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:17世紀末から18世紀初めにかけて洪萬選(1643~1715年)が編纂した『山林経済』には、「木麦麺法」として木製の押し出し機で作るそば麺の製法が次のように紹介されている。「粉にしたそばに水をかけて殻を取り、布の上に広げて天日で干し、そば粉1斗を準備する。皮をむいた緑豆2升を普通のやり方で粉にする。細い製麺機で押し出して白い麺を作ると味がよい。または細かくひいたそば粉に水をよく混ぜて生地を作り、包丁で切ってもよい」(原文1)。この時代にはすでに押し出し式で作る麺が普及していることがわかる。 | :17世紀末から18世紀初めにかけて洪萬選(1643~1715年)が編纂した『山林経済』には、「木麦麺法」として木製の押し出し機で作るそば麺の製法が次のように紹介されている。「粉にしたそばに水をかけて殻を取り、布の上に広げて天日で干し、そば粉1斗を準備する。皮をむいた緑豆2升を普通のやり方で粉にする。細い製麺機で押し出して白い麺を作ると味がよい。または細かくひいたそば粉に水をよく混ぜて生地を作り、包丁で切ってもよい」(原文1)。この時代にはすでに押し出し式で作る麺が普及していることがわかる。 | ||
− | ::【原文1】「木麥取米作末,水飛鋪布上晒乾一斗,去皮菉豆二升作末如常法,細板壓作白麵味勝,或作末搜水刀切作麫亦佳」<ref>[http://www.koreantk.com/ktkp2014/kfood/kfood-view.view?foodCd=103749 메밀국수] 、한국전통지식포탈、2017年2月4日閲覧</ref> | + | ::【原文1】「木麥取米作末,水飛鋪布上晒乾一斗,去皮菉豆二升作末如常法,細板壓作白麵味勝,或作末搜水刀切作麫亦佳」<ref>[http://www.koreantk.com/ktkp2014/kfood/kfood-view.view?foodCd=103749 메밀국수] 、한국전통지식포탈、2017年2月4日閲覧</ref> |
*『東国歳時記』(1849年)の記述 | *『東国歳時記』(1849年)の記述 | ||
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*釜山におけるミルミョンの誕生 | *釜山におけるミルミョンの誕生 | ||
− | :朝鮮戦争によって多くの人が釜山へと避難した。休戦後もそのまま釜山に留まった人たちは多く、釜山では北部地域の出身者が当時、米軍からの救援物資などで入手のしやすかった小麦粉を用いてネンミョンを作った。これを[[ミルミョン(小麦粉麺の冷麺/밀면)]] | + | :朝鮮戦争によって多くの人が釜山へと避難した。休戦後もそのまま釜山に留まった人たちは多く、釜山では北部地域の出身者が当時、米軍からの救援物資などで入手のしやすかった小麦粉を用いてネンミョンを作った。これを[[ミルミョン(小麦粉麺の冷麺/밀면)]]と呼び、現在は釜山では郷土料理として親しまれている。その発祥は諸説あるが、1953年に釜山の牛巌洞でオープンした「内湖冷麺(내호냉면)」が元祖格として知られる。 |
== 種類 == | == 種類 == | ||
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*咸鏡南道咸興市 | *咸鏡南道咸興市 | ||
:咸興冷麺の本場であり、専門店としては「新興館(신흥관)」が有名。平壌にも支店がある。 | :咸興冷麺の本場であり、専門店としては「新興館(신흥관)」が有名。平壌にも支店がある。 | ||
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+ | == 飲食店情報 == | ||
+ | 以下は韓食ペディアの執筆者である八田靖史が実際に訪れた店を列挙している。 | ||
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+ | <ソウル・平壌冷麺> | ||
+ | *南浦麺屋(남포면옥) | ||
+ | :住所:ソウル市中区乙支路3キル24(茶洞121-4) | ||
+ | :住所:서울시 중구 을지로3길 24(다동 121-4) | ||
+ | :電話:02-777-3131 | ||
+ | :備考:1965年創業の平壌冷麺店。自家製のトンチミが自慢 | ||
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+ | *又来屋(우래옥) | ||
+ | :住所:ソウル市中区昌慶宮路62-29(舟橋洞118-1) | ||
+ | :住所:서울시 중구 창경궁로 62-29(주교동 118-1) | ||
+ | :電話:02-2265-0151 | ||
+ | :備考:1945年創業の平壌冷麺店。韓国ではもっとも古い | ||
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+ | *乙密台(을밀대) | ||
+ | :住所:ソウル市麻浦区崇文キル24(塩里洞147-6) | ||
+ | :住所:서울시 마포구 숭문길 24(염리동 147-6) | ||
+ | :電話:02-717-1922 | ||
+ | :備考:1966年創業の平壌冷麺店。他店に比べて太麺が特徴 | ||
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+ | *乙支麺屋(을지면옥) | ||
