安東市の料理

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安東市(アンドンシ、안동시)は慶尚北道の中央部に位置する地域。本ページでは安東市の料理、特産品について解説する。

安東市の慶尚北道庁

地域概要

安東市は慶尚北道の道庁所在地。道の中央部に位置し、市の北部は慶尚北道栄州市奉化郡、東部は慶尚北道英陽郡、南東部は慶尚北道青松郡、南部から南西部にかけては慶尚北道義城郡、西部は慶尚北道醴泉郡と接する。人口は16万2510人(2018年7月)[1]。市の面積は1522.1平方キロ(2021年)と慶尚北道ではもっとも大きく、全国の基礎自治団体(市郡)としても江原道洪川郡麟蹄郡に次いで3番目に大きい[2]。市の北側、東側は太白山脈の支脈が伸びて比較的高く、南西部に向けて緩やかに下っている地形をしている。北東部から西部にかけては洛東江(ナクトンガン、낙동강)が流れ、これに東部から流れる半辺川(パンビョンチョン、반변천)が市内で合流する。合流地点の周囲は豊山平野(プンサンピョンヤ、풍산평야)と呼ばれる平野部となっている。市の中東部には洛東江、半辺川を利用したダム湖が作られており、それぞれ安東湖(アンドンホ、안동호)、臨河湖(イマホ、임하호)と呼ぶ。洛東江の蛇行する豊川面河回里(プンチョンミョン ハフェリ、풍천면 하회리)地区には豊山柳氏の一族が住む河回村(ハフェマウル、하회마을)があり、朝鮮時代の伝統家屋が残るほか、儒教文化を現代に伝える貴重な民俗村としてユネスコの世界文化遺産にも登録されている。そのほか朝鮮時代の私塾である陶山書院(トサンソウォン、도산서원)や、屏山書院(ピョンサンソウォン、병산서원)、韓国最古の木造建築とされる極楽殿(国宝第15号)を有する鳳停寺(ポンジョンサ、봉정사)など歴史的な見どころを豊富に有する。ソウル市から安東市までは、ソウル高速バスターミナル、東ソウル総合ターミナルから安東バスターミナルまで高速バスで約2時間40分~3時間の距離。また清涼里駅から安東駅までムグンファ号で約3時間30分の距離である。

  • 道庁の移転
慶尚北道の道庁はもともと大邱市に置かれていたが、2016年2月に安東市へと移転した。

食文化の背景

民俗村の河回村(ハフェマウル、하회마을)に代表されるように、朝鮮時代から続く両班の儒教文化が色濃く残る地域である。食文化においても、祭祀料理を模したホッチェサバプ(祭祀風定食/헛제사밥)や、祭祀膳にあげられたカンコドゥンオ(塩サバの焼き魚/간고등어)など、両班の暮らしと結びついた郷土料理がある。特産品としては、韓牛(한우)、リンゴ(사과)、山芋()があるほか、地酒のアンドンソジュ(安東焼酎/안동소주)慶尚北道の無形文化財第12号に指定されている。

代表的な料理

 
カンコドゥンオ)
  • カンコドゥンオ(塩サバの焼き魚/간고등어)
  • コンジングクス(冷たいスープ麺/건진국수)
  • トゥルチギクッ(キノコと野菜の鍋/두루치기국)
  • マグクス(山芋麺のウドン/마국수)
  • ポボリチャルトク(アズキ餅/버버리찰떡)沃野洞
  • アンドンクッパプ(安東式のスープごはん/안동국밥)
  • アンドンククシ(安東式のウドン/안동국시)
  • チムタク(鶏肉と野菜の蒸し煮/찜닭)
  • ホッチェサパプ(祭祀風定食/헛제사밥)

代表的な特産品

代表的な酒類・飲料

  • アンドンソジュ(安東焼酎/안동소주)
  • アンドンシッケ(安東式の甘酒/안동식혜)

飲食店情報

以下は韓食ペディアの執筆者である八田靖史が実際に訪れた店を列挙している。

  • カチクモンチプ(까치구멍집)
住所:慶尚北道安東市石洲路203(象牙洞513-1)
住所:경상북도 안동시 석주로 203(상아동 513-1)
電話:054-821-1056
料理:ホッチェサバプ(祭祀風定食/헛제사밥)
  • シゴルジャントクッパプ(시골장터국밥)
住所:慶尚北道安東市ウムシゲキル27(南部洞148-6)
住所:경상북도 안동시 음식의길 27(남부동 148-6)
電話:054-859-9898
料理:チャントクッパプ(市場式のスープごはん)
  • 安端態(안단태)
住所:慶尚北道安東市民俗村キル26(城谷洞815-1)
住所:경상북도 안동시 민속촌길 26(성곡동 815-1)
電話:054-823-7456
料理:カフェ
  • 安東チャムマポリパン(안동참마보리빵)
住所:慶尚北道安東市永嘉路6-1(雲興洞181-29)
住所:경상북도 안동시 영가로 6-1(운흥동 181-29)
電話:054-857-4466
料理:チャムマポリパン(山芋饅頭)
  • ユンガネチョングッチャン(윤가네청국장)
住所:慶尚北道安東市豊川面チプン路1791-7(佳谷里324-4)
住所:경상북도 안동시 풍천면 지풍로 1791-7(가곡리 324-4)
電話:054-853-3989
料理:チョングッチャン(韓国式の納豆汁)カンコドゥンオ(塩サバの焼き魚)

エピソード

韓食ペディアの執筆者である八田靖史は2003年1月に初めて安東市を訪れた。河回村や安東民俗博物館を訪ね、郷土料理であるカンコドゥンオ(塩サバの焼き魚/간고등어)ホッチェサバプ(祭祀風定食/헛제사밥)アンドンシッケ(安東式の甘酒/안동식혜)を味わうという定番の観光を満喫した。中でもホッチェサバプの醤油で味わうピビムパプ(ビビンバ/비빔밥)にいたく感動し、それを後に自身の執筆するメールマガジン『コリアうめーや!!第48号』にて、これをモチーフとした拙い昔話風の物語を書いたりもした[3]

脚注

  1. 주민등록 인구 및 세대현황 、行政安全部ウェブサイト、2018年8月11日閲覧
  2. 행정구역별・지목별 국토이용현황_시군구 、KOSIS(国家統計ポータル)、2023年1月26日閲覧
  3. コリアうめーや!!第48号 安東むかしむかし物語その1 、韓食生活、2018年8月12日閲覧

外部リンク

関連サイト
制作者関連サイト

関連項目