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この記事はウィキペディアではありません。「韓食ペディア」はコリアン・フード・コラムニストの八田靖史が作る、韓国料理をより深く味わうためのWEB百科事典です。以下の内容は八田靖史の独自研究を含んでいます。掲載されている情報によって被った損害、損失に対して一切の責任を負いません。また、内容は随時修正されます。 |
世宗市(セジョンシ、세종시)は韓国の中西部に位置する地域。本ページでは世宗市の料理、特産品について解説する。
地域概要
世宗市は韓国の中西部に位置する特別自治市(韓国に6ヶ所ある上級地方自治体)。韓国で唯一の特別自治市(高度な自治権を保証された地方自治団体)である。北部は忠清南道の天安市、東部は忠清北道の清州市、南東部は広域市の大田市、南西部から西部にかけては忠清南道の公州市と接する。人口は30万2703人(2018年7月)[1]。
市内は5つの行政区に分かれており、大徳区(テドック、대덕구)、東区(トング、동구)、西区(ソグ、서구)、儒城区(ユソング、유성구)、中区(チュング、중구)で構成される。大田市はかつて「ハンバッ(한밭、大きな田畑)」と呼ばれており、これを漢字語にして大田市という名前がついた[2]。市の中央部は広々とした平野が広がっており、四方は山々に囲まれた盆地型の地形である。市の北東部には忠清北道清州市へとまたがってダム湖の大清湖(テチョンホ、대청호)があり、これが韓国四大河川のひとつ錦江(クムガン、錦江)の本流でもある。市の中心部にを流れる甲川(カプチョン、갑천)、柳等川(ユドゥンチョン、유등천)、大田川(テジョンチョン、대전천)といった河川が錦江へと注いでいる。代表的な観光地としては、北西部の儒城区(ユソング、유성구)地区にある儒城温泉(ユソンオンチョン、유성온천)や、1993年に大田世界博覧会を開催したエキスポ科学公園(엑스포과학공원)、ハンバッ樹木園(한밭수목원)などがある。ソウル市から大田市までは、ソウル駅、龍山駅からKTXで約1時間の距離。また、東ソウル総合ターミナル、ソウル高速バスターミナルなどから市内の各バスターミナルまで高速バスで約2時間の距離である。
- 世宗市成立の経緯
- 世宗市は忠清南道の燕岐郡(ヨンギグン、연기군)全体と公州市の一部、忠清北道旧・清原郡を統合して、2012年7月1日に誕生した。もともとの背景には盧武鉉大統領の時代に首都の移転を企図したことがあり、首都の移転自体は実現しなかったが、一部の首都機能を移すために世宗市が発足した。世宗市成立の根拠となる2010年12月27日施行の「世宗特別自治市設置等に関する特別法」第1条(目的)では、「本法は世宗特別自治市を設置することによって首都圏の過度な集中による副作用を抑え、地域開発および国家の均衡発展と国家競争力の強化の支えとなることを目的とする」(原文1)としている[3]。
- 【原文1】
- 「제1조(목적) 이 법은 세종특별자치시를 설치함으로써 수도권의 과도한 집중에 따른 부작용을 시정하고 지역개발 및 국가 균형발전과 국가경쟁력 강화에 이바지함을 목적으로 한다.」
食文化の背景
大田市では2000年に地域を代表する料理6品を「大田6味(テジョンユンミ、대전6미」として選定している。また、地元では古くからカルグクス(韓国式の手打ちうどん/칼국수)、トゥブトゥルチギ(豆腐の炒め煮/두부두루치기)が郷土料理として親しまれており、こちらも大田の代表料理として支持が厚い。中でもカルグクスの専門店は市内に多く、どろっとした辛口のスープに生春菊をトッピングとして提供するオルクニカルグクス(辛口うどん、얼큰이칼국수)が大興洞(テフンドン、대흥동)地区に集まるなど、大田市ならではの特色も見られる。なお、大田市においてカルグクスが広まった理由は諸説あるが、朝鮮戦争後に外国からの救援物資として大量に輸入された小麦粉が、物流の拠点であった大田市に多く入ってきたことによって、これがきっかけとなったとの説がよく語られる。
- 大田6味[4]
