30,747
回編集
(→代表的な料理) |
|||
21行目: | 21行目: | ||
*日本の影響 | *日本の影響 | ||
− | :釜山は日本との距離も近く、古くから倭館を通して交流があった。日本統治時代以降は定住する日本人も増えたことで、たくさんの日本料理も根付くに至った。中でも[[オデン(おでん/오뎅)]] | + | :釜山は日本との距離も近く、古くから倭館を通して交流があった。日本統治時代以降は定住する日本人も増えたことで、たくさんの日本料理も根付くに至った。中でも[[オデン(おでん/오뎅)]]は1920年代から広まっており、釜山は韓国における本場として扱われている。 |
== 代表的な料理 == | == 代表的な料理 == | ||
27行目: | 27行目: | ||
=== フェ(刺身/회) === | === フェ(刺身/회) === | ||
− | : | + | :フェは刺身(「[[センソンフェ(刺身/생선회)]]」の項目も参照)。韓国最大の港町である釜山にはたくさんの新鮮な魚介が水揚げされる。市内の至るところに刺身店があり、韓国最大の水産市場であるチャガルチ市場やその周辺、海雲台ビーチ、広安里ビーチといった観光地には、中でも多くの刺身店が集まる。韓国では刺身というと白身魚が中心であり、釜山においてもヒラメ([[광어]])、マダイ([[참돔]])、イシダイ([[돌돔]])、クロダイ([[감성돔]])、クロソイ([[우럭]])、スズキ([[농어]])、マハタ([[능성어]])といった魚が主流である。 |
*刺身店の密集地域 | *刺身店の密集地域 | ||
84行目: | 84行目: | ||
=== ネンチェチョッパル(冷製豚足/냉채족발) === | === ネンチェチョッパル(冷製豚足/냉채족발) === | ||
− | :ネンチェチョッパルは冷製豚足。ネンチェ([[냉채]])は冷製、チョッパル([[족발]] | + | :ネンチェチョッパルは冷製豚足。ネンチェ([[냉채]])は冷製、チョッパル([[족발]])は豚足を表す(「[[チョッパル(豚足の煮物/족발)]]」の項目も参照)。中区富平洞(중구 부평동)にて、チョッパル専門店のアレンジメニューとして発達した。薄切りにしたチョッパルをキュウリ、ニンジン、クラゲ、カニカマなどの具とともに和えた料理。タレにはカラシ、酢などが入ってさっぱりと仕上げる。 |
=== フギョムソグイ(黒ヤギの焼肉/흑염소구이) === | === フギョムソグイ(黒ヤギの焼肉/흑염소구이) === | ||
117行目: | 117行目: | ||
=== 釜山の日本料理 === | === 釜山の日本料理 === | ||
− | 1876年に釜山港が開港すると、19世紀末から20世紀にかけて大勢の日本人が釜山へと渡った。現在の釜山にはその当時の名残として日本由来の食文化が見られ、中でも代表的なものとして[[オデン(おでん/오뎅)]] | + | 1876年に釜山港が開港すると、19世紀末から20世紀にかけて大勢の日本人が釜山へと渡った。現在の釜山にはその当時の名残として日本由来の食文化が見られ、中でも代表的なものとして[[オデン(おでん/오뎅)]]があげられる。また、日本を経由して伝わった料理としてワンタン([[완당]])がある。 |
;オデン(오뎅) | ;オデン(오뎅) | ||
:オデンは、日本料理のおでんをルーツとして韓国で定着した料理。韓国では釜山が本場として知られる。詳細は[[オデン(おでん/오뎅)]]の項目を参照。 | :オデンは、日本料理のおでんをルーツとして韓国で定着した料理。韓国では釜山が本場として知られる。詳細は[[オデン(おでん/오뎅)]]の項目を参照。 | ||
− | ; | + | ;ワンタン(완당) |
− | : | + | :ワンタンは、ワンタン。発音としてはワンダンが近い。本来は中国にルーツのある料理だが、釜山へは日本を経由して伝わった。西区芙蓉洞(서구 부용동)に位置する「元祖18番ワンタン(원조18번완당)」が元祖店として知られ、初代のイ・ウンジュル(이은줄)氏は日本でワンタンの製法を学び、1947年に釜山で店を開いた<ref>[http://busan.grandculture.net/Contents?local=busan&dataType=01&contents_id=GC04210180 원조 18번 완당] 、釜山歴史文化大典、2017年11月6日閲覧</ref>。 |
