とにかくパフォーマンスに命をかける韓国料理店。
美味しいとか、ボリュームたっぷりとか、飲み物豊富とか、
そういった普通の褒め言葉がすべて無駄になる店。
それらをごくごく当たり前のようにクリアしつつ、
そこからお客さんを、どう楽しませるかが本当の勝負。
そんな粋なお父さんがいる日夜ダミ声を張り上げる店です。
丸ごと1尾出てくるキンメダイの刺身。
要予約ではありますが、とにかく座が盛り上がります。
ただし、全員が揃うまで出してもらえませんので、
「遅刻厳禁!」
と幹事さんはメンバーに伝えておくこと。
早くテーブルに運んで驚かせたいお父さんとの、
微妙な心理戦が、幹事との間で繰り広げられます。
「もう揃った? まだ?」
「あ、すいません。もうちょっとかかります……」
「もうそろそろかな?」
「えーと、向かっている最中なんですが……」
「もう来るころでしょ」
「えーと……」
イイダコの炒め物が絶妙の甘辛さだったり。
チャプチェ(春雨炒め)がいい感じの甘こってりだったり。
スンドゥブチゲ(柔らかい豆腐の鍋)がほどよい辛さとコクだったり。
どれも普通の店だったら、充分すぎるほど魅力的。
でも、これらをついつい流してしまうのは、
冒頭で出てきたキンメダイの刺身が迫力ありすぎるのと……。
1メートルのソーセージが入ったプデチゲ(ソーセージ鍋)。
などという驚愕のメニューがどっさりだからです。
わざわざスープの中に沈めておいたものを、
全員の注目を集めてから、引きずり出すというパフォーマンス。
テーブル全体どころか、店全体が釘付けになります。
後は下からハサミでカットし、食べやすい大きさに。
その一部始終を鑑賞するのが、この店における最高の喜びです。
後入れシコシコで、ラーメンを入れるなど。
そもそものクオリティも充分なんですけどね。
「美味しかったね!」
という褒め言葉を忘れ、ついつい、
「楽しかったね!」
といいながら帰ってしまう店。
それもすべてお父さんのサービス精神によるものです。
ちなみに冒頭の写真、キンメダイの頭は鍋になります。
刺身を食べた後のアラでつくるメウンタン(アラ鍋)。
赤羽の夜はいつも大盛り上がりのままふけてゆきます。
店名:松花(そんふぁ)
住所:東京都北区志茂2-48-10
電話:03-3902-1115
営業:11:30~14:00、17:00~22:00
定休:水曜日、第3火曜日
<過去の関連日記>
(07月07日)赤羽「松花」で牛スジビビンバ。
▲(2007年)
▼(2008年)
(02月24日)赤羽「松花」で北区オフ会。
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