き/말고기구이)
- メルクッ(カタクチイワシのスープ/멜국)
- メルジョッ(カタクチイワシの塩辛/멜젓)
- メルジョリム(カタクチイワシの煮物/멜조림)
- メルティギム(カタクチイワシの天ぷら/멜튀김)
- ミョルチグクス(煮干しスープ麺/멸치국수)
- モムクッ(ホンダワラのスープ/몸국)
- モムグクス(ホンダワラのスープ麺/몸국수)
- ポリパン(大麦の蒸しパン/보리빵)
- ポリカステラ(大麦のカステラ/보리카스테라)
- ポマルチュク(巻貝の粥/보말죽)
- プッパリフェ(キジハタの刺身/북바리회)
- ピントク(そばクレープ/빙떡)
- サムチフェ(サワラの刺身/삼치회)
- サンウェトク(小麦粉餅/상외떡)
- ソンゲクッ(ウニのスープ/성게국)
- ソンゲグクス(ウニのスープ麺/성게국수)
- ソラジュク(サザエの粥/소라죽)
- ソラフェ(サザエの刺身/소라회)
- ソンピョン(済州島式の松葉餅/송편)
- スンデ(済州島式の腸詰/순대)
- スッパン(ヨモギ蒸しパン/쑥빵)
- スッホットク(ヨモギ入りのお焼き/쑥호떡)
- アガンバル(済州島式の豚足/아강발)
- オギョプサル(豚バラ肉の焼肉/오겹살)
- オメギトク(粟餅/오메기떡)
- オメギスル(粟酒/오메기술)
- オブンジャットルソッパプ(トコブシの釜飯/오분작돌솥밥)
- オブンジャットゥッペギ(トコブシの海鮮鍋/오분작뚝배기)
- オイプチュ(エゾウコギ酒/오잎주)
- オクトムグイ(アマダイの焼き魚/옥돔구이)
- オクトムミヨックッ(アマダイのワカメスープ/옥돔미역국)
- オルレクルパン(ナッツ餡ドーナツ/올레꿀빵)
- ウムッカサリ(トコロテン/우뭇가사리)
- ユチェナムル(菜の花のナムル/유채나물)
- チャリムルフェ(スズメダイの冷汁風刺身/자리물회)
- チャリジョッ(スズメダイの塩辛/자리젓)
- チャリフェ(スズメダイの刺身/자리회)
- チョンボク(アワビ/전복)
- チョンボッチュク(アワビ粥/전복죽)
- チョッコプテギマッコルリ(粟殻マッコリ/조껍데기막걸리)
- チャンドルムスンデ(豚の直腸の腸詰/창도름순대)
- コンクッ(大豆粉と白菜のスープ/콩국)
- タムナボン(デコポン/탐나봉)
- トルチェ(ヒジキの冷汁/톨채)
- ハルラボン(デコポン/한라봉)
- ハルラボンチョコルリッ(デコポンチョコレート/한라봉초콜릿)
- ハルラサン(済州島の焼酎/한라산)
- ハルラサンムルスナンソジュ(済州島の焼酎/한라산물순한소주)
- ハンチフェ(ヤリイカの刺身/한치회)
- ヘムルトゥッペギ(海鮮鍋/해물뚝배기)
- ホバンニプクッ(カボチャの葉のスープ/호박잎국)
- ホンサムフェ(赤ナマコの刺身/홍삼회)
- フッテジグイ(黒豚焼き/흑돼지구이)
脚注
- ↑ 주민등록 인구통계 、行政自治部ウェブサイト、2017年7月20日閲覧
- ↑ 世界遺産一覧 地域別リスト(アジア②) 、公益社団法人日本ユネスコ協会連盟ウェブサイト、2017年7月20日閲覧
外部リンク
- 関連サイト
- 制作者関連サイト
- 韓食生活(韓食ペディアの執筆者である八田靖史の公式サイト)
- 八田靖史プロフィール(八田靖史のプロフィール)
- 韓国語食の大辞典アプリ版(八田靖史制作の韓国料理専門辞典)