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'''タッカルビ'''([[닭갈비]])は、鶏肉と野菜を甘辛いタレと絡めて鉄板で炒めた料理。 | '''タッカルビ'''([[닭갈비]])は、鶏肉と野菜を甘辛いタレと絡めて鉄板で炒めた料理。 | ||
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+ | [[ファイル:17032301.JPG|thumb|400px|タッカルビ]] | ||
== 名称 == | == 名称 == | ||
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== 概要 == | == 概要 == | ||
+ | [[ファイル:17032302.JPG|thumb|300px|タッカルビのトッピング]] | ||
+ | [[ファイル:17032303.JPG|thumb|300px|タッカルビの後に作ったポックムパプ]] | ||
タッカルビはぶつ切りにした鶏肉と、キャベツ、ニンジン、サツマイモなどの野菜を甘辛いタレと絡めて炒めた料理。鶏肉は主をにモモ肉が使われる。店によって一緒に炒める具材はさまざまであり、タマネギ、長ネギ、エゴマの葉といった野菜に始まり、タンミョン(春雨、[[당면]])、チョルミョン(でんぷん麺、[[쫄면]])、うどん、餅、スライスチーズ、テナガダコなどの魚介類まで多岐に渡る。またこれらをサリ([[사리]])と呼ばれるトッピングとして選べる専門店も多い。専門店では円形の平たく大きな鉄板を用意し、注文を受けて客席で調理をするスタイルが多いが、店や地域によって鉄鍋を用いる場合もある。タッカルビをひとしきり味わった後は、少量残したところへごはんやうどんなどを投入し、炒めて食べるのも定番である。韓国では専門店で味わう料理だが、日本では韓国家庭料理店などでも提供される。 | タッカルビはぶつ切りにした鶏肉と、キャベツ、ニンジン、サツマイモなどの野菜を甘辛いタレと絡めて炒めた料理。鶏肉は主をにモモ肉が使われる。店によって一緒に炒める具材はさまざまであり、タマネギ、長ネギ、エゴマの葉といった野菜に始まり、タンミョン(春雨、[[당면]])、チョルミョン(でんぷん麺、[[쫄면]])、うどん、餅、スライスチーズ、テナガダコなどの魚介類まで多岐に渡る。またこれらをサリ([[사리]])と呼ばれるトッピングとして選べる専門店も多い。専門店では円形の平たく大きな鉄板を用意し、注文を受けて客席で調理をするスタイルが多いが、店や地域によって鉄鍋を用いる場合もある。タッカルビをひとしきり味わった後は、少量残したところへごはんやうどんなどを投入し、炒めて食べるのも定番である。韓国では専門店で味わう料理だが、日本では韓国家庭料理店などでも提供される。 | ||
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==== 江原道春川市の事例 ==== | ==== 江原道春川市の事例 ==== | ||
+ | [[ファイル:17032304.JPG|thumb|300px|春川の明洞タッカルビ通り]] | ||
*江原道春川市の調査 | *江原道春川市の調査 | ||
:タッカルビの発祥地を自認し、市内にも専門店を多数有する春川市は2003~4年に発祥の経緯を調査し、以下のように公式的な発表をしている。 | :タッカルビの発祥地を自認し、市内にも専門店を多数有する春川市は2003~4年に発祥の経緯を調査し、以下のように公式的な発表をしている。 | ||
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*オクスタッカルビの事例 | *オクスタッカルビの事例 | ||
+ | [[ファイル:17032305.JPG|thumb|300px|2003年に撮影した「オクスタッカルビ」の外観]] | ||
:店主によれば自店が洪川では初めてタッカルビを提供し、創業当初はドラム缶に練炭を使った方式だったという。また、創業当初は地元客のみならず行楽客でも賑わったが、1975年に嶺東高速道路が東海岸まで伸びると、客足が鈍ったと語っている。(八田靖史の取材記録より、2003年1月14日) | :店主によれば自店が洪川では初めてタッカルビを提供し、創業当初はドラム缶に練炭を使った方式だったという。また、創業当初は地元客のみならず行楽客でも賑わったが、1975年に嶺東高速道路が東海岸まで伸びると、客足が鈍ったと語っている。(八田靖史の取材記録より、2003年1月14日) | ||
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*ファン・ギョイクの報告 | *ファン・ギョイクの報告 | ||
:前掲書の中で、タッカルビの歴史についても時代ごとの考察をしており、1960年代については前述した内容とほぼ共通する。1970年代以降について、以下に引用する。 | :前掲書の中で、タッカルビの歴史についても時代ごとの考察をしており、1960年代については前述した内容とほぼ共通する。1970年代以降について、以下に引用する。 | ||
