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=== ヨンドクテゲ(盈徳産のズワイガニ/영덕대게)=== | === ヨンドクテゲ(盈徳産のズワイガニ/영덕대게)=== | ||
− | :盈徳郡で水揚げされたズワイガニをヨンドクテゲと呼ぶ。代表的な食べ方は[[テゲチム(蒸しズワイガニ/대게찜)]] | + | :盈徳郡で水揚げされたズワイガニをヨンドクテゲと呼ぶ。代表的な食べ方は[[テゲチム(蒸しズワイガニ/대게찜)]]であり、専門店では活きたズワイガニを選んでスチームにしてもらう。ヨンドクテゲはブランド価値が高く、値段も高価であるため、他地域のズワイガニと区別をするためにオリジナルのタグが必ずついている。ヨンドクテゲを食べたい場合は専門店であってもタグの確認が重要である。韓食ペディアの執筆者である八田靖史は、著書『八田靖史と韓国全土で味わう 絶品! ぶっちぎり108料理』において、盈徳郡のヨンドクテゲを厳選したベスト8の6位として紹介した<ref>八田靖史, 2014, 『八田靖史と韓国全土で味わう 絶品! ぶっちぎり108料理』, 三五館, P18-19</ref>。 |
*カニミソ | *カニミソ |
2023年10月8日 (日) 22:42時点における最新版
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盈徳郡(ヨンドックン、영덕군)は慶尚北道の中西部に位置する地域。本ページでは盈徳郡の料理、特産品について解説する。
地域概要
盈徳郡は慶尚北道の中西部に位置する地域。郡の北部は慶尚北道の蔚珍郡、東部は東海岸、南部は慶尚北道の浦項市、南西部は慶尚北道の青松郡、北西部は慶尚北道の英陽郡と接する。人口は3万4515人(2023年3月)[1]。郡の西部から中央部にかけて太白山脈が南北に伸び、東海岸に面する地域ではあるが、全体に山の多い地形であり、西から東へと傾斜が下がっている。北部には松川(ソンチョン、송천)、南部には五十川(オシプチョン、오십천)が流れてその流域に平野部が広がる。海岸部には大津港(テジナン、대진항)、丑山港(チュクサンハン、축산항)、亀渓港(クゲハン、구계항)といった国家漁港があり、ズワイガニの名産地として知られる江口港(カングハン、강구항)も有名である。盈徳郡の観光といえばズワイガニの名産地である江口港であり、1~3月の最盛期には大勢の観光客が訪れる(ズワイガニ漁は12~5月末まで)。そのほかコレブル海水浴場(コレブルヘスヨクチャン、고래불해수욕장)や、日の出の名所であるヘマジ公園(ヘマジゴンウォン、해맞이공원)といった観光地である。ソウル市から盈徳郡までは、ソウル高速バスターミナル、東ソウル総合ターミナルから盈徳ターミナルまで高速バスで約4時間20~30分の距離。隣接する浦項市からは、浦項駅から盈徳駅までムグンファ号で約40分の距離である。
食文化の背景
韓国を代表するズワイガニ(대게)の名産地であり、この地域で水揚げされたズワイガニは「ヨンドクテゲ(盈徳ズワイガニ、영덕대게)」の名前でブランド化している。江口港にはズワイガニ料理専門店が多数集まっており、一帯を盈徳テゲ村(ヨンドクテゲマウル、영덕대게마을)とも呼ぶ。韓国におけるズワイガニ漁は12月1日に始まり、5月31日までと決まっている(12月1日が漁の解禁日なので市場に出回るのは数日後になる)。国産のズワイガニが味わえるのはこの期間だけであり、中でも1~3月をいちばんの旬とする。シーズン中には江口港にて「盈徳テゲ祭り(영덕대게축제)」が開催される[2]。
代表的な料理
ミジュグリマクフェ(ムシガレイの刺身和え/미주구리막회)
