「スンドゥブチゲ(柔らかい豆腐の鍋/순두부찌개)」の版間の差分

提供: 韓食ペディア
ナビゲーションに移動 検索に移動
23行目: 23行目:
  
 
== 種類 ==
 
== 種類 ==
カルメギサルには次のような種類がある。
+
スンドゥブチゲには次のような種類がある。
  
*センカルメギサル(생갈매기살)
+
*ヘムルスンドゥブチゲ(해물순두부찌개)
:味付けなしのカルメギサル
+
:牡蠣、エビ、イカなどの海産物を入れたスンドゥブチゲ
*ヤンニョムカルメギサル(양념갈매기살)
+
*クルスンドゥブチゲ(굴순두부찌개)
:辛い薬味ダレを絡めたカルメギサル
+
:牡蠣を入れたスンドゥブチゲ
*マヌルカルメギサル(마늘갈매기살)
+
*キムチスンドゥブチゲ(김치순두부찌개)
:ニンニクダレを絡めたカルメギサル
+
:キムチを入れたスンドゥブチゲ
 +
*プデスンドゥブチゲ(부대순두부찌개)
 +
:ソーセージやランチョンミート、チーズなどを入れた[[プデチゲ(ソーセージ鍋/부대찌개)]]風のスンドゥブチゲ
 +
*ソゴギスンドゥブチゲ(소고기순두부찌개)
 +
:牛肉を入れたスンドゥブチゲ
 +
*テジゴギスンドゥブチゲ(돼지고기순두부찌개)
 +
:豚肉を入れたスンドゥブチゲ
 +
*ポソッスンドゥブチゲ(버섯순두부찌개)
 +
:キノコを入れたスンドゥブチゲ
 +
*マンドゥスンドゥブチゲ(만두순두부찌개)
 +
:餃子を入れたスンドゥブチゲ
 +
*トゥルケスンドゥブチゲ(들께순두부찌개)
 +
:エゴマを入れたスンドゥブチゲ
 +
*カレースンドゥブチゲ(카레순두부찌개)
 +
:カレー味のスンドゥブチゲ
  
 
== 日本における定着 ==
 
== 日本における定着 ==
日本では焼肉店などで豚ハラミとして提供されている。韓国料理のカルメギサルとしては、まだほとんど馴染みがなく、これからの定着が期待される。
+
 
  
 
== エピソード ==
 
== エピソード ==
*韓食ペディアの執筆者である八田靖史は留学時代の2000年に豚焼肉店でメニューにカルメギサルを発見し、韓国ではカモメの肉を食べるのだと本気で勘違いをした過去がある。
+
*韓食ペディアの執筆者である八田靖史は留学時代の2000年に延世語学堂の学生食堂で当時1800ウォンのスンドゥブチゲをよく食べていた。また、たまの贅沢として語学堂の近所にある粉食店「タルギコル(달기골)」にて、3300ウォンのキムチスンドゥブを食べることもあった。
  
 
== 地域 ==
 
== 地域 ==
*ソウル市麻浦区桃花洞
+
*江原道江陵市草堂洞
:孔徳駅の近くにカルメギサルの専門店が集まっており、麻浦カルメギサル通りと呼ばれる。
+
:草堂洞は古くから豆腐作りが盛んで、現在も豆腐料理店や豆腐工場が集まっている。この地域の豆腐は、にがりのかわりに東海岸の海水を用いるのが特徴。この地域では薬味醤油をかけて食べる昔ながらのスンドゥブを味わえる。
*ソウル市鍾路区敦義洞
+
*慶尚北道慶州市北軍洞
:鍾路3街駅の近くにカルメギサルの専門店が集まっており、鍾路3街カルメギサル通り(종로3가 갈매기살골목)と呼ばれる。
+
:普門湖の周辺にスンドゥブチゲの専門店が集まっている。この地域では大豆を石臼でひいて豆腐を作ったメットルスンドゥブ(石臼豆腐、맷돌순두부)を自慢としている。
*京畿道城南市中院区麗水洞
+
*全羅北道益山市金馬面
:麗水洞にカルメギサルの専門店が集まっている。
+
:弥勒寺址周辺にスンドゥブチゲの専門店が集まっている。
 +
*全羅北道完州郡花心里
 +
:花心里には古くから豆腐工場があり、1960年代に近くを訪れる登山客のためスンドゥブチゲを提供したところ話題となった。店頭で揚げるおからドーナツ(비지더넛)も有名。
  
