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大田市(テジョンシ、대전시)は韓国の中西部に位置する地域。本ページでは大田市の料理、特産品について解説する。
地域概要
大田市は韓国の中西部に位置する広域市(韓国に6ヶ所ある上級地方自治体)。もともとは忠清南道に属していたが、1989年より直轄市として独立し、1995年より広域市となった。北部から北東部にかけては忠清北道の清州市と報恩郡、東部は忠清北道の沃川郡、南部から南西部にかけては忠清南道の錦山郡と論山市、西部は忠清南道の鶏竜市と公州市、北西部は特別自治市の世宗市と接する。人口は149万4878人(2018年6月)で、韓国の都市としてはソウル市、釜山市、仁川市、大邱市に次いで5番目に多い[1]。市内は5つの行政区に分かれており、大徳区(テドック、대덕구)、東区(トング、동구)、西区(ソグ、서구)、儒城区(ユソング、유성구)、中区(チュング、중구)で構成される。大田市はかつて「ハンバッ(한밭、大きな田畑)」と呼ばれており、これを漢字語にして大田市という名前がついた[2]。市の中央部は広々とした平野が広がっており、四方は山々に囲まれた盆地型の地形である。市の北東部には忠清北道清州市へとまたがってダム湖の大清湖(テチョンホ、대청호)があり、これが韓国四大河川のひとつ錦江(クムガン、錦江)の本流でもある。市の中心部にを流れる甲川(カプチョン、갑천)、柳等川(ユドゥンチョン、유등천)、大田川(テジョンチョン、대전천)といった河川が錦江へと注いでいる。代表的な観光地としては、北西部の儒城区(ユソング、유성구)地区にある儒城温泉(ユソンオンチョン、유성온천)や、1993年に大田世界博覧会を開催したエキスポ科学公園(엑스포과학공원)、ハンバッ樹木園(한밭수목원)などがある。ソウル市から大田市までは、ソウル駅、龍山駅からKTXで約1時間の距離。また、東ソウル総合ターミナル、ソウル高速バスターミナルなどから市内の各バスターミナルまで高速バスで約2時間の距離である。
- 大田訪問の年
- 大田市は2019年が市制施行70周年、広域市昇格30周年という節目の年であることから、これを記念し2019年から2021年までの3年間を「大田訪問の年(대전 방문의 해)」として観光客の誘致に力を入れている。
食文化の背景
大田市一帯はかつてハンバッ(大きな畑、한밭)と呼ばれる広大な農地であった。これを漢字に置き換えたのが大田という名前の由来である。この地域が忠清道の中心都市として発展したのは、1905年に京釜線(キョンブソン、경부선)が開業し、大田駅(テジョンヨク、대전역)が置かれたことに端を発する。大都市であるソウル市、釜山市と直接結ばれたことに加え、1914年には湖南線(ホナムソン、호남선)が開業すると大田駅は全羅道方面へと向かう起点ともなった。京釜線、湖南線の分岐駅を抱えた大田市は、交通、物流の要衝として栄えるに至り、多くの人が移り住むに至った。現在も大田駅前には大田中央鉄道市場(テジョン チュンアン チョルトシジャン、대전중앙철도시장)や、繁華街のウヌンジョンイ文化通り(ウヌンジョンイ ムヌァゴリ으능정이 문화의거리)があるほか、老舗店の多くが駅前、あるいは近隣の中区大興洞(チュング テフンドン、중구 대흥동)に集まっているなど、駅を中心に発展してきた姿が見られる。
- 朝鮮戦争と小麦粉