- ・大田両班サムゲタン(ひな鶏と高麗人参のスープ、대전양반삼계탕)
- ・大田両班トルソッパプ(釜飯、대전양반돌솥밥)
- ・ソルロンタン(牛スープ/설렁탕)
- ・スッコルネンミョン(スッコル地区の冷麺、숯골냉면)
- ・大清湖ミンムルコギメウンタン(淡水魚の辛い鍋、민물고기매운탕)
- ・クジュクトトリムク(クジュク地区のドングリ寒天、구즉도토리묵)
代表的な料理
- トトリムク(ドングリ寒天/도토리묵)九即洞
- スッコルネンミョン(冷麺/숯골냉면)新城洞
- オルクニカルグクス(辛口の手打ちウドン/얼큰이칼국수)大興洞
- トルソッパプ(釜飯/돌솥밥)
- トゥブトゥルチギ(豆腐の炒め煮/두부두루치기)
- ミンムルコギメウンタン(淡水魚の辛い鍋料理/민물고기매운탕)
- サムゲタン(ひな鶏のスープ/삼계탕)
- ソルロンタン(牛スープ/설렁탕)
- カルグクス(手打ちウドン/칼국수)
代表的な特産品
代表的な酒類・飲料
飲食店情報
以下は韓食ペディアの執筆者である八田靖史が実際に訪れた店を列挙している。
- コンジュ粉食(공주분식)
- 住所:大田市中区文昌路97(文昌洞37-4)
- 住所:대전시 중구 문창로 97(문창동 37-4)
- 電話:042-582-8284
- 料理:オルクニカルグクス(辛口うどん)
- ポクス粉食(복수분식)
- 住所:大田市中区忠武路107番キル48(大興洞382-1)
- 住所:대전시 중구 충무로107번길 48(대흥동 382-1)
- 電話:042-253-6518
- 料理:オルクニカルグクス(辛口うどん)
- 聖心堂(성심당)
- 住所:大田市中区太田路480番キル15(銀杏洞145)
- 住所:대전시 중구 대종로480번길 15(은행동 145)
- 電話:042-256-4114
- 料理:ベーカリー(ニラパン、揚げソボロパン)
- シンドカルグクス(신도칼국수)
- 住所:大田市東区大田路825番キル11(貞洞30-16)
- 住所:대전시 동구 대전로825번길 11(정동 30-16)
- 電話:042-253-6799
- 料理:カルグクス(韓国式の手打ちうどん)
- チルロチプ(진로집)
- 住所:大田市中区中橋路45-5(大興洞314-1)
- 住所:대전시 중구 중교로 45-5(대흥동 314-1)
- 電話:042-226-0914
- 料理:トゥブトゥルチギ(豆腐の炒め煮)
- ハンバッ食堂(한밭식당)
- 住所:大田市東区太田路3(中洞60-1)
- 住所:대전시 동구 태전로 3(중동 60-1)
- 電話:042-256-1565
- 料理:ソルロンタン(牛スープ)
エピソード
韓食ペディアの執筆者である八田靖史は2008年5月に初めて大田市を訪れた。忠清北道沃川郡と、忠清南道錦山郡を訪れるのが目的であり、その経由地点として大田市で1泊した。そのときは朝食にソルロンタン(牛スープ/설렁탕)を食べただけで慌ただしく移動してしまったが、2011年5月に再訪し、当時はまだ地元の名物料理としても注目度の低かったオルクニカルグクス(辛口うどん、얼큰이칼국수)とトゥブトゥルチギ(豆腐の炒め煮)を探し当てた。一連の話はメールマガジン『コリアうめーや!!第246号』にて「大田にも名物料理があるのだ!!」というタイトルでまとめている[5]。
脚注
- ↑ 주민등록 인구 및 세대현황 、行政安全部ウェブサイト、2018年8月2日閲覧
- ↑ 대전의지명 、大田市ウェブサイト、2018年7月31日閲覧
- ↑ 세종특별자치시 설치 등에 관한 특별법 、国家法令情報センターウェブサイト、2018年8月2日閲覧
- ↑ 대표음식 、大田観光、2018年8月1日閲覧
- ↑ コリアうめーや!!第246号 大田にも名物料理があるのだ!! 、韓食生活、2018年7月31日閲覧
外部リンク
- 関連サイト
- 制作者関連サイト
- 韓食生活(韓食ペディアの執筆者である八田靖史の公式サイト)
- 八田靖史プロフィール(八田靖史のプロフィール)
- 韓国語食の大辞典アプリ版(八田靖史制作の韓国料理専門辞典)