「星州郡の料理」の版間の差分
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:星州ではマクワウリを使った加工食品作りも行われている。星山里(성산리)にある「スミダム(수미담)」では、マクワウリを煮詰めて水飴を作り、それを販売するとともにこれを利用した伝統菓子([[한과]])の生産も行っている。また、白雲里(백운리)の農家レストラン「ミル(밀)」では、マクワウリの漬物([[장아찌]])や、マクワウリ入りのビビンバ([[비빔밥]])蒸しパン([[찐빵]])などを作るとともに、マクワウリで甘味をつけた酢、水飴、コチュジャンなどを料理の味付けに利用している。 | :星州ではマクワウリを使った加工食品作りも行われている。星山里(성산리)にある「スミダム(수미담)」では、マクワウリを煮詰めて水飴を作り、それを販売するとともにこれを利用した伝統菓子([[한과]])の生産も行っている。また、白雲里(백운리)の農家レストラン「ミル(밀)」では、マクワウリの漬物([[장아찌]])や、マクワウリ入りのビビンバ([[비빔밥]])蒸しパン([[찐빵]])などを作るとともに、マクワウリで甘味をつけた酢、水飴、コチュジャンなどを料理の味付けに利用している。 | ||
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:住所:慶尚北道星州郡大家面星山2キル95-33(星山里)1222-4 | :住所:慶尚北道星州郡大家面星山2キル95-33(星山里)1222-4 | ||
:住所:경상북도 성주군 성주읍 성산2길 95-33(성산리 1222-4) | :住所:경상북도 성주군 성주읍 성산2길 95-33(성산리 1222-4) |
2016年12月22日 (木) 21:49時点における版
この記事はウィキペディアではありません。「韓食ペディア」はコリアン・フード・コラムニストの八田靖史が作る、韓国料理をより深く味わうためのWEB百科事典です。以下の内容は八田靖史の独自研究を含んでいます。掲載されている情報によって被った損害、損失に対して一切の責任を負いません。また、内容は随時修正されます。 |
星州郡(ソンジュグン、성주군)は慶尚北道に位置する地域。本ページでは星州郡の料理、特産品について解説する。
地域概要
星州郡は慶尚北道の南西部に位置し、金泉市、漆谷郡、高霊郡、大邱広域市、慶尚南道の陜川郡、居昌郡と接する。人口は4万5184人(2016年11月)[1]。南西部に位置する伽耶山(1430m)を筆頭に、郡全体を山々に囲まれる盆地地形である。代表的な観光地としては、世宗大王子胎室(王族の胎盤やへその緒を安置)や、朝鮮時代の集姓村(同族村)であるハンゲマウル(한개마을)などがある。また星山里には星山洞古墳群があり、伽耶諸国のひとつであった星山伽耶の支配層が眠っていると推定される。ソウル(南部ターミナル)から星州バス停留所までは市外バスで約3時間10分。大邱の西部停留所からは市外バスで約1時間20分の距離。
食文化の背景
星州は朝鮮時代に多くの両班(支配階級)が集姓村を作った。この星州を発祥地とする本貫は他地域と比較しても群を抜いて多く、星州李氏、星州裵氏、星州都氏、星州(星山)呂氏など28姓氏を数える。その代表が2007年に重要民俗文化財第255号にも指定された月恒面大山里(월항면 대산리)のハンゲマウルである。こうした両班の食文化が現代にも伝えられており、祭祀料理をもとにしたコノムルチム(干物の蒸し煮/건어물찜)はその象徴的な存在だと言える。また、星州は全国的に有名なマクワウリ(참외)名産地であり、農林部が地域の名産品を認証する地理的表示農産物の第10号として星州マクワウリ(성주참외)が登録されている[2]。星州では大半の農家がマクワウリを栽培しており、その生産量は実に全国の7割を超える。そのほか、スイカ、リンゴ、ナシ、完熟トマト、ミニトマト、キュウリなどの農作物も栽培されている。
代表的な料理
祭祀料理をもとにしたコノムルチムや、キジ肉を使った料理が名物である。
コノムルチム(干物の蒸し煮/건어물찜)
- 星州では祭祀膳にコノムル(건어물)と呼ばれる干物類を多く捧げる。これを祭祀後にまとめて醤油で甘辛く煮付けたものをコノムルチムと呼ぶ。チム(찜)は蒸し煮の総称。有名食堂である「カムコル食堂(감골식당)」ではコノムルチムを看板料理のひとつとしており、干しダラ(북어)、アカエイ(가오리)、スルメイカ(오징어)、鶏肉、鶏の玉ひも(排卵前の卵と卵管)、昆布といった食材を煮込んで提供する。
クォンシャブシャブ(キジ肉のシャブシャブ/꿩샤브샤브)
- 星州にはキジ肉料理を出す店が多く、クォンシャブシャブ(キジ肉のしゃぶしゃぶ、꿩샤브샤브)や、クォンタン(キジ肉の鍋、꿩탕)クォンマンドゥ(キジ肉餃子、꿩만두)といった料理を味わえる。
代表的な特産品
かつてはスイカの名産地であったが、1980年代に入ってマクワウリ栽培が盛んになった。盆地型で降水量が少なく、日射量が多いことからマクワウリ栽培に向いているとされる。