- 大田駅は朝鮮戦争(1950~53年)の際に多くの避難民が集まった場所であり、また休戦後は米軍からの支援物資である小麦粉を各地に運搬するための拠点となった。このとき集められた小麦粉が現在も地域の食文化に広く根差しており、郷土料理としてカルグクス(韓国式の手打ちうどん/칼국수)の専門店が多くあるほか、老舗ベーカリー「聖心堂(ソンシムダン、성심당)」のパンが地域の名物となっているなど、大田市が「麺とパンの町」として語られる背景の理由となっている。そもそも「聖心堂」の創業者自体が朝鮮戦争時に避難してきた北部地域の出身者であり、同じく郷土料理であるスッコルネンミョン(スッコル地区の冷麺/숯골냉면)や、大田中央鉄道市場名物のマンドゥクッ(餃子スープ/만두국)の創業者も同様である。
代表的な料理
カラッククス(うどん/가락국수)
カラッククス(가락국수)は、うどん(「ウドン(うどん/우동)」の項目も参照)。カラッ(=カラク、가락)は細長いもの、ククス(국수)は麺を意味する。日本語の「うどん」を固有語化した単語であるとともに、日本式のうどんが韓国で定着し、現地化した別物という意味でカラッククスを用いることもある。大田市においては大田駅の名物として古くから親しまれており、駅構内や駅の周辺に専門店、あるいは屋台が出ている。
- 大田駅構内のカラッククス
- かつてはソウルから鉄道で全羅道地方に行く場合、分岐駅である大田駅で方向転換をするため機関車の付け替え作業を行う必要があった。この時間を利用して乗客が駅のホームに出て、カラッククス(うどん、가락국수)を立ち食いしたことから、駅の名物として知られるようになった。なお、ホーム内のカラッククス店は1998年に店を閉じたが、2013年に駅構内の飲食店として「大田駅カラッククス(대전역가락국수)」がオープンしている。また、大田駅前にもカラッククスを提供する飲食店や屋台が集まる。屋台には日本語のかけうどんが転化したカッキウドン(각기우동)との表記も見られる。
- 日本統治時代の駅うどん
- 1933年7月3日付の釜山日報に「美人のサービスで大田駅食堂繁盛 ホームのうどんも好評」との記事がある。この記事によればホームのうどん店は当時、深夜1時~朝5時まで営業、1杯8銭、多い日で1日に100数十杯を販売したという。「値段に比して頗るの美味とて今や全鮮的に大田駅のウドンが有名となり、多数旅客の中には夜行列車で通過する度毎に、駅の立食を唯一の楽みとして大田到着を待つと言ふ熱心なファンも次第に増し」(原文に句点を追加、漢字は新字に変更)とある[3]。との評価は、まさに後のカラッククス人気の土台になったと考えられる。
カルグクス(手打ちウドン/칼국수)
カルグクス(칼국수)は、韓国式の手打ちうどん(カルグクス(韓国式の手打ちうどん/칼국수)の項目も参照)。カル(칼)は包丁、グクス(=ククス、국수)は麺の意。麺の名称であり、料理名でもある。生地を包丁で切って麺にする調理法から名付けられた。大田市にはカルグクスの専門店が多く、また多彩なバリエーションがあり、大田市からは後述のトゥブトゥルチギとともに特色料理(특색음식)として選定されている[4]。市内で有名な老舗店としては、大田市庁近くの西区屯山洞(ソグ トゥンサンドン、서구 둔산동)に位置する1958年創業の「テソンカルグクス(대선칼국수)」や、大田駅近くの東区貞洞(トング チョンドン、동구 정동)に位置する1961年創業の「シンドカルグクス(신도칼국수)」などがある。西大田市民公園では、2013年より「大田カルグクス祭り(대전칼국수축제)」が開催されている[5]。
- 歴史
