|
|
82行目: |
82行目: |
| | | |
| *ユッケジャンと葬礼 | | *ユッケジャンと葬礼 |
− | :韓国ではユッケジャンを葬礼の際に食べる習慣がある。ユッケジャンに入る唐辛子は、陰陽五行思想において人間に災いをもたらす鬼神を遠ざける力を持つとされ、体内に陽の気を取り込むことによって鬼神を避ける意味合いがある。ホ・ヨンマン著の漫画『食客』第8巻では、認知症を患う高齢の女性が自分の葬礼時にユッケジャンを出すため、義理の娘に作り方を教えるというエピソードが収録されている。 | + | :韓国ではユッケジャンを葬礼の際に食べる習慣がある。ユッケジャンに入る唐辛子は、陰陽五行思想において人間に災いをもたらす鬼神を遠ざける力を持つとされ、体内に陽の気を取り込むことによって鬼神を避ける意味合いがある。ホ・ヨンマン著の漫画『食客』第8巻では、認知症を患う高齢の女性が自分の葬礼時にユッケジャンを出すため、義理の娘に作り方を教えるというエピソードが収録されている<ref>ホ・ヨンマン, 2004, 『食客 第8巻』, 金栄社, P174</ref>。 |
| | | |
| + | :韓食ペディアの執筆者である八田靖史は2004年7月に初めて大邱を訪れ、大邱のテグタンは本当にあるのか検証を行った。実際にテグタンと書かれたメニューは発見できなかったものの、ユッケジャン専門店の社長からユッケジャンとテグタンの関連性について説明を聞くことができた。一連の話はメールマガジン「コリアうめーや!!第89号」に掲載されている<ref>[http://www.kansyoku-life.com/2000/02/1987.html コリアうめーや!!第89号 大邱のテグタンは本当にあるのだ!!] 、韓食生活、2017年7月5日閲覧</ref>。 |
| | | |
− | 1970年代初め、仁川市中区の製麺工場「クァンシン製麺」でネンミョン用の麺を製造していたところ、麺を押し出す穴のサイズを間違えて、普段よりも太い麺ができてしまった。捨てるのはもったいないので近隣の粉食店に持ち込み、使ってもらうことにしたところ、その麺で作った料理が意外な評判を得た。冷麺よりもシコシコと食感がよいことから、チョルミョン(しこしことした麺の意、쫄면)と名付けられ、これが周囲にも広まって現在は仁川の郷土料理となった。
| + | == 地域 == |
− | *本場の冷麺を食べに | + | *大邱市 |
− | :韓食ペディアの執筆者である八田靖史は2015年4月に初めて北朝鮮を訪れ、本場の平壌冷麺と咸興冷麺をそれぞれ現地で食べた。その感動はひとしおであり、これまでに食べたどのネンミョンよりも美味しかったと確信している。 | + | :大邱市が選定する10大料理の「大邱10味」の筆頭に大邱ユッケジャンがあげられている。この大邱ユッケジャンには派生したタロクッパプも含まれており、1946年創業の「クギルタロクッパプ(クギルタロクッパプ)」、1948年創業の「イェッチプ食堂(옛집식당)」をはじめ、「チンコルモク食堂(진골목식당)」、「ポングルポングル食堂(벙글벙글식당)」、「ハニル食堂(한일식당)」といった有名店がある。 |
| | | |
− | == 地域 ==
| + | *済州道 |
− | *ソウル市
| + | :郷土料理のひとつにコサリユッケジャン(豚肉とワラビのスープ、[[고사리육개장]])がある。 |
− | :ソウルには平壌冷麺の老舗店が各地に点在している。1946年創業の「又来屋(우래옥)」を筆頭に、1948年創業の「江西麺屋(강서면옥)」、1950年創業の「平来屋(평래옥)」などがある。
| |
− | *ソウル市中区五壮洞
| |
− | :咸興冷麺の専門店が3軒集まっている。1953年創業の「五壮洞興南家(오장동흥남집)」がもっとも古く、1954年創業の「五壮洞咸興冷麺(오장동함흥냉면)」、1980年創業の「五壮洞新昌麺屋(오장동 신창면옥)」と続く。
| |
− | *仁川市中区花平洞 | |
− | :大きなステンレスの器に大盛りの冷麺を盛り付けたセスッテヤネンミョン(洗面器冷麺、[[세숫대야냉면]])の専門店が立ち並んでいる。 | |
− | *京畿道楊平郡玉泉面
| |
− | [[ファイル:17020509.JPG|thumb|300px|玉泉冷麺]]
| |
− | :豚肉を煮込んだスープの冷麺が有名。地域名にちなんで玉泉冷麺(オクチョンネンミョン、[[옥천냉면]])と呼ばれる。もともとは黄海道海州市の出身者が広めた。冷麺とともにコギワンジャ(肉団子、[[고기완자]])を注文するのが定番。玉泉面玉泉里にある1952年創業の「玉泉冷麺(옥천냉면)」が元祖として知られる。
| |
− | *大田市儒城区新城洞
| |
− | :新城洞の旧称はスッコル(炭谷の意)であり、この地域で作られる平壌式のネンミョンはスッコルネンミョン(숯골냉면)と呼ばれる。朝鮮戦争時に平壌から避難してきた人たちが、この地域に住み着いて作り始めた。そば粉の比率が高い麺と、鶏ダシに[[トンチミ(大根の水キムチ/동치미)]]の汁を加えたスープが特徴。大田の6種類ある名物料理「大田6味」のひとつに数えられる。
| |
− | *慶尚南道晋州市
| |
− | [[ファイル:17020510.JPG|thumb|300px|晋州冷麺]]
| |
− | :晋州は平壌、咸興と並ぶネンミョンの本場とされ、この地域で作られるネンミョンを晋州冷麺(チンジュネンミョン、[[진주냉면]])と呼ぶ。タコやムール貝、干しダラなどでとった魚介スープに、そば粉とサツマイモのでんぷんで作った麺を入れ、具には細切りにしたユッチョン(牛肉のチヂミ、[[육전]])を載せるのが特徴。二峴洞に位置する「ハヨノク(하연옥)」が有名。
| |
− | *平壌市
| |
− | :平壌冷麺の本場であり、1960年創業の「玉流館(옥류관)」を筆頭に、「清流館(청류관)」、「ヘダンファ館(해당화관)」、「平壌麺屋(평양면옥)」といった有名専門店がある。また外国人も多く宿泊する「高麗ホテル(고려호텔)」1階レストランも有名。
| |
− | *咸鏡南道咸興市
| |
− | :咸興冷麺の本場であり、専門店としては「新興館(신흥관)」が有名。平壌にも支店がある。
| |
| | | |
| == 飲食店情報 == | | == 飲食店情報 == |