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ナムルは本来、山菜や、植物の若芽を意味するが、その主要な料理法である和え物を指す呼び名としても用いられる。日本でも「ナムル」の名前で定着している。野菜や山菜をさっとゆがくか、炒めたのち、ゴマ油で和えて、塩、みじん切りニンニクなどで味を調えて作る。韓国料理の副菜としては代表的なひとつで、食用となるほとんどの野菜、山菜、木の芽、葉などを利用して作る。家庭料理として作られるほか、飲食店では副菜として提供される。[[ピビムパプ(ビビンバ/비빔밥)]]の具としても活用される。
 
ナムルは本来、山菜や、植物の若芽を意味するが、その主要な料理法である和え物を指す呼び名としても用いられる。日本でも「ナムル」の名前で定着している。野菜や山菜をさっとゆがくか、炒めたのち、ゴマ油で和えて、塩、みじん切りニンニクなどで味を調えて作る。韓国料理の副菜としては代表的なひとつで、食用となるほとんどの野菜、山菜、木の芽、葉などを利用して作る。家庭料理として作られるほか、飲食店では副菜として提供される。[[ピビムパプ(ビビンバ/비빔밥)]]の具としても活用される。
  
=== 種類 ===
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*寒食
[[ファイル:22122501.JPG|thumb|300px|コサリナムル]]
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:冬至から105日目を寒食(ハンシク、[[한식]])と呼び、ソルラル([[설날]])、端午(タノ、[[단오]])、秋夕([[추석]])とともに、韓国の4大名節(ミョンジョル、[[명절]])に数えられる。陽暦では4月5日、6日頃に当たる。寒食には祖先の祭祀([[제사]])を行い、墓参りや、墓のまわりの掃除をする。この日は火を使わずに冷たいものを食べる習慣があり、冷やごはんやナムル、または寒食麺(ハンシンミョン、[[한식면]])と呼ばれるメミルグクスを食べる。火を使わない理由には諸説あり、強風の吹く時期なので火事を避けるとの理由や、古代中国の介子推という人物が焼死したのを弔うため、などが多く語られる。
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== 種類 ==
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=== サムセクナムル(三色ナムル/삼색나물) ===
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[[ファイル:23012409.jpg|thumb|300px|キキョウの根、サトイモの茎、ホウレンソウのサムセクナムル]]
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:祭祀膳に捧げる3種類のナムルを、サムセクナムル(三色ナムル、[[삼색나물]])と呼ぶ。白、褐色、青(緑)の3色を揃えるのが決まりで、白は根、褐色は茎、青は葉の野菜、山菜をそれぞれ対応させる。根は祖先、茎は父母、葉は子孫を象徴する。白(根)はキキョウの根([[도라지]])や大根([[무]])、褐色(茎)はワラビ([[고사리]])やサトイモの茎([[토란대]])、青(葉)はセリ([[미나리]])やホウレンソウ([[시금치]])などを用いる。
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=== ムグンナムル(干し野菜のナムル/묵은나물) ===
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:ムグンナムル([[묵은나물]])は、干し野菜のナムル。ムグン(묵은)はムクタ(古くなる、[[묵다]])という動詞の過去連体形で、直訳では「古くなったナムル」を意味する。チンチェ(陳菜、[[진채]])とも呼ぶ。保存用に干しておいたカボチャ([[호박]])、ナス([[가지]])、シラヤマギク([[취나물]])、サトイモの茎([[토란대]])、シイタケ([[표고버섯]])、キキョウの根([[도라지]])などを水で戻し、水気を切ってフライパンで炒めて作る。テボルム(小正月、陰暦1月15日、[[대보름]])の行事食として知られ、この日にムグンナムルを食べると夏負けの予防になると言われる。
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=== 素材ごとのナムル ===
 
*[[カジナムル(ナスのナムル/가지나물)]]
 
