ビッグママ(イ・ヘジョンさん)来日記者会見。

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東京、渋谷にある某料理教室にお呼ばれしてきました。
なんでも韓国から有名な料理研究家の方が来るとのこと。
日本での活動を前に、記者会見を行うとの話でした。
僕なんか呼んで頂いても記事にする媒体がないのですが、

「どうぞどうぞ」

ということだったので、ちゃっかりお邪魔してきました。
まわりはみなさん韓国関係、女性誌関係のメディアばかり。
見知った顔もいくらかあり、非常に盛況な会でした。
料理の先生ですから腕前も披露して頂けますしね。
お昼過ぎの時間帯、試食を期待して足を運んできました。

主催者側の挨拶があり、先生の簡単な紹介があり、
後は先生が手際よく料理を作りながら、もろもろの説明。
自分のことや、作っている料理のこと、あるいは韓国料理の基礎など。
いつも思うのですが、話しながら作るって技術ですよね。
なるほど、と話を聞いているうちに、あっという間に料理ができました。

冒頭の写真、春らしい一品ということでヨモギのジョン。
韓国語でいうならばスッチョンとなりますね。
小麦粉とヨモギを混ぜて、赤唐辛子、青唐辛子を追加。
生卵を加えてさっくりと混ぜ、塩を加えてフライパンで焼く。
シンプルですが、ヨモギの味わいを生かした料理です。

ちなみにこのヨモギ、先生が韓国から持ってこられたもの。
ほとんどの食材は日本に来てから揃えたようでしたが、
いくつかカギになるものは、やはり韓国産がよいようで。
料理の作り方や紹介の仕方もたいへん興味深かったですが、
個人的には食材の応用などが勉強になりましたね。

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例えば、2品目のこちらはサテピョンという料理でした。
サテというのは牛肉の部位名で、スネ肉に相当する部分。
これを茹でて薄切りにしたものをピョニュク(片肉)と呼び、
部位名と合わせて、サテピョンという料理になります。

ただ、この料理、サテとはいいつつも使用部位はアロンサテ。
サテの中からさらに細分化させた高級部位があるんです。
スネ肉よりもちょっと上に位置する筋肉の発達した赤身肉。
日本ではモモ肉の一部にカテゴライズされると思いますが、
こだわった焼肉店では稀少部位として出ているかもですね。

韓国ではユッケなどに使用する柔らかな赤身肉。
値段も高く、上質な部位として評価されております。

「それがいくら探してもないんですよ!」

と先生はおっしゃっておられましたが、
確かに日本で探すなら、なかなか難しいでしょうね。
そもそも肉の解体方法も微妙に日韓で異なりますし。
同じ後足の高級部位であるイチボあたりで代用するか……。

結局、先生は韓国でも似た用途で使用される、
牛ホホ肉を使って料理を仕上げたとのことです。
確かにホホ肉なら筋肉が発達しており適度な脂身も含みます。

あとは醤油ベースのタレで1時間煮込んで薄切りにするだけ。
中央に盛られているのは野菜と果物のカラシソース和えです。
リンゴ、ナシ、干し柿、ナツメ、イワタケ、松の実などを、
カラシ、マヨネーズ、ハチミツなどを混ぜたソースで和えています。

ちなみにここでも食材の応用が登場。

先生、日本のスーパーでクリをさがしたそうなのですが、
旬を外れているため、それも見つからなかったとのこと。
これまた味の似ている生のサツマイモを極細切りにして代用。
日本では生でサツマイモを食べる習慣はないですけどね。
韓国ではお酒のおつまみとしてよく登場します。

僕も韓国にいるころ何度か食べましたが、
確かにクリのような、トウモロコシのような甘みを感じます。
代用品として使うには、ちょうどいい一品でしょうね。
このへんの応用力というのも先生としての技術なのでしょう。

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ホバク(カボチャの未熟果)を厚さ3センチ程度に輪切りし、
塩をふってさっと焼いた、ホバックイという料理です。
小麦粉、溶き卵をつけて焼いたジョンはよく見ますけどね。
さっと焼いてヤンニョム(薬味ダレ)を乗せるという料理でした。

ちなみにこのヤンニョムには刻んだマッシュルームがたっぷり。
青唐辛子、赤唐辛子、ネギなどもみじん切りにして加え、
醤油、みりん、酒、酢、砂糖、ゴマ油などもそれぞれ適量。

「日本のフリカケなんかとは比較にならないくらい美味しいわよ!」

と先生、おっしゃっておられましたね。
確かに集まったメディア関係者からは、
ごはんに乗せて食べたい、という声も出ていました。

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ドリンクには手作りのスジョングァなども。
ショウガやシナモンなどを煮出し、
干し柿などで甘みをつけた飲み物です。

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ちなみに今回の先生はこんな方。

タイトルにも書きましたがニックネームがビッグママ。
韓国には同名の歌手グループもおりますが、
そちらとは無関係で、本名をイ・ヘジョンさんとおっしゃいます。

韓国ではテレビにもよく出る有名な料理研究家で、
料理もさることながら、話が上手なことに定評があるそうです。
この日もウィットに富んだ会話で、会場を盛り上げておられました。
残念ながら日本語はできないので、通訳の方がフル回転。
先生の話も面白かったですが、通訳の方の技術もまた見事でしたね。

この日は取材陣へのお披露目という感じでしたが、
今後はさらに日本での活動を具体化させていくとのこと。
韓国料理のすそ野がさらに広がることを期待したいと思います。



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