コンナムルクッパプ(大豆モヤシのスープごはん/콩나물국밥)

提供: 韓食ペディア
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南部市場式のコンナムルクッパプ

コンナムルクッパプ콩나물국밥)は、大豆モヤシのスープごはん。

概要

コンナムル(콩나물)は大豆モヤシ。クッパプ(국밥)はスープごはん(クッパ)を意味する(「クッパプ(クッパ/국밥)」の項目も参照)。朝にヘジャンクッ(酔い覚ましのスープ/해장국)として食べられることも多く、コンナムルヘジャンクッ(콩나물해장국)とも呼ぶ。煮干、昆布、大根などを煮込んだスープに、ごはんと大豆モヤシ、茹でイカ、青唐辛子、刻みネギ、刻み海苔などを入れる。生卵を落とすことも多い。味付けは塩、醤油、アミの塩辛などで整え、粉唐辛子、みじん切りニンニクなども加える。家庭料理として作られるほか、食堂、スープ料理店などで提供される。全羅北道全州市の郷土料理として知られ、市内には数多くの専門店がある。大豆モヤシを利用した料理としては、ほかにコンナムルムチム(大豆モヤシのナムル/콩나물무침)コンナムルクッ(大豆モヤシのスープ/콩나물국)、コンナムルバプ(大豆モヤシごはん、콩나물밥)などがある。

  • 南部市場式(남부시장식)
全州市の南部市場(ナムブシジャン、남부시장)内にある「現代屋(현대옥)」のスタイルで、ぐつぐつと煮立てずに提供する。半熟よりも生に近いぐらいのスラン(湯せん卵、수란)を添えるのも特徴のひとつで、コンナムルクッパプのスープをスプーンに2、3杯注ぎ、海苔をちぎり入れて、即席の卵スープとして飲む。
  • 煮込み式(끓이는식)
煮込み式のコンナムルクッパプ
全州市の完山区高士洞(ワンサング コサドン、완산구 고사동)に位置する「三百家(삼백집)」のスタイルで、ぐつぐつ煮立てた状態で、スープに生卵を落として提供する。
  • 母酒(모주)
母酒(モジュ、모주)は、マッコリにナツメ、ショウガ、シナモン、砂糖などを加えて煮込んだ飲料。濁酒の一種に含まれるが、アルコールは加熱によってほぼ飛んだ状態である。全羅北道全州市の地酒、伝統飲料として知られ、酔い覚ましによいとされることから、地域のヘジャンクッ(酔い覚ましのスープ/해장국)であるコンナムルクッパプの専門店などで提供される。ペットボトル飲料としても販売されている。

歴史

1920年代

『別乾坤』(1929年)の記述
  • 1929年12月1日発行号(第24号)[1]
地方の名物料理を紹介する特集記事「全州名物 タッペギクッ」にて、タッペギクッ(탁백이국)の名前でコンナムルクッパプが紹介されている。タッペギクッの、タッペギ(탁백이)はマッコリ)を意味し、クッ()はスープを表す。マッコリと一緒に飲むスープという意味で、文中でもマッコリを飲みながらタッペギクッを食べる描写がある。全州名物のタッペギクッは「材料はわずかに豆モヤシと塩だけ」とシンプルな料理でありながら、「それで成り立つのは全州の豆モヤシが、他地域のそれと異なって品質で群を抜くからだ」と説明されている。「前夜にたっぷり飲んで胃腸が重たいとき、このタッペギクッに勝るものはない」ともあり、当時から地域のヘジャンクッ(酔い覚ましのスープ/해장국)として親しまれていたことがわかる。当時の価格は「マッコリ、タッペギクッ、ごはんの三者を合わせてもわずか5銭也」であった。

脚注

外部リンク

制作者関連サイト

関連項目