「青松郡の料理」の版間の差分
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− | * | + | *韓食ペディアの執筆者である八田靖史は2014年9月に初めて青松郡を訪れた。その際、東京、三河島の韓国料理店「ママチキン」と、湯島の「周王山」を経営する姉弟が青松郡の出身であることから、知人の郡庁関係者を紹介してもらうなど多大なる協力を得た。関係諸氏には特別に謝意を表すとともに、三河島の「ママチキン」では青松郡から直送された山菜料理やマツタケ料理が季節メニューとして提供していることを付記しておく。また、「ママチキン」に併設された「周王山醸造場」では自家製のマッコリを造っているが、その製法は青松郡にある「周王山濁酒」と同様である。 |
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2014年11月23日 (日) 00:37時点における版
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青松郡(チョンソングン、청송군)は慶尚北道に位置する地域。本ページでは青松郡の料理、特産品について解説する。
地域概要
青松郡は慶尚北道の中東部に位置し、慶尚北道の安東市、英陽郡、盈徳郡、浦項市、永川市、軍威郡、義城郡と接する。人口は2万6697人(2012年)[1]。郡の北部から東部、南部にかけては太白山脈の一角をなし、周王山(チュワンサン、주왕산)、太行山(テヘンサン、태행산)といった山々に囲まれる。周王山一帯は1976年に周王山国立公園として指定されており、また2011年6月には韓国で9ヶ所目のスローシティに指定される[2]など、自然の景観が美しい地域である。代表的な観光地に18世紀初頭に作られた貯水池の注山池(チュサンジ、주산지)や、新羅時代の672年に創建された大典寺(テジョンサ、대전사)、1880年に建てられた伝統家屋の松韶古宅(ソンソゴテク、송소고택)などがある。ソウル(東ソウルバスターミナル)からは高速バスで4時間の距離だが、2016年に予定されている唐津盈徳高速道路が開通すると3時間以内に短縮されるみである。
食文化の背景
山岳地域だけあって料理や特産品には山のものが多く、山菜料理、キノコ料理、地鶏料理などが発達している。また、郡内には達基薬水湯(タルギヤクスタン、달기약수탕)、新村薬水湯(シンチョンヤクスタン、신촌약수탕)といった炭酸泉の湧出する地域があり、その炭酸泉で煮込んだ地鶏料理や鶏粥が名物となっている。農業も盛んに行われており、リンゴ、ナツメ、唐辛子、シイタケなどが特産品にあげられる。中でもリンゴは毎年秋にリンゴ祭りが開かれるほど青松を代表する作物である。
代表的な料理
サンチェジョンシク(山菜定食/산채정식)
- テピョンチョはそば粉のでんぷんを固めて作るメミルムク(매밀묵)を入れたキムチ鍋。ほかに豚肉や刻んだ白菜キムチなどが具として入り、海苔や錦糸卵を飾りとして散らす。栄州市順興面では古くからそばの栽培が盛んで、とれたそば粉をメミルムクにして、ムッパプ(そば寒天の冷製スープ、묵밥)や、テピョンチョを作って食べたという。栄州市下望洞に位置する「伝統ムッチプ食堂(전통묵집식당)」の朴勝昌社長によれば、このテピョンチョという料理は「宮中料理のタンピョンチェに由来し、それを庶民的に解釈したもの」だという。また70代の朴社長にとって「テピョンチョは子どもの頃のご馳走料理であり、家に来客があった際に母や祖母が作ってくれた」と語る(八田靖史の取材記録より、2014年5月4日)。市内にテピョンチョを出す飲食店は「伝統ムッチプ食堂」のほか、「元祖順興ムッチプ(원조순흥묵집)」「順興伝統ムッチプ(순흥전통묵집)」などがある。
タッペクスク(丸鶏の水炊き/닭백숙)
代表的な特産品
北部の小白山麓では農業、畜産業が盛んに行われている。リンゴ、ブドウ、モモなどの果物が有名であるほか、豊基の高麗人参や、栄州韓牛、浮石面でとれる大豆の評価も高い。
リンゴ
- 栄州市の豊基地区は高麗人参の栽培地、集散地として全国的に有名である。豊基駅前には高麗人参市場が広がり、全国各地から高麗人参を仕入れにくる人たちで賑わう。一帯では水参(生の高麗人参)のほか、紅参(燻蒸した高麗人参)、茶や菓子などの加工品を販売する店が並ぶほか、高麗人参を使った料理を提供する飲食店もある。高麗人参を使った料理は市場のみならず、栄州市内の各地域で名物となっており、同じく栄州の名産である牛肉と組み合わせた、インサムカルビタン(高麗人参と牛カルビのスープ、인삼갈비탕)や、インサムソルロンタン(高麗人参と牛肉のスープ、인삼설렁탕)、そのほかインサムマンドゥ(高麗人参餃子、인삼만두)といった料理を味わえる。また、2014年には豊基高麗人参を使ったビールが開発され、新たな名物として注目を集めている。
マツタケ
味噌
代表的な酒類・飲料
小白山五精酒
- 小白山五精酒は米と麦麹で造られた蒸留酒。黄精(ナルコユリの根茎)、蒼朮(ホソバオケラの根)、松葉、地骨皮(クコの木の根皮)、天門冬(クサスギカズラの根)という5種類の韓方材を用いることから五精酒との名前がついた。現在は栄州市古峴洞で生産されている。
飲食店情報
以下は韓食ペディアの執筆者である八田靖史が実際に訪れた店を列挙している。
- 不老村食堂(불로촌식당)
- 住所:慶尚北道青松郡真宝面キョンドン路5173-5(新村里40-23)
- 住所:경상북도 청송군 진보면 경동로 5173-5(신촌리 40-23)
- 電話:054-872-6335
- 料理:タッペクスク(鶏の水炊き)
- ソンイガーデン(송이가든)
- 住所:慶尚北道青松郡府東面周王山路504(下宜里751)
- 住所:경상북도 청송군 부동면 주왕산로 504(하의리 751)
- 電話:054-874-0066
- 料理:ソンイジョンゴル(マツタケ鍋)
- ヨンチョン食堂(영천식당)
- 住所:慶尚北道青松郡青松邑薬水キル54(釜谷里286-11)
- 住所:경상북도 청송군 청송읍 약수길 54(부곡리 286-11)
- 電話:054-873-2387
- 料理:タッペクスク(鶏の水炊き)
- 周王山チョンソル食堂(주왕산 청솔식당)
- 住所:慶尚北道青松郡府東面公園キル164(上宜里319)
- 住所:경상북도 청송군 부동면 공원길 164(상의리 319)
- 電話:054-874-5358
- 料理:サンチェジョンシク(山菜定食)
エピソード
- 韓食ペディアの執筆者である八田靖史は2014年9月に初めて青松郡を訪れた。その際、東京、三河島の韓国料理店「ママチキン」と、湯島の「周王山」を経営する姉弟が青松郡の出身であることから、知人の郡庁関係者を紹介してもらうなど多大なる協力を得た。関係諸氏には特別に謝意を表すとともに、三河島の「ママチキン」では青松郡から直送された山菜料理やマツタケ料理が季節メニューとして提供していることを付記しておく。また、「ママチキン」に併設された「周王山醸造場」では自家製のマッコリを造っているが、その製法は青松郡にある「周王山濁酒」と同様である。
脚注
- ↑ 인구추세 、青松郡ウェブサイト、2014年11月23日閲覧
- ↑ スローシティ青松の魅力に迫る! 、青松郡ウェブサイト、2014年11月23日閲覧