- 朝鮮戦争後に外国からの救援物資として大量に輸入された小麦粉が、物流の拠点であった大田市に多く入ってきたことによって、これがきっかけとなったとの説がよく語られる。大田カルグクス祭りのウェブサイトでは、「大田は我が国の鉄道輸送の重要拠点となり、大田駅が救護物資の集散地の役割を果たし、(中略)大田駅の周辺と中央市場をはじめとする周辺商圏のカルグクス専門店が活性化し、カルグクスも一般的な料理になった」と説明している[6]。また、前述した大田駅におけるカラッククス(うどん)の人気も、背景のひとつになったと考えられる。
トゥブトゥルチギ(豆腐の炒め煮/두부두루치기)
トゥブトゥルチギ(두부두루치기)は、豆腐の炒め煮(トゥブトゥルチギ(豆腐の炒め煮/두부두루치기)の項目も参照)。トゥブ(두부)は豆腐。トゥルチギとはいろいろな用途に使えるという意味で、もともとは慶尚道の郷土料理である。(トゥルチギ(豚肉の炒め物(または鍋)/두루치기)の項目も参照)。豆腐を豚肉やスルメイカとともに醤油、ゴマ油、粉唐辛子、ニンニクなどで辛く煮付けて作る料理で、中区大興洞(チュング テフンドン、중구 대흥동)に位置する「チルロチプ(진로집)」が元祖として知られる。1969年の創業当初はカルグクス(韓国式の手打ちうどん/칼국수)を販売していたが、酒の肴を求める客のリクエストによって豆腐を煮付けたところ好評を得た。1970~80年代にこれが広まり、安くて美味しい料理として定着した。
大田6味
大田6味(テジョンユンミ、대전6미)は、大田市を代表する6種類の料理[7]。2000年10月に大田市が郷土料理選定諮問委員会を開き、6種類の料理と、3種類の地酒を選定した[8]。地酒を含めて、大田6味3酒(テジョンユンミ サムジュ、대전6미 3주)とも呼ぶ。また、2009年11月には「大田代表料理ブランド化事業」として大田6味の中からサムゲタンとトルソッパプを代表料理として選定、それぞれを大田両班サムゲタン、大田両班トルソッパプ(当初は大田ソンビトルソッパプであった)と命名した[9]。
- ・大田両班サムゲタン(ひな鶏と高麗人参のスープ、대전양반삼계탕)
- ・大田両班トルソッパプ(釜飯、대전양반돌솥밥)
- ・ソルロンタン(牛スープ/설렁탕)
- ・スッコルネンミョン(スッコル地区の冷麺、숯골냉면)
- ・大清湖ミンムルコギメウンタン(淡水魚の辛い鍋、민물고기매운탕)
- ・クジュクトトリムク(クジュク地区のドングリ寒天、구즉도토리묵)
大田両班サムゲタン(ひな鶏と高麗人参のスープ/대전양반삼계탕)
- 大田両班サムゲタン(テジョン ヤンバン サムゲタン、대전양반삼계탕)は、ひな鶏と高麗人参のスープ。大田市におけるサムゲタン(ひな鶏のスープ/삼계탕)のブランドである。大田市の近隣には高麗人参の名産地である忠清南道錦山郡や、連山烏鶏(ヨンサンオゲ、연산오계)と呼ばれるウコッケイで有名な忠清南道論山市があり、サムゲタンの主材料が身近であった。大田駅前の東区中洞(トング チュンドン、동구 중동)には韓方薬局が並んでいるなど、大田市には近隣から韓方材の集まる集散地としての側面もある。
大田両班トルソッパプ(釜飯/대전양반돌솥밥)
- 大田両班トルソッパプ(テジョン ヤンバン トルソッパプ、대전양반돌솥밥)は、釜飯。大田市におけるトルソッパプ(釜飯/돌솥밥)のブランドである。豆や雑穀などとともに釜で1人前ずつ炊いたごはんに、たくさんの副菜がついてくる。1980年代から繁華街の中区大興洞(チュング テフンドン、중구 대흥동)あたりに、石釜を使用したトルソッパプの専門店ができ始め、やがて地域の名物として親しまれるようになった。
ソルロンタン(牛スープ/설렁탕)
