「ユッケジャン(牛肉の辛いスープ/육개장)」の版間の差分

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*『閨壼要覧』(1896年)の記述
 
*『閨壼要覧』(1896年)の記述
:延世大学が所蔵する『閨壼要覧』にユッケジャンの調理法が書かれている。後述の『是議全書』の発刊年代は1800年代末と推定されており、年代のはっきりした文献としてはこれがユッケジャンの初出である。ただし、料理名はユッケジョン(육개졍)となっている。本書ではその調理法について、「肉を薄く切り醤油とともに水を多く注いで煮込み、薄切りの肉が煮えてとろとろになったら野菜を入れて火を通しコショウを入れる。これはお客様への料理にもよく、また昼食にごはんを炊いてスープと混ぜても食べる」(原文1)と紹介している<ref>[http://www.koreantk.net/ktkp2014/kfood/kfood-view.view?foodCd=104901 육개장] 、韓国伝統知識ポータル、2017年7月5日閲覧</ref>。
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:延世大学が所蔵する『閨壼要覧』にユッケジャンの調理法が書かれている。後述の『是議全書』の発刊年代は1800年代末と推定されており、年代のはっきりした文献としてはこれがユッケジャンの初出である。本書ではその調理法について、「肉を薄く切り醤油とともに水を多く注いで煮込み、薄切りの肉が煮えてとろとろになったら野菜を入れて火を通しコショウを入れる。これはお客様への料理にもよく、また昼食にごはんを炊いてスープと混ぜても食べる」(原文1)と紹介している。
  
::【原文1】
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::【原文1】「고기를 얇게 썰어 간장과 함께 물을 많이 붓고 끓이되 썰어 놓은 고기가 푹 익어 고기 점이 풀어지도록 끓인 후 야채를 넣어 익히고 후춧가루를 넣는다. 이것을 하면 손님 밥상에도 떠 놓고 또 점심에도 밥을 잘 지어 국에 말아 먹는다.」<ref>[http://www.koreantk.net/ktkp2014/kfood/kfood-view.view?foodCd=104901 육개장] 、韓国伝統知識ポータル、2017年7月5日閲覧</ref>
::*原文:◯고기을 ■치 쎨어 장물 너어 물을 만이 붓고 리되 쎨어넌 고기가 농슉키 니거 고기 졈이 어지도록 리고 죵지 좌입너코 굴림치고 후 초 갈우 넌느이라 ◯ 니건면 손님 밥상의도 노코  졈심의도 밥을  지여 국 말아 먹이라
 
::*翻訳文:고기를 얇게 썰어 간장과 함께 물을 많이 붓고 끓이되 썰어 놓은 고기가 푹 익어 고기 점이 풀어지도록 끓인 후 야채를 넣어 익히고 후춧가루를 넣는다. 이것을 하면 손님 밥상에도 떠 놓고 또 점심에도 밥을 잘 지어 국에 말아 먹는다.
 
  
 
*『是議全書』(1800年代末)の記述
 
*『是議全書』(1800年代末)の記述
:17世紀末から18世紀初めにかけて洪萬選(1643~1715年)が編纂した『山林経済』には、「木麦麺法」として木製の押し出し機で作るそば麺の製法が次のように紹介されている。「粉にしたそばに水をかけて殻を取り、布の上に広げて天日で干し、そば粉1斗を準備する。皮をむいた緑豆2升を普通のやり方で粉にする。細い製麺機で押し出して白い麺を作ると味がよい。または細かくひいたそば粉に水をよく混ぜて生地を作り、包丁で切ってもよい」(原文1)。この時代にはすでに押し出し式で作る麺が普及していることがわかる。
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:1800年代後半に書かれた『是議全書』(原著者不詳)の湯部という項目にはユッケジャンの調理法が紹介されている。「牛肉、頬肉、熱湯でゆがいた肺、腸、ミノ(第1胃)、アワビ、ナマコを入れ、水を多めに注いで柔らかく煮て取り出す。肉は裂き、ほかはすべて短冊に切り、長ネギとセリはさっとゆがいて切っておく。薬味ダレを入れ、油と醤油で味付けをして煮込む。肉団子も入れ、卵も薄焼きにしてひし型に切って上に載せる。コンユッケジャンにカラシを添えても酒の肴によい」(原文1)と記述されている。なお、最後のコンユッケジャン(건육개장)がどのようなものか不明であるが、コンが「乾」であるならば、汁なしで具だけのユッケジャンではないかと推測できる。
  
