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宝城郡(ポソングン、보성군)は全羅南道の南部に位置する地域。本ページでは宝城郡の料理、特産品について解説する。
地域概要
宝城郡は全羅南道の南部に位置する地域。郡の北東部は全羅南道の順天市、南部は全羅南道の高興郡、東部は全羅南道の長興郡、北西部は全羅南道の和順郡と接する。人口は3万8471人(2022年12月)[1]。
- 宝城旅館
- 宝城旅館(보성여관)は、筏橋邑筏橋里(ポルギョウプ ポルギョリ、벌교읍 벌교리)に位置する旅館。1935年に建てられた日本式の建物を残しており、2012年にリニューアルされて現在も宿泊ができる。1階にはカフェや展示コーナー、2階には畳敷きの大広間も併設する。趙廷来(조정래)の小説『太白山脈(태백산맥)』に登場する旅館のモデルにもなっている。
食文化の背景
宝城郡は茶の生産が盛んであり、済州道や慶尚南道河東郡とともに主産地のひとつとして名高い。約170万坪の広大な敷地を有する「大韓茶園(テハンダウォン、대한다원)」が有名で、1939年に当時の日本企業が紅茶の生産用に造成した茶畑を引き継いでいる。緑茶を飼料として育てたポソンノクトン(宝城緑豚、보성녹돈)を生産するほか、緑茶でごはんを炊いたノクチャピビムパプ(緑茶ビビンバ、녹차비빔밥)、緑茶ソフトクリーム、緑茶マッコリなども味わえる。郡内の筏橋邑(ポルギョウプ、벌교읍)地区はコマク(ハイガイ、꼬막)の名産地であり、地域名を冠してポルギョコマク(벌교꼬막)の名でブランド化している。代表的な調理法として、ヤンニョムコマク(ハイガイの薬味ダレ載せ、양념꼬막)、コマクムチム(ハイガイの和え物、꼬막무침)や、コマクピビムパプ(ハイガイのビビンバ、꼬막비빔밥)、コマクチョン(ハイガイのチヂミ、꼬막전)などがあり、これらをまとめた定食を提供する専門店も多い。
代表的な料理
コマクチョンシク(ハイガイ定食/꼬막정식)
- コマクチョンシク(꼬막정식)は、ハイガイ定食。コマク(꼬막)はハイガイ、チョンシク(정식)は定食を意味する。コマクチム(茹でハイガイ、꼬막찜)、ヤンニョムコマク(ハイガイの薬味ダレ載せ、양념꼬막)、コマクチャン(ハイガイの醤油漬け、꼬막장)、コマクフェムチム(ハイガイの和え物、양념회무침)、コマクジョン(ハイガイのチヂミ、꼬막전)、コマクタンス(ハイガイの酢豚風、꼬막탕수)といった一連のハイガイ料理をセットで提供する。コマクフェムチムはごはん、海苔と混ぜ、コマクピビムパプ(ハイガイのビビンバ、꼬막비빔밥)として食べるのも定番である。
- ハイガイとサルボウガイ
ノクチャアイスクリーム(緑茶アイスクリーム/녹차아이스크림)
代表的な特産品
- ノクチャ(緑茶/녹차)
- ポソンノクトン(宝城緑豚/보성녹돈)
代表的な酒類・飲料
太白山脈マッコリ
- 太白山脈マッコリ(태백산맥막걸리)は、筏橋邑典洞里(ポルギョウプ チョンドンニ、벌교읍 전동리)の「筏橋合同酒造公社(벌교합동주조공사)」で生産されている緑茶入りのマッコリ。銘柄名は、小説家の趙廷来(조정래)が筏橋邑で執筆した大河小説『太白山脈(태백산맥)』にちなんでいる。1930年代に日本人が設立した酒造がルーツとなっており、1960年代には「虹橋酒造場」「中央酒造場」「サムスン酒造場」と分割運営されていたものが、1980年に「合同酒造場」として統合された(筏橋合同酒造公社「会社紹介書」より)。
飲食店情報
以下は韓食ペディアの執筆者である八田靖史が実際に訪れた店を列挙している。
- 大韓茶園(대한다원)
- 住所:全羅南道宝城郡宝城邑緑茶路763-67(烽山里1288-1)
- 住所:전라남도 보성군 보성읍 녹차로 763-67(봉산리 1288-1)
- 電話:061-852-4540
- 料理:緑茶アイスクリーム
- 太白山脈コマクマッチプ(태백산맥 꼬막맛집)
- 住所:全羅南道宝城郡筏橋邑筏橋川2キル60(回亭里658-8)
- 住所:전라남도 보성군 벌교읍 벌교천2길 60(회정리 658-8)
- 電話:061-858-6100
- 料理:コマクチョンシク(ハイガイ定食)
エピソード
脚注
- ↑ 주민등록 인구 및 세대현황 、行政安全部ウェブサイト、2023年1月17日閲覧
外部リンク
- 関連サイト
- 制作者関連サイト
- 韓食生活(韓食ペディアの執筆者である八田靖史の公式サイト)
- 八田靖史プロフィール(八田靖史のプロフィール)