- ソルロンタン(설렁탕)は、牛スープ(ソルロンタン(牛スープ/설렁탕)の項目も参照)。大田駅前の東区中洞(トング チュンドン、동구 중동)にて、1955年に「ハンバッ食堂(한밭식당)」が創業し、人気を得たことから大田市の名物として広く知られるようになった。
スッコルネンミョン(スッコル地区の冷麺/숯골냉면)
- スッコルネンミョン(숯골냉면)は、スッコル地区で作られている冷麺(ネンミョン(冷麺/냉면)の項目も参照)。スッコルとは「炭谷」を意味し、儒城区新城洞(ユソング シンソンドン、유성구 신성동)一帯の旧称である。この地域で1954年に「スッコルウォン冷麺(숯골원냉면)」が創業し、人気を得たことから周辺にネンミョンの専門店が増えていった。平壌冷麺の流れを汲んでおり、そば粉の比率が高い麺と、鶏ダシにトンチミ(大根の水キムチ/동치미)の汁を加えたスープが特徴である。
- スッコルウォン冷麺の歴史
- スッコルネンミョンの元祖格である「スッコルウォン冷麺」は、1954年にパク・クンソン(박근성)氏が創業した。平壌出身のパク・クンソン氏は、ネンミョン専門店「平壌牡丹峰冷麺(평양모란봉냉면)」が実家であり、当時食べていた味を再現したとしている。通常の冷麺は鶏のダシをベースにトンチミ(大根の水キムチ/동치미)を加えてスープを作り、ほとんどそば粉で作るという麺を入れる。以前はそば粉100%で作っていたが、現在は麺をまとめるためにごく少量の小麦粉を加えているとのこと。ほかにキジのダシをベースにしたクォンネンミョン(キジ冷麺、꿩냉면)もメニューにある。「平壌牡丹峰冷麺」は1920年代の創業であり、創業者である初代のパク・ネソプ(박내섭)氏は祖父にあたる。また父であるパク・チェロク(박재록)氏が1940年代に2代目として後を継いだため、パク・クンソン氏は3代目を名乗っている。
大清湖ミンムルコギメウンタン(淡水魚の辛い鍋/민물고기매운탕)
- 大清湖ミンムルコギメウンタン(テチョンホ ミンムルコギメウンタン、민물고기매운탕)は、大清湖(テチョンホ、대청호)のほとりで作られている淡水魚の辛い鍋(ミンムルコギメウンタン(淡水魚の辛い鍋/민물고기매운탕)の項目も参照)。大清湖は大田市のほか、忠清北道清州市、報恩郡、沃川郡にまたがる人口湖で、1981年の大清ダム(テチョンデム、대청댐)完工によって造成された。大清湖と接する大徳区(テドック、대덕구)の北東部に専門店が多く、ソガリメウンタン(コウライケツギョ鍋/쏘가리매운탕)や、メギタン(ナマズ鍋/메기탕)、パガサリメウンタン(ギギ鍋、빠가사리매운탕)といった鍋料理のほか、チャンオグイ(ウナギ焼き/장어구이)や、ソンオフェ(マスの刺身、송어회)を提供するところも多い。
九則トトリムク(九則地区のドングリ寒天/구즉도토리묵)
- 九則トトリムク(구즉도토리묵)は、儒城区九則洞(ユソング クジュクトン、유성구 구즉동)一帯で作られているドングリ寒天。ドングリのでんぷんを煮固めて冷やしたもので、そのまま薬味ダレにつけて食べたり、ムッパプ(ムクのスープごはん/묵밥)、トトリムクムチム(ドングリ寒天の和え物/도토리묵무침)として味わう。1980年代初めに農家の副業として料理を提供する店が増えていった。
聖心堂のパン
- 聖心堂のパン
- 聖心堂(ソンシムダン、성심당)は、中区銀杏洞(チュング ウネンドン、중구 은행동)に本店を構えるベーカリー。創業者のイム・ギルスン(임길순)氏、ハン・スンドク(한순덕)氏夫妻は咸鏡南道咸州郡の出身で、朝鮮戦争時に南へと避難し、大田へと移り住んだ。1956年に大田駅前でチンパン(あんまん/찐빵)の露店を開いたのが始まりで、やがて本格的なベーカリーとして成長するに至った。1980年発売。のティギムソボロ(揚げソボロパン、튀김소보로)と、1986年発売のパンタロンプチュパン(ニラパン、판타롱 부추빵)が看板商品であり、近年は大田を代表する名物として人気を集める。大田駅構内やロッテ百貨店大田店などにも支店がある。
