ピョダグィヘジャンクッ(豚の背骨のスープ/뼈다귀해장국)

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ピョダグィヘジャンクッ뼈다귀해장국)は、豚の背骨のスープ。

ピョダグィヘジャンクッ

概要

ピョダグィヘジャンクッ(뼈다귀해장국)は、豚の背骨のスープ。ピョダグィ(뼈다귀)は骨のかけら。ヘジャンクッ(해장국)は酔い覚ましに食べるスープを総称する(「ヘジャンクッ(酔い覚ましのスープ/해장국)」の項目も参照)。ピョヘジャンクッ(뼈해장국)、ピョダグィクッ(뼈다귀국)、ピョダグィタン(뼈다귀탕)、タグィクッ(따귀국)、タグィタン(따귀탕)、タグクッ(따구국)、タグタン(따구탕)などとも呼ぶ。

豚の背骨(등뼈)を長ネギ、ニンニク、ショウガなどの香味野菜とともに長時間煮込み、塩、粉唐辛子、味噌(된장)などで味付けをしてスープを作る。具には煮込んだ豚の背骨に加え、ウゴジ(白菜の外葉、우거지)や、シレギ(大根の干し葉、시래기)などが入る。下茹でをしたジャガイモを加えることもあり、その場合はカムジャタン(ジャガイモ鍋/감자탕)との違いがなくなるが、2人前以上を鍋で煮込みながら提供するものをカムジャタン、1人前の定食として提供するものをピョダグィヘジャンクッと呼び分けることが多い。

ヘジャンクッの専門店や、カムジャタンの専門店で提供されるほか、一部の食堂でも扱う。豚の背骨を用いた料理としては、ほかにトゥンピョチム(豚の背骨の蒸し煮、등뼈찜)がある。

歴史

カムジャタン(ジャガイモ鍋/감자탕)の歴史と共通する部分があり、より詳しくは「カムジャタン/歴史」の項目を参照。19世紀後半に仁川市で発達したとの説があるほか、1920年代には雑誌の記事に料理名が残る。

1920年代

『別乾坤』(1927年)の記述
1927年10月1日発行の『別乾坤』(第9号)には、チュオタン(ドジョウ汁/추어탕)専門店のアルバイトとして潜入取材を行った記者のルポ記事が掲載されており、店のメニューとしてピョダグィヘジャンクッ(豚の背骨のスープ/뼈다귀해장국)が登場する[1]

種類

ソピョヘジャンクッ(牛骨のスープ/소뼈해장국)

ソピョヘジャンクッ(소뼈해장국)は、牛骨のスープ。ソピョ(소뼈)は牛骨、ヘジャンクッ(해장국)は酔い覚ましに食べるスープを総称する(「ヘジャンクッ(酔い覚ましのスープ/해장국)」の項目も参照)。ソピョダグィヘジャンクッ(소뼈다귀해장국)とも呼ぶ。一般にピョダグィヘジャンクッと言うと、豚の背骨を煮込んだスープを指すが、ソピョヘジャンクッは牛の首骨(목뼈)を使用する。ウゴジ(白菜の外葉、우거지)や、ソンジ(煮固めた牛の鮮血、선지)を入れることも多い。主にヘジャンクッの専門店で提供される。

脚注

外部リンク

制作者関連サイト

関連項目