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=== トンネパジョン(東莱式のネギ焼き/동래파전) === | === トンネパジョン(東莱式のネギ焼き/동래파전) === | ||
[[ファイル:17111704.JPG|thumb|300px|東莱パジョンの調理風景]] | [[ファイル:17111704.JPG|thumb|300px|東莱パジョンの調理風景]] | ||
− | : | + | :トンネパジョン([[동래파전]])は、東莱(トンネ、동래)地区に伝わるネギのチヂミ。トンネ(동래)は東莱、パ([[파]])がネギ、ジョン([[전]])がチヂミを意味する(「[[パジョン(ネギのチヂミ/파전)]]」の項目も参照)。朝鮮時代より東莱地区は葉ネギ([[쪽파]])の産地として知られ、東莱区福泉洞(トンネグ ポクチョンドン、동래구 복천동)に位置する東莱市場(トンネシジャン、동래시장)での扱いも多かった。市場内には[[パジョン(ネギのチヂミ/파전)|パジョン]]を作って販売する店が集まり、これが広まって地域の名物としての名声を得るに至った。トンネパジョンの特徴としては、生地に米粉やもち粉を用いること、魚介類をふんだんに入れること、蒸し焼きにして全体をとろっと柔らかな食感に仕上げること、チョゴチュジャン(唐辛子酢味噌、[[초고추장]])をつけて食べること、などがあげられる。葉ネギの旬は春であり、かつては旧暦3月3日のサムジンナル(上巳、[[삼짇날]])に食べる習慣もあった。 |
*「東莱ハルメパジョン」の創業 | *「東莱ハルメパジョン」の創業 | ||
− | : | + | :トンネパジョンの老舗として東莱区福泉洞の「東莱ハルメパジョン(동래할매파전)」がある。創業は1940年とされるが、1930年代から東莱市場にて初代のカン・メヒ(강매희)さんが露店を営んでいたとされる。店を構えたのは1950年代であり、その当時は「第一食堂(제일식당)」という名前であった。1970年代に現在の「東莱ハルメパジョン」に店名を変更。時代とともに嫁から嫁へと代が受け継がれ、2代目の李允善(이윤선)さん、3代目の金玉子(김옥자)さんに続いて、現在は4代目の金貞姫(김정희)さんが店を運営している。 |
*「東莱ハルメパジョン」における調理手順 | *「東莱ハルメパジョン」における調理手順 | ||
:「東莱ハルメパジョン」では店内に調理スペースを置き、一連の流れを見ることができるようになっている。調理の手順は以下のようになる(八田靖史の取材記録より、2017年8月25日)。 | :「東莱ハルメパジョン」では店内に調理スペースを置き、一連の流れを見ることができるようになっている。調理の手順は以下のようになる(八田靖史の取材記録より、2017年8月25日)。 | ||
#鉄板に油をしき、葉ネギを縦方向に載せる。 | #鉄板に油をしき、葉ネギを縦方向に載せる。 | ||
− | # | + | #葉ネギの上に具を載せる。具は季節ごとに多少異なり、アサリ([[바지락]])、ハマグリ([[백합]])、タイラギ([[키조개]])、エビ([[새우]])、テナガダコ([[낙지]])、牛肉([[소고기]])のほか、冬季は牡蠣([[굴]])、ムール貝([[홍합]])も加える。 |
#2の上に葉ネギをさらに載せる。このとき最初に敷いた葉ネギとは、葉先と根を互い違いにする。 | #2の上に葉ネギをさらに載せる。このとき最初に敷いた葉ネギとは、葉先と根を互い違いにする。 | ||
− | #生地を上から流しかける。生地はごくゆるめであり、米粉、もち粉、ダシ汁、ジャン(醤、[[장]] | + | #生地を上から流しかける。生地はごくゆるめであり、米粉、もち粉、ダシ汁、ジャン(醤、[[장]])などが入る。この生地を店ではマックンムル([[맛국물]])と呼んでいる。 |
#へらで全体をひっくり返し、90度回して縦と横を入れ替える。 | #へらで全体をひっくり返し、90度回して縦と横を入れ替える。 | ||
#全体を縦に長く伸ばし、上から油をかける。 | #全体を縦に長く伸ばし、上から油をかける。 |