「チョノグイ(コノシロ焼き/전어구이)」の版間の差分
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− | '''チョノグイ'''([[전어구이]] | + | '''チョノグイ'''([[전어구이]])は、コノシロ焼き。 |
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+ | チョノ([[전어]])は、漢字で「銭魚」と書いてコノシロ(コハダの成魚)のこと。高い銭を払っても食べたい魚、売れば銭になる魚、などが語源であると語られる。グイ(=クイ、[[구이]])は焼き物の総称。内臓を抜いたコノシロを網やフライパンなどで塩焼きにする。主に定食店や、魚介料理店で提供されるメニューであり、韓国では秋の訪れを告げる季節料理としても知られる。9~10月頃を最盛期とし、この時期には町中の刺身店に、「コノシロ開始([[전어개시]])」との貼り紙が出るほど人気が高い。西海岸、南海岸沿いの地域を主産地とする。コノシロを用いた料理としては、ほかに[[チョノフェ(コノシロの刺身/전어회)]]、チョノフェムチム(コノシロの刺身和え、[[전어회무침]])などがある。 | ||
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+ | :俗にコノシロを焼く香りは、「家を出た嫁も帰ってくる(집 나간 며느리도 돌아온다)」と表現される。 | ||
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+ | :コノシロは「この城」とも読めることから、「コノシロ(この城)を焼く」のは縁起が悪いと考えられた。また、コノシロを焼くと人体を焼いたときのにおいに似るとの俗信もあり、兵役や、望まない婚姻から子どもを隠す目的で「子の代(このしろ)」として焼いた(=子どもは死んでしまったので火葬をしていると嘘をついた)との話もある。 | ||
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+ | ;『蘭湖漁牧志』(1820年)の記述 | ||
+ | :朝鮮時代後期の文臣、実学者の徐有榘(ソ・ユグ、서유구)が1820年に書いた『蘭湖漁牧志([[난호어목지]])』には、コノシロ([[전어]])に関する記述があり、「味がよく、買う人が金銭のことを考えないことから銭魚という」【原文1】<ref>[https://nl.go.kr/NL/contents/search.do?#viewKey=CNTS-00047980321&viewType=C 蘭湖漁牧志(コマ番号69/140)] 、韓国国立中央図書館、2024年9月21日閲覧</ref>と紹介されている。 | ||
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+ | 【原文1】「其味美 買者不論銭故曰銭魚」 | ||
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2024年9月21日 (土) 22:27時点における最新版
この記事はウィキペディアではありません。「韓食ペディア」はコリアン・フード・コラムニストの八田靖史が作る、韓国料理をより深く味わうためのWEB百科事典です。以下の内容は八田靖史の独自研究を含んでいます。掲載されている情報によって被った損害、損失に対して一切の責任を負いません。また、内容は随時修正されます。 |
チョノグイ(전어구이)は、コノシロ焼き。
概要
チョノ(전어)は、漢字で「銭魚」と書いてコノシロ(コハダの成魚)のこと。高い銭を払っても食べたい魚、売れば銭になる魚、などが語源であると語られる。グイ(=クイ、구이)は焼き物の総称。内臓を抜いたコノシロを網やフライパンなどで塩焼きにする。主に定食店や、魚介料理店で提供されるメニューであり、韓国では秋の訪れを告げる季節料理としても知られる。9~10月頃を最盛期とし、この時期には町中の刺身店に、「コノシロ開始(전어개시)」との貼り紙が出るほど人気が高い。西海岸、南海岸沿いの地域を主産地とする。コノシロを用いた料理としては、ほかにチョノフェ(コノシロの刺身/전어회)、チョノフェムチム(コノシロの刺身和え、전어회무침)などがある。
- 慣用表現
- 俗にコノシロを焼く香りは、「家を出た嫁も帰ってくる(집 나간 며느리도 돌아온다)」と表現される。
- 日本での俗信
- コノシロは「この城」とも読めることから、「コノシロ(この城)を焼く」のは縁起が悪いと考えられた。また、コノシロを焼くと人体を焼いたときのにおいに似るとの俗信もあり、兵役や、望まない婚姻から子どもを隠す目的で「子の代(このしろ)」として焼いた(=子どもは死んでしまったので火葬をしていると嘘をついた)との話もある。
歴史
- 『蘭湖漁牧志』(1820年)の記述
- 朝鮮時代後期の文臣、実学者の徐有榘(ソ・ユグ、서유구)が1820年に書いた『蘭湖漁牧志(난호어목지)』には、コノシロ(전어)に関する記述があり、「味がよく、買う人が金銭のことを考えないことから銭魚という」【原文1】[1]と紹介されている。
【原文1】「其味美 買者不論銭故曰銭魚」
脚注
- ↑ 蘭湖漁牧志(コマ番号69/140) 、韓国国立中央図書館、2024年9月21日閲覧
外部リンク
- 制作者関連サイト
- 韓食生活(韓食ペディアの執筆者である八田靖史の公式サイト)
- 八田靖史プロフィール(八田靖史のプロフィール)