- ミジュグリマクフェは、ムシガレイの刺身を生野菜とともに甘辛酸っぱいタレで和えた料理。ミジュグリは日本語の「ムシガレイ」がなまったとされる。ムシガレイの標準名はムルガジャミ(물가자미)である。
代表的な特産品
ヨンドクテゲ(盈徳産のズワイガニ/영덕대게)
- 盈徳郡で水揚げされたズワイガニをヨンドクテゲと呼ぶ。代表的な食べ方はテゲチム(蒸しズワイガニ/대게찜)であり、専門店では活きたズワイガニを選んでスチームにしてもらう。ヨンドクテゲはブランド価値が高く、値段も高価であるため、他地域のズワイガニと区別をするためにオリジナルのタグが必ずついている。ヨンドクテゲを食べたい場合は専門店であってもタグの確認が重要である。韓食ペディアの執筆者である八田靖史は、著書『八田靖史と韓国全土で味わう 絶品! ぶっちぎり108料理』において、盈徳郡のヨンドクテゲを厳選したベスト8の6位として紹介した[3]。
- カニミソ
- もっとも鮮度のよいものを、カニミソの色合いからファンジャン(黄腸、황장)と呼び、次によいものを緑がかったノクチャン(緑腸、녹장)、やや鮮度が落ちて黒っぽく見えるものをモクチャン(墨腸、목장)と呼び分ける。スチームにしたズワイガニの場合、甲羅に入ったカニミソはそのまま食べてもよいが、ごはんと混ぜ合わせて炒めたり、あるいはピビムパプ(ビビンバ/비빔밥)として味わうこともある。
- パクタルテゲ
- ズワイガニの中でも身の詰まったものを特にパクタルテゲ(박달대게)と呼ぶ。パクタルとはパクタルナム(オノオレカンバ、박달나무)という樹木名に由来し、この木がとても堅いことから、みっちりと身が詰まったことの例えとしている(オノオレカンバは日本語で「斧折れ樺」を意味する)。
- テゲパン
- テゲパン(대게빵)は、ズワイガニを模した焼き菓子。屋台などで販売される。
ソンイボソッ(マツタケ/송이벗섯)
盈徳郡はマツタケ(송이버섯)の名産地であり、生産量は2012年から2022年まで10年連続で1位を誇る。2022年の共販量は約11.56トンで、全国の約18.3%に相当する[4]。
代表的な酒類・飲料
飲食店情報
以下は韓食ペディアの執筆者である八田靖史が実際に訪れた店を列挙している。
- サゲジョルテゲ直販場(사계절대게직판장)
- 住所:慶尚北道盈徳郡江口面江口テゲキル52(江口里256-61)
- 住所:경상북도 영덕군 강구면 강구대게길 52(강구리 256-61)
- 電話:054-734-2777
- 料理:テゲチム(蒸しズワイガニ)
エピソード
韓食ペディアの執筆者である八田靖史は2013年3月に初めて盈徳郡を訪れた。念願であった盈徳産のズワイガニは1匹W20万という値段であり、懐具合とも相談しつつ、最終的に小ぶりな盈徳産W7万と、ロシアを経由して運ばれる北朝鮮の羅津産W8万を1匹ずつ注文した。そのときの感想をブログにて、「味のほうは小ぶりでも盈徳産のほうが上をいく印象」「カニミソだけは盈徳産が圧倒的に美味」と綴っている[5]。
脚注
- ↑ 주민등록 인구 및 세대현황 、行政安全部ウェブサイト、2023年4月8日閲覧
- ↑ 영덕대게축제 、盈徳テゲ祭りウェブサイト、2023年4月7日閲覧
- ↑ 八田靖史, 2014, 『八田靖史と韓国全土で味わう 絶品! ぶっちぎり108料理』, 三五館, P18-19
- ↑ 송이 공판 현황 、山林組合中央会ウェブサイト、2023年4月8日閲覧
- ↑ 出張報告(9)盈徳ズワイガニ祭りでカニ三昧。 、韓食生活、2018年8月15日閲覧
外部リンク
- 関連サイト
- 制作者関連サイト
- 韓食生活(韓食ペディアの執筆者である八田靖史の公式サイト)
- 八田靖史プロフィール(八田靖史のプロフィール)