*エピソード | *エピソード | ||
− | : | + | :韓食ペディアの執筆者である八田靖史は1999年11月に初めて釜山でワンタンを食べた際、同行した韓国人の友人から「日本料理のワンタン」と説明されてたいへん困惑した。その詳細な経緯については八田靖史の著書『食の日韓論 ボクらは同じものを食べている』にも記されている<ref>八田靖史, 2016, 『食の日韓論 ボクらは同じものを食べている』, 三五館, P104-107</ref>。 |
=== 釜山の外国料理 === | === 釜山の外国料理 === | ||
135行目: | 135行目: | ||
=== サバ(고등어) === | === サバ(고등어) === | ||
*光復洞2街のコカルビ | *光復洞2街のコカルビ | ||
− | :釜山では[[コドゥンオグイ(サバ焼き/고등어구이)]] | + | :釜山では[[コドゥンオグイ(サバ焼き/고등어구이)]]を「コカルビ([[고갈비]])」と呼ぶことがある(韓国語の発音ではコガルビがより近い)。これはサバを意味するコドゥンオ([[고등어]])と、牛のあばら肉を指すカルビ([[갈비]])の合成語で、なかなか牛肉を食べられなかった時代に、サバの焼き魚をあえてカルビと呼びながら食べることで気持ちだけでも贅沢をしたという名残である。かつては中区光復洞2街(중구 광복동2가)に専門店が集まっていたが、いまは店舗数がだいぶ減少している。なお、このコカルビが転じてホッケ(イミョンス、이면수)の焼き魚をイカルビ([[고갈비]])と呼んだりもする。 |
*南浦洞6街のコドゥンオグイ | *南浦洞6街のコドゥンオグイ | ||
166行目: | 166行目: | ||
*元祖18番ワンダン(원조18번완당) | *元祖18番ワンダン(원조18번완당) | ||
− | : | + | :1947年創業のワンタン(ワンタン、[[완당]])専門店。当初は中区宝水洞にて創業したが、現在は西区芙蓉洞に店舗を構える。ワンタンのほか、ワンタンミョン(ワンタンメン、[[완당면]])、パルグクス(ざるそば、[[발국수]])、ユブチョバプ(稲荷寿司、[[유부초밥]])といったメニューも提供する。 |
*内湖冷麺(내호냉면) | *内湖冷麺(내호냉면) | ||
389行目: | 389行目: | ||
{{DEFAULTSORT:ふさんしのりようり}} | {{DEFAULTSORT:ふさんしのりようり}} | ||
[[Category:韓食ペディア]] | [[Category:韓食ペディア]] | ||
+ | *[[カルビグイ(牛カルビ焼き/갈비구이)]] | ||
+ | *[[コドゥンオグイ(サバ焼き/고등어구이)]] | ||
+ | *[[コムジャンオグイ(ヌタウナギ焼き/곰장어구이)]] | ||
+ | *[[キムパプ(海苔巻き/김밥)]] | ||
+ | *[[ナクチボックム(テナガダコ炒め/낙지볶음)]] | ||
+ | *[[ネンミョン(冷麺/냉면)]] | ||
+ | *[[テジカルビ(豚カルビ焼き/돼지갈비)]] | ||
+ | *[[テジクッパプ(豚のスープごはん/돼지국밥)]] | ||
+ | *[[トッポッキ(餅炒め/떡볶이)]] | ||
+ | *[[ミルミョン(小麦粉麺の冷麺/밀면)]] | ||
+ | *[[プルコギ(牛焼肉/불고기)]] | ||
+ | *[[ピビムパプ(ビビンバ/비빔밥)]] | ||
+ | *[[センソンフェ(刺身/생선회)]] | ||
+ | *[[スンデ(韓国式の腸詰/순대)]] | ||
+ | *[[オデン(おでん/오뎅)]] | ||
+ | *[[チョッパル(豚足の煮物/족발)]] | ||
+ | *[[カルグクス(韓国式の手打ちうどん/칼국수)]] | ||
+ | *[[トストゥ(韓国式トースト/토스트)]] | ||
+ | *[[ティギム(天ぷら/튀김)]] | ||
+ | *[[パジョン(ネギのチヂミ/파전)]] | ||
+ | *[[ホットク(蜜入りのお焼き/호떡)]] |