 
== 脚注 ==
 
== 脚注 ==
50行目: 66行目:
  
 
== 外部リンク ==
 
== 外部リンク ==
*[http://zukan.com/koreanfood/internal11470 韓国料理図鑑(カルメギサル)/ズカンドットコム]
+
*[http://zukan.com/koreanfood/internal11679 韓国料理図鑑(スンドゥブチゲ)/ズカンドットコム]
 
*[http://kansyoku-life.com/ 韓食生活]
 
*[http://kansyoku-life.com/ 韓食生活]
  
57行目: 73行目:
 
{{DEFAULTSORT:すんとうふちけ}}
 
{{DEFAULTSORT:すんとうふちけ}}
 
[[Category:韓食ペディア]]
 
[[Category:韓食ペディア]]
[[Category:ソウルの料理]]
+
[[Category:江原道の料理]]
[[Category:京畿道の料理]]
+
[[Category:慶尚北道・大邱市の料理]]
[[Category:肉・卵料理]]
+
[[Category:全羅北道の料理]]
[[Category:豚肉料理]]
+
[[Category:鍋・スープ料理]]
 +
[[Category:豆腐料理]]

2015年3月24日 (火) 15:57時点における版

この記事はウィキペディアではありません。「韓食ペディア」はコリアン・フード・コラムニストの八田靖史が作る、韓国料理をより深く味わうためのWEB百科事典です。以下の内容は八田靖史の独自研究を含んでいます。掲載されている情報によって被った損害、損失に対して一切の責任を負いません。また、内容は随時修正されます。

スンドゥブチゲ순두부찌개)は、柔らかい豆腐の鍋。

名称

スンドゥブはにがりを打って押し固める前の豆腐を意味し、チゲは汁気の少ない鍋料理を総称する。また、スンドゥブのドゥブは漢字語の豆腐であり、漢字で全体を「純豆腐」、「順豆腐」と表記することもあるが、スンドゥブのスンは語源が明らかになっておらず当て字に過ぎない。語源としては水豆腐(ストゥブ)が転化したとの説や、スナントゥブ(柔らかい豆腐、순한 두부)が転化したとの説がある。飲食店のメニューではチゲを省略してスンドゥブとだけ表記をしたり、定食を意味するペッパン(백반)をつけてスンドゥブペッパンとすることもある。また、日本ではスントゥブ、スンドゥーフ、スンドゥプといった表記も見られるが、本辞典においては「スンドゥブチゲ」を使用する。発音表記は[순두부찌개]。

概要

スンドゥブチゲは、柔らかい豆腐(=スンドゥブ)を主材料として作る鍋料理。アサリや豚肉、タマネギ、長ネギなどの野菜、キノコなどを具とし、味付けには塩、粉唐辛子、ニンニク、ゴマ油などを用いる。仕上げとして生卵を落とすことも多い。飲食店では主に1人前のトゥッペギ(뚝배기、チゲ用に使う素焼きの鍋)で調理をするが、大きな鍋で作ったものをシェアして食べることもある。韓国にはスンドゥブチゲの専門店が多数あり、また食堂や居酒屋などでもメニューに載る。家庭料理として作られることも多い。専門店では牡蠣、エビ、イカなどを入れたものや、キムチ、牛肉、餃子などをメインの具としたものも提供する。

歴史

1960年代

もともとスンドゥブはチゲとしてでなく、出来たてに薬味醤油をかけて食べるものであった。現在の韓国においてもっとも古いスンドゥブチゲ専門店は、1962年創業の「小公洞トゥッペギチプ(소공동 뚝배기집)」である。2代目社長であるホ・ヨンソク氏は「父が店を始める前に市場などでチゲとして販売するケースはあったようだが、店舗として構えたのは『小公洞トゥッペギチプ』が初めて」(八田靖史の取材記録より、2010年2月) と語っており、それを根拠とすれば1950年代後半から1960年代前半にはスンドゥブチゲが料理として存在していたと推測される。