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*[[コビナムル(ゼンマイのナムル/고비나물)]]
 
*[[コビナムル(ゼンマイのナムル/고비나물)]]
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*[[チィナムルムチム(シラヤマギクのナムル/취나물무침)]]
 
*[[チィナムルムチム(シラヤマギクのナムル/취나물무침)]]
 
*[[コンナムルムチム(大豆モヤシのナムル/콩나물무침)]]
 
*[[コンナムルムチム(大豆モヤシのナムル/콩나물무침)]]
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ファイル:24110501.jpg|[[カジナムル(ナスのナムル/가지나물)|カジナムル]]
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ファイル:22122501.JPG|[[コサリナムル(ワラビのナムル/고사리나물)|コサリナムル]]
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ファイル:22122820.JPG|[[チィナムルムチム(シラヤマギクのナムル/취나물무침)|チィナムルムチム]]
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== 脚注 ==
 
== 脚注 ==

2025年3月10日 (月) 04:00時点における最新版

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ナムルの盛り合わせ

ナムル나물)は、ナムル(野菜の和え物)。

概要

ナムルは本来、山菜や、植物の若芽を意味するが、その主要な料理法である和え物を指す呼び名としても用いられる。日本でも「ナムル」の名前で定着している。野菜や山菜をさっとゆがくか、炒めたのち、ゴマ油で和えて、塩、みじん切りニンニクなどで味を調えて作る。韓国料理の副菜としては代表的なひとつで、食用となるほとんどの野菜、山菜、木の芽、葉などを利用して作る。家庭料理として作られるほか、飲食店では副菜として提供される。ピビムパプ(ビビンバ/비빔밥)の具としても活用される。

  • 寒食
冬至から105日目を寒食(ハンシク、한식)と呼び、ソルラル(설날)、端午(タノ、단오)、秋夕(추석)とともに、韓国の4大名節(ミョンジョル、명절)に数えられる。陽暦では4月5日、6日頃に当たる。寒食には祖先の祭祀(제사)を行い、墓参りや、墓のまわりの掃除をする。この日は火を使わずに冷たいものを食べる習慣があり、冷やごはんやナムル、または寒食麺(ハンシンミョン、한식면)と呼ばれるメミルグクスを食べる。火を使わない理由には諸説あり、強風の吹く時期なので火事を避けるとの理由や、古代中国の介子推という人物が焼死したのを弔うため、などが多く語られる。

種類

サムセクナムル(三色ナムル/삼색나물)

キキョウの根、サトイモの茎、ホウレンソウのサムセクナムル
祭祀膳に捧げる3種類のナムルを、サムセクナムル(三色ナムル、삼색나물)と呼ぶ。白、褐色、青(緑)の3色を揃えるのが決まりで、白は根、褐色は茎、青は葉の野菜、山菜をそれぞれ対応させる。根は祖先、茎は父母、葉は子孫を象徴する。白(根)はキキョウの根(도라지)や大根()、褐色(茎)はワラビ(고사리)やサトイモの茎(토란대)、青(葉)はセリ(미나리)やホウレンソウ(시금치)などを用いる。

ムグンナムル(干し野菜のナムル/묵은나물)

ムグンナムル(묵은나물)は、干し野菜のナムル。ムグン(묵은)はムクタ(古くなる、묵다)という動詞の過去連体形で、直訳では「古くなったナムル」を意味する。チンチェ(陳菜、진채)とも呼ぶ。保存用に干しておいたカボチャ(호박)、ナス(가지)、シラヤマギク(취나물)、サトイモの茎(토란대)、シイタケ(표고버섯)、キキョウの根(도라지)などを水で戻し、水気を切ってフライパンで炒めて作る。テボルム(小正月、陰暦1月15日、대보름)の行事食として知られ、この日にムグンナムルを食べると夏負けの予防になると言われる。

素材ごとのナムル

脚注


外部リンク

制作者関連サイト

関連項目