- ・ティギムソボロ(튀김소보로)
- ・パンタロンプチュパン(판타롱 부추빵)
- パンタロンプチュパンは、ニラ玉入りのパン。パンタロンはすその広がったズボンのことで、母親世代が青春時代にパンタロンをはき、ギターを弾きながら食べた思い出のパンという理由から名付けられている。ニラ、卵のほかハムも入った総菜パンである。
- ・ティソグマ(튀소구마)
- ティソグマは、サツマイモあんの揚げソボロパン。ティギムソボロの略称であるティソ(튀소)と、サツマイモを意味するコグマ(고구마)の合成語である。2015年発売。
大田市の市場グルメ
大田市は大田駅を中心として発達した町であり、駅のすぐ近くに大田駅前市場、大田中央鉄道市場が広がる。
大田中央鉄道市場
大田中央鉄道市場(テジョン チュンアン チョルトシジャン、대전중앙철도시장)は、東区元洞(トング ウォンドン、동구 원동)一帯に広がる市場。1905年に大田駅が開業したことを機に、駅の周辺が開発されていくと、1911年に島津久太郎氏が大田魚菜市場(대전어채시장)を開いて、これが後の大田中央市場(テジョン チュンアンシジャン)となった。2015年に文化観光型市場として選定されると、鉄道をテーマとした観光型市場というコンセプトを掲げ、市場名を大田中央鉄道市場と変更[10]。同じ商品を扱う店が並んだブロックを駅に見立て、料理駅、貴金属駅、ファッション駅といった具合に看板を掲げた。大田駅の付近は朝鮮戦争時に多くの避難民が集まった地域でもあり、市場内には咸鏡道式のマンドゥクッ(餃子スープ/만두국)が名物になっている。
代表的な特産品
大都市であるが、農業も盛んであり米、梨、ブドウなどの特産品がある。
ユソンベ(儒城梨/유성배)
ユソンベ(유성배)は、儒城区(ユソング、유성구)で生産されている梨。品種としては新高梨が多くを占める。
代表的な酒類・飲料
マッコリ
大田の代表的なマッコリとしては「大田酒造(대전주조)」の「大田ウォンマッコリ(대전원막걸리)」が広く流通している。そのほか、「大田ハンバッ酒造(대전한밭주조)」、「クボン酒類(구봉주류)」、「トンイル酒造場(동일주조장)」、「セイル酒造場(세일주조장)」といった醸造場がマッコリを生産している。
- 大田ウォンマッコリ
- 大田ウォンマッコリ(テジョンウォンマッコリ、대전원막걸리)は、中区玉渓洞(チュング オッケドン、중구 옥계동)に位置する「大田酒造(대전주조)」が生産するマッコリ。2008年より同銘柄名での販売を開始し、現在は大田市の代表銘柄として広く流通している。
焼酎
伝統酒
大田市は2000年10月に地域の代表的な郷土料理を「大田6味」として選定し、合わせて市を代表する伝統酒として、同春堂菊花酒(トンチュンダン クックァジュ、동춘당국화주)、九即農酒(クジュクノンジュ、구즉농주)、大清チャム五味子酒(テチョンチャムオミジャジュ、대청참오미자주)の3銘柄を「大田3酒(テジョンサムジュ、대전3주)」に選定した[12]。ただし、地元新聞社である「中都日報」が指摘したところによると、九即農酒、大清チャム五味子酒の2銘柄については、2018年10月の時点で生産実態が確認できていないようである[13]。
- 同春堂菊花酒
