新大久保「ピョジュバク」でスンドゥブ&キムチチゲ。

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新大久保でもっともディープな店と呼ばれるコチラ。
店の半分が階段下で、定員12名というインパクトが、
訪れる人たちに、そういう印象を与えるのでしょう。

もちろんそのディープさは微塵も否定しませんが、
一方で、留学生たちのオアシスになっているのも事実。
新大久保でも数少ない、本格的なチゲの専門店です。

まあ、専門店というかメニューが少ないだけですけどね。

キムチチゲ
テンジャンチゲ(味噌チゲ)
スンドゥブチゲ(柔らかい豆腐のチゲ)

という3種類のほかは、チヂミとか豆腐ジョンとか。
あとは目玉焼きなども含めてせいぜい10種類程度。
そんなピンポイントさが売りでもあるお店です。

ここのチゲが好きなのでたまに足を運ぶのですが、
店の前まで行くと、こんな張り紙が出ていました。

なんと、いつの間にやら10周年ですか!

この小さな店で、これだけ続いているのはすごいですね。
しかも、そのサービスがまた豪気でチゲが1人前10円。
その脇にハングルで小さく、

「言葉が上手だったらタダ」

とも書かれています。
要は韓国語で注文できたらタダということでしょうか。
10円でもタダでも、一緒のような気もしますけどね。

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こちらの店の傾向として、韓国人はキムチチゲ、
日本人はスンドゥブチゲを頼むのだそうです。
どちらも本格的な味わいですが、キムチチゲはやや酸味が強い。
要するに本格的なキムチチゲだということなのですが、
そのあたりで好みが分かれていくのかもしれませんね。

韓国人が食べると、「ああ、この味!」となり、
日本人が食べると、「すっぱい!」となる。

韓国のチゲに慣れると酸味のあるチゲもいいんですけどね。
この日は同行した方が日本人だったということと、
スンドゥブチゲ好きな方だったので、迷わずそれで2人前注文。

出来上がって出てきたのが上の写真ですが、
この店では豆腐をもろもろと崩し、汁気を少なめに作るのが特徴。
汁をすすると、豆腐も一緒にすすられてくるので、
しばらくは口をヤケドしないように注意が必要です。

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そして、コチラの店の隠れ名物がこのごはん。
日本式の茶碗から、頭がはみ出るほどのてんこ盛り。

「たくさん食べなさい!」

というお母さんの声が聞こえてくるようです。

といった感じにモリモリとスンドゥブチゲを楽しんでいたのですが、
後から来た2組の客がいずれも韓国人でキムチチゲを注文。
しかも、1組は若いカップルでどうも海外から帰国したばかりの様子。
大きなスーツケースをゴロゴロと店の中まで運んできました。

どうやら海外旅行に出かけた留学生だったようですが、
旅行期間中から、ここのキムチチゲが食べたくて仕方なかったとか。
特に女の子のほうが、

「これよこれ!」
「田舎のおばあちゃんが作る味とそっくり!」
「どう!? 美味しいでしょ!」

と大興奮。彼氏のほうもそれにつられ……。

「うん、これはうまいな!」

とにっこり。
聞こえてくるまま、同行者にこんなこと話しているよ、
と伝えたところ、ちょうど料理を食べ終えたその人が。

「八田さん。キムチチゲも食べましょう!」

と力強く一言。
掟破りの第2ラウンドがスタートしました。

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ほどなく登場したのがこちらのキムチチゲ。
ひと通り食べた後なので、1人前だけ注文したのですが、
お母さんの好意か、しっかり2人前出てきました。
おまけにやや盛りが少ないとはいえ、ごはんも茶碗2つ。
この店の少ないは、他店の標準を意味します。

まあ、美味しいので2人ともペロッと食べたんですけどね。
しかも同行した方はキムチチゲのほうがお気に召した様子。
後日メールが来て、翌日また行ったとのことでした。

というように小さい店でもファンの非常に多い店。
10年続いているのも納得です。

ちなみに料金は10円でも、タダでもあまりに申し訳ないので、
ちょっとサービスはして頂きましたが、しっかり払ってきました。
あ、いや。同行の方に払って頂きました、ですけどね。

新大久保でもっともディープなチゲの名店。
いつまでも続いて欲しいものです。

店名:ピョジュバク
住所:東京都新宿区大久保1-16-19
電話:03-5285-1262
営業:12:00~24:00
定休:なし

※この店は『東京 本気の韓国料理店』のP46にも紹介されています。

<過去の関連日記>
(08月28日)新大久保「ピョジュバク」でスンドゥブチゲ。
▲(2006年)



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