チャメ(マクワウリ/참외)
- 星州はかつてスイカの名産地であったが、1980年代に入ってマクワウリ栽培が主流となった。星州の気候条件などがマクワウリ栽培に向いていたのも要因であるが、シーズンに1度しか収穫できないスイカに比べて、マクワウリは最大で3~4回収穫できるメリットが大きかったとされる(八田靖史の取材記録より、2016年10月26日)。現在では全国に流通する約7割のマクワウリを星州で生産している[3]。
- 品種
- 現在の韓国で栽培されているマクワウリは大半がクムサラギ(금싸라기)の系統であり、もともとは日本品種の銀泉を改良したものである。星州においてもクムサラギ系統のマクワウリが主流として栽培されている。
- 栽培方法
- 病害虫を防ぐ目的から、カボチャに接ぎ木をして栽培する方法が主流である。もっともはやい2月末の収穫を目指す場合、10~11月に種をまき、接ぎ木をしたうえで12~1月に畑へと植え替える。
- 旬
- 本来は4~6月がいちばんの旬であるが、近年は出荷が早まっており、2月末頃から市場に出回る。9月から10月にはすべての出荷が終わり、貯蔵がきかないこともあって冬場に出回ることはない。
- 輸出
- 星州では日本、シンガポール、香港、マレーシアなどにマクワウリを輸出している。中でも日本への輸出がもっとも多く、2015年は168.4トンに上っている[4]。
- 関連施設
- 玉星里(옥성리)には星州農業技術センターに併設されて「マクワウリ生態学習院(참외생태학습원)」がある。ここではマクワウリの栽培方法や、品種改良の歩み、歴史について学ぶことができる。また、郡内各地にある流通センターには、シーズンになると簡易販売場が設けられ、そこでマクワウリを購入することもできる。
- 利用
- 星州ではマクワウリを使った加工食品作りも行われている。星山里(성산리)にある「スミダム(수미담)」では、マクワウリを煮詰めて水飴を作り、それを販売するとともにこれを利用した伝統菓子(한과)の生産も行っている。また、白雲里(백운리)の農家レストラン「ミル(밀)」では、マクワウリの漬物(장아찌)や、マクワウリ入りのビビンバ(비빔밥)蒸しパン(찐빵)などを作るとともに、マクワウリで甘味をつけた酢、水飴、コチュジャンなどを料理の味付けに利用している。
- スミダム(수미담)
- 住所:慶尚北道星州郡大家面星山2キル95-33(星山里)1222-4
- 住所:경상북도 성주군 성주읍 성산2길 95-33(성산리 1222-4)
- 電話:054-931-6464
トゥンギョジャン(大麦の糠味噌/등겨장)
- 奉化郡は面積の83%が山林であり、山林面積の約4割をマツ(アカマツ、チョウセンゴヨウ)が占める。こうした環境により古くからマツタケの産地として知られ、山林庁が地域の名産品を認証する地理的表示林産物の第10号として奉化マツタケは登録されている(江原道襄陽郡、慶尚北道盈徳郡、蔚珍郡もマツタケの登録がある)[5]。奉化におけるマツタケのシーズンは9月下旬から10月中旬であり、この時期に毎年「奉化マツタケ祭り(봉화송이축제)」が開催される[6]。
代表的な酒類・飲料
星州郡のマッコリ
- 奉化郡には現在6ヶ所の醸造場があり[7]、法田醸造場(법전양조장)の清凉酒(청량주)、奉化醸造場(봉화양조장)の奉化純麹生マッコリ(봉화 순곡생막걸리)、三洞醸造場(삼동양조장)の清涼山マッコリ(청량산 막걸리)、小川濁・薬酒醸造場(소천탁 약주양조장)の小川長生マッコリ(소천장생막걸리)、春陽醸造場(춘양양조장)の太白山米マッコリ(태백산 쌀막걸리)、石浦醸造場(석포양조장)の石浦マッコリ(석포막걸리)といった銘柄が流通している。
奉化仙酒(봉화선주)
- 刀川里(도천리)地区の海軒古宅(해헌고택)に代々住む安東金氏の家系に受け継がれた伝統酒。米と小麦麹を原料として五加皮、松葉、桂皮などの韓方材を加えた蒸留酒で、種類としては五加皮酒(오가피술)に当たるが、五加皮(오가피)の薬効から不老不死の酒になぞらえて仙酒と名付けられている[8]。
飲食店情報
以下は韓食ペディアの執筆者である八田靖史が実際に訪れた店を列挙している。
- カムコル食堂(감골식당)
- 住所:慶尚北道星州郡星州邑京山キル9-3(京山里 613-1)
- 住所:경상북도 성주군 성주읍 경산길 9-3(경산리 613-1)
- 電話:054-933-2416
- 料理:コノムルチム
- ミル(밀)
- 住所:慶尚北道星州郡修倫面徳雲路1566(白雲里1038)
- 住所:경상북도 성주군 수륜면 덕운로 1566(백운리 1038)
- 電話:054-931-2660
- 料理:韓定食、ビビンバ
エピソード
- 韓食ペディアの執筆者である八田靖史は2016年10月に初めて星州郡を訪れた。慶尚北道広報大使が取材、執筆する観光冊子『GB-Story Vol.3』にはこの時の取材をもとに、チャメやコノムルチムを中心とした話が掲載されている。