::【原文1】「木麥取米作末,水飛鋪布上晒乾一斗,去皮菉豆二升作末如常法,細板壓作白麵味勝,或作末搜水刀切作麫亦佳」<ref>[http://www.koreantk.com/ktkp2014/kfood/kfood-view.view?foodCd=103749 메밀국수] 、한국전통지식포탈、2017年2月4日閲覧</ref>
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::【原文2】「쇠고기, 흘떼기, 뜨거운 물에 데친 부아, 창자, 양, 전복, 해삼을 넣고 물을 많이 부어 무르게 삶아 건진다. 고기는 찢고 다른 것은 모두 골패처럼 썰고 파와 미나리는 살짝 데쳐 잘라 넣는다. 갖은 양념을 넣고 기름장으로 간을 맞추어 끓인다. 완자도 넣고 달걀도 얇게 부쳐 비스듬한 네모 모양으로 썰어 위에 얹는다. 건육개장에 겨자를 곁들이면 술안주로 좋다.」<ref>[http://www.koreantk.net/ktkp2014/kfood/kfood-view.view?foodCd=104901 육개장] 、韓国伝統知識ポータル、2017年7月5日閲覧</ref>
 
 
*『東国歳時記』(1849年)の記述
 
:洪錫謨によって1849年に書かれた『東国歳時記』には、当時の歳時風俗が月ごとにまとめられており、11月の項目にはネンミョンに関する記述がある。文献上におけるネンミョンの記録はこれが初出とされる。「そば麺を大根キムチや白菜キムチを加え、豚肉と和えたものを冷麺と呼ぶ。また、いろいろな野菜や梨、栗、牛肉、豚肉と、油と醤油をそば麺に入れたものを骨董麺と呼ぶ。冷麺は関西地方のものがもっともよい」(原文2)と書かれており、冷麺が冬の季節料理であったことに加え、現在のピビムネンミョンに相当する骨董麺([[골동면]])の存在も見てとれる。もっともよいと書かれた関西地方は、現在の平壌あたりを指すもので、この時代から平壌冷麺の評判が高かったことを示す。
 
 
 
::【原文2】「用蕎麥麵 沈菁菹菹 和猪肉 名曰冷麵 又和雜菜梨栗牛猪切肉 油醬於麵 名曰骨董麵 關西之麵最良」<ref>최대림(약), 1989, 『동국세시기』, 홍신문화사, P121</ref>
 
 
 
*『是議全書』(1800年代後半)の記述
 
:1800年代後半に書かれた『是議全書』(原著者不詳)の麺部という項目にはネンミョン(原文では令麺)、ピビムネンミョン(原文では汨董麺、부븸국슈)、チャンクッネンミョン(原文では장국냉면、肉スープの冷麺を意味する)の調理法が紹介されている。それぞれの記述は以下の通りである。
 
#ネンミョン「澄んでさっぱりとしたナバッキムチ(ダイコンを薄く切り多目の塩水でつけたキムチ、[[나박김치]])や、よくできた[[トンチミ(大根の水キムチ/동치미)]]の汁に蜂蜜を足し、麺を入れて味わう。上には牛肩バラ肉、梨、丸ごと漬けた白菜キムチの3種をすべて千切りにして載せ、粉唐辛子と松の実を振る」(原文3)
 
#ピビムネンミョン「牛肉は細かく刻んだ後、薬味ダレに漬けて炒め、緑豆モヤシとセリは下茹でする。ムク(緑豆などのでんぷんを固めたもの、[[묵]])を和え、薬味ダレを整えておき、麺を混ぜて器に盛り付ける。上には肉を炒めたものと、粉唐辛子と、すりごまを振りかけるが、食卓に供する際には澄まし汁を一緒に置く」(原文4)
 
#チャンクッネンミョン「肉の澄まし汁を冷やして麺を加える。上には塩でさっと漬けてキュウリを洗って絞り、さっと炒めてすりゴマ、粉唐辛子、油、醤油で和えて、細切りにした牛肩バラ肉と一緒に混ぜて載せる。また、その上には糸唐辛子、イワタケ、錦糸卵を載せる。エホバク(カボチャの未熟果実、[[애호박]])もキュウリと同じく炒める」(原文5)
 
 
 
::【原文3】「청신한 나박김치나 좋은 동침이 국에 꿀을 넣어 말아 먹는다. 위에는 양지머리·배·좋은 통김치 세 가지를  모두 채쳐서 얹고 고춧가루와 잣을 뿌린다.」
 
::【原文4】「쇠고기는 다진 후 양념에 재워서 볶고, 숙주와 미나리는 삶는다. 묵을 무치고 양념을 갖추어 넣고, 국수를 비벼 그릇에 담는다. 위에는 고기 볶은 것과 고춧가루와 깨소금을 뿌리는데 상에 낼 때에는 장국을 함께 놓는다.」
 
::【原文5】「고기장국을 끓여 싸늘하게 식혀서 국수를 만다. 위에는 외를 채쳐 소금에 잠깐 절였다가 헹구어 짠 다음에 살짝 볶아 깨소금·고춧가루·유장에 무치고 양지머리 채 친 것을 같이 섞어 얹는다. 또 그 위에는 실고추·석이·달걀 부친 것을 채쳐서 얹는다. 호박도 외와 같이 볶는다.」<ref>이효지 외(엮음), 2004,『시의전서』, 신광출판사, P187</ref>
 
  
 
*『婦人必知』(1915年)の記述
 
*『婦人必知』(1915年)の記述
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