「小公洞トゥッペギチプ」の開店

「小公洞トゥッペギチプ」は1962年に小公洞で創業した。

「チョンウォンスンドゥブ」の開店

「チョンウォンスンドゥブ」は1969年に西小門洞で創業した。店では「当時、小公洞、西小門洞の付近には豆腐工場があり、そのため近隣にスンドゥブチゲ店がたくさんあった」(八田靖史の取材記録より、2009年2月24日)と説明している。

1980~90年代

1980年代から90年代にかけて、韓国系移民によるスンドゥブチゲ専門店がアメリカで増えていった。代表的な店舗には「ニュージャージー小公洞スンドゥブ(뉴저지 소공동순두부)」(1984年創業)、「ビバリースンドゥブ(베버리 순두부)」(1986年創業)、「BCD TOFU HOUSE(북창동순두부)」(1996年創業)などがある。これらの店はコリアンタウンを中心に店舗を拡大し、やがてアメリカ人からもヘルシーフードとして人気を集める。これが後に日本での定着へと影響していった(日本における定着参照)。

種類

スンドゥブチゲには次のような種類がある。

  • ヘムルスンドゥブチゲ(해물순두부찌개)
牡蠣、エビ、イカなどの海産物を入れたスンドゥブチゲ
  • クルスンドゥブチゲ(굴순두부찌개)
牡蠣を入れたスンドゥブチゲ
  • キムチスンドゥブチゲ(김치순두부찌개)
キムチを入れたスンドゥブチゲ
  • プデスンドゥブチゲ(부대순두부찌개)
ソーセージやランチョンミート、チーズなどを入れたプデチゲ(ソーセージ鍋/부대찌개)風のスンドゥブチゲ
  • ソゴギスンドゥブチゲ(소고기순두부찌개)
牛肉を入れたスンドゥブチゲ
  • テジゴギスンドゥブチゲ(돼지고기순두부찌개)
豚肉を入れたスンドゥブチゲ
  • ポソッスンドゥブチゲ(버섯순두부찌개)
キノコを入れたスンドゥブチゲ
  • マンドゥスンドゥブチゲ(만두순두부찌개)
餃子を入れたスンドゥブチゲ
  • トゥルケスンドゥブチゲ(들께순두부찌개)
エゴマを入れたスンドゥブチゲ
  • カレースンドゥブチゲ(카레순두부찌개)
カレー味のスンドゥブチゲ

日本における定着

エピソード

  • 韓食ペディアの執筆者である八田靖史は留学時代の2000年に延世語学堂の学生食堂で当時1800ウォンのスンドゥブチゲをよく食べていた。また、たまの贅沢として語学堂の近所にある粉食店「タルギコル(달기골)」にて、3300ウォンのキムチスンドゥブを食べることもあった。

地域

  • 江原道江陵市草堂洞
草堂洞は古くから豆腐作りが盛んで、現在も豆腐料理店や豆腐工場が集まっている。この地域の豆腐は、にがりのかわりに東海岸の海水を用いるのが特徴。この地域では薬味醤油をかけて食べる昔ながらのスンドゥブを味わえる。
  • 慶尚北道慶州市北軍洞
普門湖の周辺にスンドゥブチゲの専門店が集まっている。この地域では大豆を石臼でひいて豆腐を作ったメットルスンドゥブ(石臼豆腐、맷돌순두부)を自慢としている。
  • 全羅北道益山市金馬面
弥勒寺址周辺にスンドゥブチゲの専門店が集まっている。
  • 全羅北道完州郡花心里
花心里には古くから豆腐工場があり、1960年代に近くを訪れる登山客のためスンドゥブチゲを提供したところ話題となった。店頭で揚げるおからドーナツ(비지더넛)も有名。

脚注


外部リンク

関連項目