- 同春堂菊花酒(トンチュンダン クックァジュ、동춘당국화주)は、恩津宋氏(ウンジンソンシ、은진송씨)の家系に継承される伝統酒。同春堂とは、大徳区宋村洞(テドック ソンチョンドン、대덕구 송촌동)に位置する恩津宋氏の宗宅を指す。もち米と小麦麹を主原料とする醸造酒で、乾燥させた菊の花を加えて作るのが特徴である。2016年2月に大田市の無形文化財第9-2号として指定された[14]。
クラフトビール
- The Ranch Brewing
- 西区正林洞(ソグ チョンニムドン、서구 정림동)に位置する「The Ranch Brewing(더 랜치 브루잉)」が2017年よりクラフトビールを生産している。
ワイン
- 大田国際ワインフェスティバル
- 大田国際ワインフェスティバル(テジョン クッチェ ワイン ペスティボル、대전국제와인페스티벌)は、儒城区道龍洞(ユソング トリョンドン、유성구 도룡동)の大田コンベンションセンター(대전컨벤션센터)で開催されるワインをテーマとした博覧会。2012年より開催されており、近年は8~9月頃に実施している。
老舗
- ハルモニムクチプ(할머니묵집)
- 1946年創業のムッパプ(ムクのスープごはん/묵밥)専門店。儒城区鳳山洞(ユソング ポンサンドン、유성구 봉산동)に位置し、創業者であるカン・テブン(강태분)氏の名前から、「カンテブンハルモニムクチプ(강태분할머니묵집)」とも呼ぶ。大田6味のひとつ、九則トトリムク(九則地区のドングリ寒天/구즉도토리묵)の元祖店として知られる。
- 平壌屋(평양옥)
- 1951年創業のポシンタン(犬肉の鍋/보신탕)専門店。西区萬年洞(ソグ マンニョンドン、서구 만년동)に位置。
- スッコルウォン冷麺(숯골원냉면)
- 1954年創業のネンミョン(冷麺/냉면)専門店。詳細は「大田6味/スッコルネンミョン」の項目を参照。
- ハンバッ食堂(한밭식당)
- 1955年創業のソルロンタン(牛スープ/설렁탕)専門店。詳細は「大田6味/ソルロンタン(牛スープ/설렁탕)」の項目を参照。
- テドゥルボ咸興麺屋(대들보 함흥면옥)
- 1956年創業のネンミョン(冷麺/냉면)専門店。中区柳川洞(チュング ユチョンドン、중구 유천동)に位置。
- 聖心堂(성심당)
- 1956年創業のベーカリー。詳細は「聖心堂のパン」の項目を参照。
- テソンカルグクス(대선칼국수)
- 1958年創業のカルグクス(韓国式の手打ちうどん/칼국수)専門店。詳細は「カルグクス(手打ちウドン/칼국수)」の項目を参照。
- シンドカルグクス(신도칼국수)
- 1961年創業のカルグクス(韓国式の手打ちうどん/칼국수)専門店。詳細は「カルグクス(手打ちウドン/칼국수)」の項目を参照。
- チルロチプ(진로집)
- 1969年創業のトゥブトゥルチギ(豆腐の炒め煮/두부두루치기専門店。詳細は「トゥブトゥルチギ(豆腐の炒め煮/두부두루치기)」の項目を参照。
飲食店情報
以下は韓食ペディアの執筆者である八田靖史が実際に訪れた店を列挙している。
- キョンドンオジンオグクス(경동오징어국수)
- 住所:大田市東区鶏足路369(城南洞200-342)
- 住所:대전시 동구 계족로 369(성남동 200-342)
- 電話:042-626-5707
- 料理:オジンオグクス(辛口イカうどん)
- コンジュ粉食(공주분식)
- 住所:大田市中区文昌路97(文昌洞37-4)
- 住所:대전시 중구 문창로 97(문창동 37-4)
- 電話:042-582-8284
- 料理:オルクニカルグクス(辛口うどん)
- 金星参鶏湯(금성삼계탕)
- 住所:大田市東区宣化路196番キル44(中洞32-14)
