チョレンイトックッ(조랭이떡국)は、開城式の雑煮。
名称
チョレンイトックッは、チョレンイトッ(조랭이떡)と呼ばれる雪だるま型(韓国語ではヒョウタン型、蚕型などと表現する)の餅を用いた雑煮。一般的なトックッ(韓国式の雑煮/떡국)は小判型にスライスした餅を用いるのに対し、雪だるま型に作った餅の形状が大きな特徴となる。チョラントックッ(조랑떡국)とも呼ぶ。チョレンイ(조랭이)の語源はチョロンパク(조롱박、ヒョウタン)に由来するとの説と、チョリ(조리、米をとぐときに用いるざる)の方言に由来するとの説がある(※確認中:餅をすくいあげるときに使った?)。日本ではチョレンイトック、チョレンイトッククといった表記も見られるが、本辞典においては「チョレンイトックッ」を使用する。
概要
チョレンイトッを牛または鶏のスープに入れて作る。韓国では開城料理を提供する専門店、韓定食店などで提供される。
歴史
文献上の記録
- 『朝鮮料理学』(1940年頃)の記述
- ※この項目は原文に当たっておらず確認中です
- 洪善杓によって1940年頃に書かれた『朝鮮料理学』には「全国的にカレトク(가래떡、棒状の餅の意)をななめに切るが、朝鮮の開国当初に高麗の臣としたの心で餅をこねて団子模様に切り、セントックッ(생떡국、米粉を練ってすいとん状に作った雑煮)のように煮て食べたが、これをチョロントックッ(조롱떡국)と呼ぶ」との記述がある。
歴史的な俗説
- チョレンイトックッは開城の郷土料理であり、開城はかつて高麗の都であった。高麗王朝は次の朝鮮王朝に滅ぼされたことから、チョレンイトッは建国者である李成桂の首をモチーフにしているとの説がある。雪だるま状の餅を噛み切ることで高麗の恨みを晴らした料理だと語られる。
地域
- 開城市(北朝鮮)