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ミルミョン(밀면)は、小麦粉麺の冷麺。ミル(밀)は小麦、ミョン(면)は麺の意。ネンミョン(冷麺/냉면)の麺を小麦粉で作った料理であり、ミルネンミョン(밀냉면)とも呼ばれる。釜山をはじめとした南部地域の郷土料理で、朝鮮戦争の際にネンミョンの本場である北部地域から避難した人たちが、そば粉の代用として小麦粉を使ったのが始まりとされる。冷たいスープに麺を入れる場合と、薬味ダレを麺と和えて食べる場合があり、前者をムルミルミョン(물밀면)、後者をピビムミルミョン(비빔밀면)と呼び分ける。主に専門店で味わう料理である。
歴史
1953年に釜山市牛巌洞に店を開いた「内湖冷麺(내호냉면)」がミルミョンの元祖店として知られる。創業者である鄭漢金氏は1919年に咸鏡南道興南市内湖面の興南埠頭近くで創業した「トンチュン麺屋(동춘면옥)」を、義母であるイ・ヨンスン氏から技術を受け継いで経営していた。1950年に朝鮮戦争が起こると、イ・ヨンスン氏と鄭漢金氏は戦火を避けて釜山まで逃れた。当初は戦争が終わったらまた興南市へと戻るつもりであったが、一時的にと始めた店は現在まで代を継いで続いている。店の入口に掲げられた来歴には、鄭漢金氏の語った話として以下のようにミルミョンの由来が説明されている。「その当時はそば粉やサツマイモのでんぷんを入手するのがとてもたいへんでした。高すぎて……。それで米軍基地から小麦粉を手に入れて生地を作ったのですが、食べた人たちが『おー、これはおいしい』と。それで冷麺と一緒に売り始めたんです」(原文1)。
- 【原文1】「그 당시에는 메밀가루나 고구마 전분을 구하기가 너무 어려웠어요. 너무 비싸서... 그래서 미군부대에서 밀가루를 얻어 가지고는 반죽을 했는데 사람들이 먹오보고는 '야~ 이거 맛이 꽤 괸찮다' 그러대요. 그래서 국수랑 같이 팔기 시작했지요」[1]
脚注
- ↑ 内湖冷麺店頭の看板、2017年2月13日閲覧