- 住所:대전시 동구 선화로196번길 44(중동 32-14)
- 電話:042-254-3422
- 料理:サムゲタン(ひな鶏のスープ)
- 大田駅カラッククス(대전역가락국수)
- 住所:大田市東区中央路215(貞洞1-280)
- 住所:대전시 동구 중앙로 215(정동 1-280)
- 電話:042-256-1985
- 料理:カラッククス(うどん)
- ポクス粉食(복수분식)
- 住所:大田市中区忠武路107番キル48(大興洞382-1)
- 住所:대전시 중구 충무로107번길 48(대흥동 382-1)
- 電話:042-253-6518
- 料理:オルクニカルグクス(辛口うどん)
- 聖心堂(성심당)
- 住所:大田市中区太田路480番キル15(銀杏洞145)
- 住所:대전시 중구 대종로480번길 15(은행동 145)
- 電話:042-256-4114
- 料理:ベーカリー(ニラパン、揚げソボロパン)
- スッコルウォン冷麺(숯골원냉면)
- 住所:大田市儒城区新城路84番キル18(新城洞136-3)
- 住所:대전시 유성구 신성로84번길 18(신성동 136-3)
- 電話:042-861-3287
- 料理:ネンミョン(冷麺)
- シンドカルグクス(신도칼국수)
- 住所:大田市東区大田路825番キル11(貞洞30-16)
- 住所:대전시 동구 대전로825번길 11(정동 30-16)
- 電話:042-253-6799
- 料理:カルグクス(韓国式の手打ちうどん)
- 新村ソルロンタン文化店(신촌설렁탕 문화점)
- 住所:大田市中区大興路15(文化洞1-182)
- 住所:대전시 중구 대흥로 15(문화동 1-182)
- 電話:042-254-6350
- 料理:ソルロンタン(牛スープ)
- スマイルカルグクス(스마일칼국수)
- 住所:大田市中区宝文路230番キル82(大興洞440-1)
- 住所:대전시 중구 보문로230번길 82(대흥동 440-1)
- 電話:042-221-1845
- 料理:カルグクス(韓国式の手打ちうどん)
- チルロチプ(진로집)
- 住所:大田市中区中橋路45-5(大興洞314-1)
- 住所:대전시 중구 중교로 45-5(대흥동 314-1)
- 電話:042-226-0914
- 料理:トゥブトゥルチギ(豆腐の炒め煮)
- ハンバッ食堂(한밭식당)
- 住所:大田市東区太田路3(中洞60-1)
- 住所:대전시 동구 태전로 3(중동 60-1)
- 電話:042-256-1565
- 料理:ソルロンタン(牛スープ)
各地域の料理
大徳区(대덕구)
- トンチュンダン クックァジュ(同春堂菊花酒/동춘당국화주)
- ミンムルコギメウンタン(淡水魚の辛い鍋料理/민물고기매운탕)
東区(동구)
- カラッククス(うどん/가락국수)貞洞
- マンドゥクッ(餃子スープ/만두국)元洞
西区(서구)
- サムゲタン(ひな鶏のスープ/삼계탕)
儒城区(유성구)
- トトリムク(ドングリ寒天/도토리묵)九即洞
- スッコルネンミョン(冷麺/숯골냉면)新城洞
- ユソンベ(儒城梨/유성배)
中区(중구)
- トルソッパプ(釜飯/돌솥밥)
- トゥブトゥルチギ(豆腐の炒め煮/두부두루치기)大興洞
- ソルロンタン(牛スープ/설렁탕)
- オルクニカルグクス(辛口の手打ちウドン/얼큰이칼국수)大興洞
- カルグクス(手打ちウドン/칼국수)
- ティギムソボロ(揚げソボロパン/튀김소보로)中区銀杏洞
- ティソグマ(芋あんの揚げソボロパン/튀소구마)中区銀杏洞
