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=== 麺(국수) === | === 麺(국수) === | ||
− | :大邱市は韓国でも小麦粉や麺類の消費が多い地域として知られ、[[チャンチグクス(にゅうめん/잔치국수)]] | + | :大邱市は韓国でも小麦粉や麺類の消費が多い地域として知られ、[[チャンチグクス(にゅうめん/잔치국수)]]や、[[カルグクス(韓国式の手打ちうどん/칼국수)|ヌルングクス(韓国式の手打ちうどん、누른국수)]]の人気が高い。1933年に中区大新洞(チュング テシンドン、중구 대신동)で創業した「豊国麺(풍국면)」をはじめ<ref>[http://www.pkmnoodle.com/history.php 풍국면의 역사] 、豊国麺ウェブサイト、2017年8月10日閲覧</ref>、日本統治時代から多くの製麺工場が作られた。そのひとつに1938年に中区仁橋洞(チュング インギョドン、중구 인교동)で創業した「三星商会(삼성상회)」があり、これが韓国最大の財閥企業である後のサムソングループへと成長していった。三星商会では当時、社名にちなんだピョルピョグクス(星印麺、별표국수)を製造販売していた<ref>[http://hoamprize.samsungfoundation.org/kor/hoam/hoam_history03.asp 삼성의 싹. 삼성상회 인근 지방에서 더 인기 좋았던 별표국수] 、湖岩財団ウェブサイト、2017年8月10日閲覧</ref>。 |
*ヌルングクス | *ヌルングクス | ||
− | :大邱10味のひとつに数えられるヌルングクス([[누른국수]])とは、いわゆる[[カルグクス(韓国式の手打ちうどん/칼국수)]]を指す。ヌルンは、「ヌルダ(押さえる、누르다)」を語源とし、小麦粉の生地を押さえつけながら伸ばしたことに由来するという説と、生地にきな粉([[콩가루]])を混ぜる慶尚道式の製法から、「ノラン(黄色い、노란)」が転化したとの説がある。グクス(=ククス、[[국수]])は麺の意。煮干しでダシを取ったスープで、小麦粉ときな粉を混ぜた生地の麺を茹でて作る。 | + | :大邱10味のひとつに数えられるヌルングクス([[누른국수]])とは、いわゆる[[カルグクス(韓国式の手打ちうどん/칼국수)|カルグクス]]を指す。ヌルンは、「ヌルダ(押さえる、누르다)」を語源とし、小麦粉の生地を押さえつけながら伸ばしたことに由来するという説と、生地にきな粉([[콩가루]])を混ぜる慶尚道式の製法から、「ノラン(黄色い、노란)」が転化したとの説がある。グクス(=ククス、[[국수]])は麺の意。煮干しでダシを取ったスープで、小麦粉ときな粉を混ぜた生地の麺を茹でて作る。 |
*カルジェビ | *カルジェビ | ||
− | :カルジェビ([[칼제비]])は[[カルグクス(韓国式の手打ちうどん/칼국수)]]と、[[スジェビ(韓国式のすいとん/수제비)]]を掛け合わせた料理。西門市場(서문시장)の名物料理である。 | + | :カルジェビ([[칼제비]])は[[カルグクス(韓国式の手打ちうどん/칼국수)|カルグクス]]と、[[スジェビ(韓国式のすいとん/수제비)]]を掛け合わせた料理。西門市場(서문시장)の名物料理である。 |
*ウドンプルコギ | *ウドンプルコギ | ||
[[ファイル:17081408.JPG|thumb|300px|ウドンプルコギ]] | [[ファイル:17081408.JPG|thumb|300px|ウドンプルコギ]] | ||
− | : | + | :大邱駅から達城公園に至る北城路(プクソンノ、북성로)一帯には、夜になると駐車場などの空いたスペースにテント屋台が出る。どの店でも[[ウドン(うどん/우동)]]と、[[テジプルコギ(豚肉の味付け焼肉/돼지불고기)]]を提供することから、両者を合わせてウドンプルコギ([[우동불고기]])と呼ぶ。屋台の発祥は1970年代からで、近隣にうどんの製麺工場があったことから名物となった。当初はウドンとともに[[テジカルビ(豚カルビ焼き/돼지갈비)]]を提供していたが、徐々に薄切りの豚肉を網焼きにするスタイルとなったという。現在は10軒ほどが営業しているが、近隣に高層アパートができることから煙や騒音が問題となり、2017年9月頃をメドに建物内への移転が進められている(八田靖史の取材記録より、2017年6月24日)。北城路は日本統治時代に日本人が多く住んでいた地域でもあり、当時の地図を見ると数軒のうどん店が存在するのを確認できる<ref>「昭和十年代大邱府本町小学校区之図」より。</ref>。 |
=== リンゴ(사과) === | === リンゴ(사과) === | ||
− | :朝鮮半島では東洋種のリンゴが古くから栽培されてきたが、19世紀後半になると大邱には宣教師らが移り住んで、自らの邸宅に西洋リンゴの木を植えた。これが20世紀初頭にかけて広まったことで、大邱はリンゴの名産地として有名になった。現在は温暖化が進んだこともあり、リンゴの主産地は[[慶尚北道の料理|慶尚北道]] | + | :朝鮮半島では東洋種のリンゴが古くから栽培されてきたが、19世紀後半になると大邱には宣教師らが移り住んで、自らの邸宅に西洋リンゴの木を植えた。これが20世紀初頭にかけて広まったことで、大邱はリンゴの名産地として有名になった。現在は温暖化が進んだこともあり、リンゴの主産地は[[慶尚北道の料理|慶尚北道]]の北部へと移っているが、東区坪広洞(トング ピョングァンドン、동구 평광동)には1935年に植えられた紅玉([[홍옥]])の木がいまも残っている。リンゴの木としては韓国でもっとも樹齢が古く、2009年には大邱市の保護樹2-24号に指定されている<ref name="apple">[http://www.daegu.go.kr/icms/cmm/fms/FileDown.do?atchFileId=FILE_000000000138225&fileSn=0 보호수 현행화자료] 、大邱市ウェブサイト(hwpファイル)、2017年8月14日閲覧</ref>。大邱市において保護樹に指定されたリンゴの木はもう1本あり、宣教師によって19世紀末に植えられた2世の木が中区東山洞(チュング トンサンドン、중구 동산동)の東山病院(동산병원)敷地内にある(保護樹1-1号、2000年指定)<ref name="apple"></ref>。 |
== 代表的な酒類・飲料 == | == 代表的な酒類・飲料 == |