+ | :住所:ソウル市中区忠武路14キル2-1(笠井洞161) | ||
+ | :住所:서울시 중구 충무로14길 2-1(입정동 161) | ||
+ | :電話:02-2274-6863 | ||
+ | :備考:1985年創業の平壌冷麺店。議政府平壌冷麺の系列 | ||
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+ | *平来屋(평래옥) | ||
+ | :住所:ソウル市中区マルンネ路21-1(苧洞2街18-1) | ||
+ | :住所:서울시 중구 마른내로 21-1(저동2가 18-1) | ||
+ | :電話:02-2267-5892 | ||
+ | :備考:1950年創業の平壌冷麺店。牛肉にキジ肉を加えたスープが特徴 | ||
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+ | *平壌麺屋(평양면옥) | ||
+ | :住所:ソウル市中区奨忠壇路207(奨忠洞1街26-14) | ||
+ | :住所:서울시 중구 장충단로 207(장충동1가 26-14) | ||
+ | :電話:02-2267-7784 | ||
+ | :備考:1985年創業の平壌冷麺店。店内で製粉も行う | ||
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+ | *筆洞麺屋(필동면옥) | ||
+ | :住所:ソウル市中区西崖路26(筆洞3街1-5) | ||
+ | :住所:서울시 중구 서애로 26(필동3가 1-5) | ||
+ | :電話:02-2266-2611 | ||
+ | :備考:1985年創業の平壌冷麺店。議政府平壌冷麺の系列 | ||
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+ | <ソウル・咸興冷麺> | ||
+ | *五壮洞興南チプ(오장동 흥남집) | ||
+ | :住所:ソウル市中区マルンネ路114(五壮洞101-7) | ||
+ | :住所:서울시 중구 마른내로 114(오장동 101-7) | ||
+ | :電話:02-2266-0735 | ||
+ | :備考:1953年創業の咸興冷麺店。咸興冷麺店としてはもっとも古い | ||
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+ | *五壮洞新昌麺屋(오장동 신창면옥) | ||
+ | :住所:ソウル市中区マルンネ路106(五壮洞90-8) | ||
+ | :住所:서울시 중구 마른내로 106(오장동 90-8) | ||
+ | :電話:02-2273-4889 | ||
+ | :備考:1978年創業の咸興冷麺店。五壮洞咸興冷麺の料理長が独立して開店 | ||
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+ | *五壮洞咸興冷麺(오장동함흥냉면) | ||
+ | :住所:ソウル市中区マルンネ路108(五壮洞90-10) | ||
+ | :住所:서울시 중구 마른내로 108(오장동 90-10) | ||
+ | :電話:02-2267-9500 | ||
+ | :備考:1954年創業の咸興冷麺店。咸興冷麺としても麺のコシが強い | ||
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+ | <地方> | ||
+ | *西部冷麺(서부냉면) | ||
+ | :住所:慶尚北道栄州市豊基邑人参路3番キル26(西部里132-2) | ||
+ | :住所:경상북도 영주시 풍기읍 인삼로3번길 26(서부리 132-2) | ||
+ | :電話:054-636-2457 | ||
+ | :備考:1973年創業の平壌冷麺店 | ||
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+ | *玉泉冷麺本店(옥천냉면 본점) | ||
+ | :住所:京畿道楊平郡玉泉面古邑路136(玉泉里760) | ||
+ | :住所:경기도 양평군 옥천면 고읍로 136(옥천리 760) | ||
+ | :電話:031-772-9693 | ||
+ | :備考:1952年創業の玉泉冷麺店。黄海道式の冷麺を定着させた | ||
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+ | *元山麺屋(원산면옥) | ||
+ | :住所:釜山市中区光復路56-8(昌善洞1街37-1) | ||
+ | :住所:부산시 중구 광복로 56-8(창선동1가 37-1) | ||
+ | :電話:051-245-2310 | ||
+ | :備考:1953年創業の平壌冷麺店。南浦洞の繁華街に位置 | ||
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+ | *ハヨノク(하연옥) | ||
+ | :住所:慶尚南道晋州市晋州大路1317-20(二峴洞1191) | ||
+ | :住所:경상남도 진주시 진주대로 1317-20(이현동 1191) | ||
+ | :電話:055-741-0525 | ||
+ | :備考:1945年創業の晋州冷麺店。晋州冷麺の元祖店として知られる | ||
== 脚注 == | == 脚注 == |