夜が更けてなお燦然と輝く白亜の城。
白金高輪の「高矢禮」にはじめて客として行きました。
これまでオープン時のレセプションに1回、
取材で2回足を運びましたが、プライベートはゼロ。
友人の結婚式がこの「高矢禮」で行われ、
そこに招待頂いたので、初めて念願が叶いました。
「高矢禮」の料理をやっと温かい状態で食べられる。
どうしても取材だと写真を撮った後に頂くので、
せっかく作ってても、すっかり冷めているのが常です。
この日、用意されたのは「結婚特別床」というコース。
1階の大きなフロアを関係者で貸し切っていました。
写真は前菜の一部、白菜、キュウリ、大根のキムチと、
モヤシ、ホウレンソウ、山クラゲのナムルです。
山クラゲのナムルというのが珍しいですが、それを巡って……。
「これ何ですかね?」
「サトイモの茎?」
「キキョウの根じゃない?」
「いや歯触りが違うような……」
という会話があったり。
店員さんに聞いて、山クラゲと判明した後も、
「なんだ、山クラゲかぁ!」
「で、山クラゲって何?」
「んー、居酒屋でよく見るよね……なんだっけ?」
と、誰も答えがわからない状況でした。
フードコラムニストとしてはそこでばしっと薀蓄を語るべきなのですが、
韓国でも食べたことがなく、ただただ沈黙するだけでした。
先ほど調べたら山クラゲ、レタスの仲間なんですね。
ステムレタスという茎を食べるレタスを乾燥させたもの。
韓国語ではチュルギサンチュと呼ばれるようです。
なるほど、ひとつ勉強になりました。
乾杯を経て、運ばれてきた1品目はお粥から。
少量のお粥を食べて、胃を目覚めさせるというのが、
韓国料理における定番の組み立てとなっています。
この日はパッチュク(アズキ粥)が登場。
冬至に食べる料理なので、冬らしい一品として、
このチョイスだったのかなと想像してみました。
韓国で食べるパッチュクよりも砂糖が多く甘め。
後ろに見えるのはトンチミ(大根の水キムチ)です。
ビール、赤ワイン、マッコリなど思い思いの酒を飲みつつ、
料理を待っていると、運ばれてきたのは、チャプチェ(春雨炒め)。
「高矢禮」にはゴボウのチャプチェ、牛肉のチャプチェなど、
数種類のチャプチェが用意されていますが、この日は、
・チャンチチャプチェ(宴会式春雨炒め)
という名前がつけられておりました。
細長い春雨は長寿の象徴でもあり宴席には欠かせない料理。
黄白に分けた錦糸卵も飾り付けられておりました。
3色のジョン(衣焼き)。
奥からキムチ、シイタケ、カボチャのジョンです。
写真でもわかりますが、カボチャは極細の千切りでコーティング。
シイタケは肉厚なものをそのまま焼き上げておりました。
かさの裏に肉やエビのすり身をつめたりもしますが、
素材勝負をモットーとする、「高矢禮」らしい直球料理でした。
白身魚のカンジョン。
皮付きのタイを油で揚げたのち、ジャガイモなどとともに、
甘辛いタレにまぶして焼いた料理です。
クルミ、松の実なども入って豪華な感じですね。
真ん中に白キクラゲをどっさり盛り込んだプルコギ(牛焼肉)。
「高矢禮」で使っている牛肉は米沢牛……でしたっけ。
甘さ控えめのタレをつけて焼いたジューシーな牛焼肉。
表面に松の実を砕いた粉が振りかけられております。
白菜のコッチョリ(浅漬けキムチ)が出て……。
食事はトックク(韓国式の雑煮)。
ちょうどこの日の翌日が旧正月というめでたい日で、
ひと足早く、正月料理がメニューに組み込まれていました。
新郎新婦はふたりとも日本人でしたが、
ぜひ結婚記念日は旧暦で数えて欲しいものですね。
毎年、旧正月の前日(12月30日)が結婚記念日。
そうすると2倍のめでたさが毎年続くことになります。
ナツメ茶とクウントク(焼き餅)がデザート。
最後の最後まで、美味しく頂いてきました。
なかなかプライベートでは敷居の高い店だけに、
こういう特別な日に使う、という選択肢はいいですよね。
集まった方々も、特に韓国好きばかりではないので、
「ヨン様が好きな人にはスゴイ店なんですってね」
ぐらいの感じで肩に力も入っておらず、
純粋に結婚式と料理の両方を楽しんでおられた気がします。
ヨン様とはまた別の意味で肩に力の入っていた僕は、
そんな姿を見て、自分を少し反省したのでありました。
ともかくも楽しく美味しいパーティに参加できてよかったです。
ご結婚本当におめでとうございます! >結婚した方
店名:高矢禮(ごしれ)
住所:東京都港区白金1-25-19プレシーズ新館1~2階
電話:03-5795-0540
営業:11:00~15:00、17:00~23:00
定休:なし
http://gosireh.com/
<過去の関連日記>
(07月23日)白金高輪「高矢禮(ゴシレ)」記者会見。
▲(2006年)
2 Responses to 白金高輪「高矢禮」で結婚特別床。