「トゥルチギ(豚肉の炒め物(または鍋)/두루치기)」の版間の差分
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2022年4月1日 (金) 02:42時点における版
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トゥルチギ(두루치기)は、豚肉の炒め物、または鍋。
名称
トゥルチギ(두루치기)は、「いろいろな用途に使える」との意。いろいろな材料を「두루두루(あまねく、まんべんなく)」用いることから名付けられたとも説明される。発音表記は[두루치기]。
概要
トゥルチギ(두루치기)は、豚肉の炒め物、または鍋。トゥルチギと呼ばれる料理は地方によって違いが大きく、どれが標準的なトゥルチギとも言いにくいが、もっとも広範に普及しているのは慶尚道式の調理法だと思われる。薄切りの豚肉を、キムチや、長ネギ、タマネギ、ニンジンといった野菜とともに、ピリ辛の炒め煮にするもので、キムチチゲ(キムチ鍋/김치찌개)と、チェユッポックム(豚肉炒め/제육볶음)の中間的な料理とも説明される。飲食店では、ごはんに添えて定食として提供するほか、酒肴としても親しまれる。
慶尚道式
- トゥルチギのルーツは、慶尚北道安東市の郷土料理に由来するとの説がある。朝鮮時代の支配階級である両班の家庭において、急な来客時にあるもので手早く作った料理がトゥルチギだとされる[1]。もともとは牛肉と野菜、キノコなどを炒め煮にして作ったが、現在ではそれが豚肉で作るのが主流となった。
- 『朝鮮日報』(1963年の記述)
- 1963年5月12日発行の紙面に、「人銘酒の哀愁(2)」という記事があり、安東市の地酒であるアンドンソジュ(安東焼酎、안동소주)と相性のよい料理としてトゥルチギが以下のように紹介されている。「『トゥルチギ』、または『フチギ(후치기)』とも称する安東の鍋料理は、ペレンイ(麦わら帽子のような形状の笠)を逆さにしたような専用の鍋で調理をし、へりの部分にセリ、長ネギ、糸唐辛子、ニンジン、マツタケ、シイタケなど、さまざまな具材を揃えて牛肉と煮込むのだが、半生、半熟でこそ美味しい」(カッコ内は訳注)[2]。
- 『東亜日報』(1972年の記述)
- 1972年2月4日発行の紙面に、古漬けのキムチを利用したレシピ記事があり、「慶尚道式であるが」と断りを入れたうえでトゥルチギが紹介されている。具体的な調理法としては、「キムチを洗ったあと、薄切りの豚バラ肉と、コチュジャン、ニンニク、ショウガを入れた薬味ダレとともにフライパンで炒める」としている。また、そこに冷やごはんを入れて炒めると、キムチポックムパプ(キムチチャーハン/김치볶음밥)になるとの付記もある[3]。
忠清道式
- 大田市の郷土料理として、トゥブトゥルチギ(豆腐の炒め煮/두부두루치기)が有名である(詳細は同項目を参照)。豆腐とスルメイカなどを炒め煮にしたもので、1970~80年代に広まったとされる。
済州道式
- 済州道では、ピリ辛に味付けをした豚肉を鉄板や鍋で炒め、そこに副菜のコンナムルムチム(大豆モヤシのナムル/콩나물무침)や、ムチェキムチ(千切り大根のキムチ、무채김치)、パジョリ(白髪ネギの和え物、파절이)などを混ぜ込んでさらに炒めたトゥルチギが定着している。
江原道
エピソード
- ドラマ『椿の花咲く頃』への登場
- 2019年にKBSで放送されたドラマ『椿の花咲く頃(동백꽃 필 무렵)』では、主人公のトンベクの得意料理としてトゥルチギが登場した。仕上げとして千切りにしたエゴマの葉(깻잎)を載せるのが特徴的である。
脚注
- ↑ 한국국의식주생활사전 두루치기 、韓国民俗大百科事典、2022年4月1日閲覧
- ↑ 人銘酒의哀愁(2)安東에서 、NAVERニュースライブラリー、2022年4月1日閲覧
- ↑ 제맛 잃어가는 묵은김치…싫증없이 맛있게 먹을 수 있어 、NAVERニュースライブラリー、2022年4月1日閲覧
外部リンク
- 制作者関連サイト
- 韓食生活(韓食ペディアの執筆者である八田靖史の公式サイト)
- 八田靖史プロフィール(八田靖史のプロフィール)