- パンタロン プチュパン(ニラパン/판타롱 부추빵)中区銀杏洞
エピソード
韓食ペディアの執筆者である八田靖史は2008年5月に初めて大田市を訪れた。忠清北道沃川郡と、忠清南道錦山郡を訪れるのが目的であり、その経由地点として大田市で1泊した。そのときは朝食にソルロンタン(牛スープ/설렁탕)を食べただけで慌ただしく移動してしまったが、2011年5月に再訪し、当時はまだ地元の名物料理としても注目度の低かったオルクニカルグクス(辛口うどん、얼큰이칼국수)とトゥブトゥルチギ(豆腐の炒め煮)を探し当てた。一連の話はメールマガジン『コリアうめーや!!第246号』にて「大田にも名物料理があるのだ!!」というタイトルでまとめている[15]。
脚注
- ↑ 주민등록 인구 및 세대현황 、行政安全部ウェブサイト、2018年7月31日閲覧
- ↑ 대전의지명 、大田市ウェブサイト、2018年7月31日閲覧
- ↑ 美人のサービスで大田駅食堂繁盛 ホームのうどんも好評 、韓国史データベース、2019年6月6日閲覧
- ↑ 특색음식 、大田観光ウェブサイト、2019年6月10日閲覧
- ↑ 대전칼국수축제 、大田カルグクス祭りウェブサイト、2019年6月10日閲覧
- ↑ 대전 칼국수 축제 이야기 、大田カルグクス祭りウェブサイト、2019年6月10日閲覧
- ↑ 대표음식 、大田観光、2018年8月1日閲覧
- ↑ 대전 향토음식 브랜드로 키운다 .. 음식6/술3종류 선정 、韓国経済、2018年8月8日閲覧
- ↑ [대전/충남대전 대표음식 ‘삼계탕이냐, 돌솥밥이냐”] 、東亜日報、2019年8月8日閲覧
- ↑ 대전중앙시장 소개 、大田中央市場ウェブサイト、2019年8月10日閲覧
- ↑ 충청권 대표소주 'O2린' 판매 10억병 돌파 、聯合ニュース(2017年8月7日付記事)、2019年9月18日閲覧
- ↑ 대전 향토음식 브랜드로 키운다 .. 음식6/술3종류 선정 、韓国経済、2018年8月8日閲覧
- ↑ 지역 대표음식 통합명칭 ‘육미삼주’ 대전시 활용 왜 안하나 、中都日報(2018年10月1日付記事)、2019年9月18日閲覧
- ↑ 국화주 (菊花酒) 、文化財庁国家文化遺産ポータル、2019年9月18日閲覧
- ↑ コリアうめーや!!第246号 大田にも名物料理があるのだ!! 、韓食生活、2018年7月31日閲覧
外部リンク
- 関連サイト
- 制作者関連サイト
- 韓食生活(韓食ペディアの執筆者である八田靖史の公式サイト)
- 八田靖史プロフィール(八田靖史のプロフィール)
- 韓国語食の大辞典アプリ版(八田靖史制作の韓国料理専門辞典)
関連項目
- ネンミョン(冷麺/냉면)
- トトリムクムチム(ドングリ寒天の和え物/도토리묵무침)
- トルソッパプ(釜飯/돌솥밥)
- トンチミ(大根の水キムチ/동치미)
- トゥブトゥルチギ(豆腐の炒め煮/두부두루치기)
- トゥルチギ(豚肉の炒め物(または鍋)/두루치기)
- マンドゥクッ(餃子スープ/만두국)
- メギタン(ナマズ鍋/메기탕)
- ムッパプ(ムクのスープごはん/묵밥)
- ミンムルコギメウンタン(淡水魚の辛い鍋/민물고기매운탕)
- ポシンタン(犬肉の鍋/보신탕)
- サムゲタン(ひな鶏のスープ/삼계탕)
- ソルロンタン(牛スープ/설렁탕)
- ソガリメウンタン(コウライケツギョ鍋/쏘가리매운탕)
- ウドン(うどん/우동)
- チャンオグイ(ウナギ焼き/장어구이)
- チンパン(あんまん/찐빵)
- カルグクス(韓国式の手打ちうどん/칼국수)