+ | [[ファイル:17032306.JPG|thumb|300px|網焼きのタッカルビ(タップルコギ)]] | ||
:「70年代初めまでのタップルコギは、今のタッカルビとは違ってドラム缶の中に練炭を入れ、その上に焼き網を載せて味付けをした鶏肉を焼いて食べた」「70年代の中盤を過ぎ、ドラム缶の上から焼き網が消え鉄板が上がった。 それと共に野菜と餅が入り始め、肉を食べた後にごはんや麺を加えて食べるようになった」「80年代に入ると、タッカルビの人気はまさに爆発的だった。 特にテレビの『味に沿って道に沿って』のような番組に紹介されてからは、春川における古くからの郷土料理であるマッククスに次ぐ名声を得始めた」(原文3)<ref name="kyakucyu03" /> | :「70年代初めまでのタップルコギは、今のタッカルビとは違ってドラム缶の中に練炭を入れ、その上に焼き網を載せて味付けをした鶏肉を焼いて食べた」「70年代の中盤を過ぎ、ドラム缶の上から焼き網が消え鉄板が上がった。 それと共に野菜と餅が入り始め、肉を食べた後にごはんや麺を加えて食べるようになった」「80年代に入ると、タッカルビの人気はまさに爆発的だった。 特にテレビの『味に沿って道に沿って』のような番組に紹介されてからは、春川における古くからの郷土料理であるマッククスに次ぐ名声を得始めた」(原文3)<ref name="kyakucyu03" /> | ||
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=== 調理法のバリエーション === | === 調理法のバリエーション === | ||
+ | [[ファイル:17032307.JPG|thumb|300px|クンムルタッカルビ]] | ||
煮る、焼くといった調理法のタッカルビは、2010年代に入ってソウルを中心に増加の傾向を示している。 | 煮る、焼くといった調理法のタッカルビは、2010年代に入ってソウルを中心に増加の傾向を示している。 | ||
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== 日本における定着 == | == 日本における定着 == | ||
+ | [[ファイル:17032308.jpg|thumb|300px|2002年に市販されたタッカルビの素]] | ||
90年代に韓国で流行したのを受け、90年代後半から2000年代の初めにかけて、日本にもタッカルビが持ち込まれた。中でも2000~01年にかけては専門店がオープンしたり、ファミリーレストランの「デニーズ」がメニューに加えるなど、ブームの様相を呈した。このとき、タッカルビでなく「ダッカルビ」との表記も多く使われたため、現在でもダッカルビと表記するケースは多い。 | 90年代に韓国で流行したのを受け、90年代後半から2000年代の初めにかけて、日本にもタッカルビが持ち込まれた。中でも2000~01年にかけては専門店がオープンしたり、ファミリーレストランの「デニーズ」がメニューに加えるなど、ブームの様相を呈した。このとき、タッカルビでなく「ダッカルビ」との表記も多く使われたため、現在でもダッカルビと表記するケースは多い。 | ||
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=== チーズタッカルビのブーム === | === チーズタッカルビのブーム === | ||
+ | [[ファイル:17032309.JPG|thumb|300px|チーズタッカルビ]] | ||
*東京、新大久保では2015年夏頃からピザ用のシュレッドチーズを溶かして絡めるチーズタッカルビが登場し、これが2016年に入って人気を獲得。提供店舗が増えるとともに、他地域にも広がって大きなブームとなった。2016年の下半期からはテレビなどのメディアでも取り上げられ、2017年に入ってもさらにブームが拡大している。 | *東京、新大久保では2015年夏頃からピザ用のシュレッドチーズを溶かして絡めるチーズタッカルビが登場し、これが2016年に入って人気を獲得。提供店舗が増えるとともに、他地域にも広がって大きなブームとなった。2016年の下半期からはテレビなどのメディアでも取り上げられ、2017年に入ってもさらにブームが拡大している。 | ||
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== 地域 == | == 地域 == | ||
+ | [[ファイル:17032310.JPG|thumb|300px|ファンギタッカルビ]] | ||
*江原道春川市 | *江原道春川市 | ||
:全国的にタッカルビ発祥の地として有名。明洞や楽園洞、江原大学の周辺などにタッカルビの専門店通りがある。 | :全国的にタッカルビ発祥の地として有名。明洞や楽園洞、江原大学の周辺などにタッカルビの専門店通りがある。 |