<2014年これがうまかったベスト10!!>
「こんばんは。司会の古里柳徹子でございます」
「こんばんは。宇米谷宏です」
「コリやなぎ徹子と、うめーや宏。」
「2人合わせてコリアうめーや!!でございます」
ぱちぱちぱちぱちぱちぱち。
「今年もまた年末恒例の企画がやってきました」
「長らくメールマガジンに登場していた私たちですが」
「昨年9月の終了を経て、ブログへと舞台が移動」
「今年で2度目の登場ということに相成りました」
「スタートは2004年なのでもう10年前」
「途中、少しずつ休みながらも継続してきたこの企画」
「まずはその歴史を振り返るのも恒例となっています」
「過去のベストテンをまずはずらりと紹介します」
<過去のベストテン>
2004年これがうまかったベスト10!!
2005年これがうまかったベスト10!!
2008年これがうまかったベスト10!!
2009年これがうまかったベスト10!!
2010年これがうまかったベスト10!!
2011年これがうまかったベスト10!!
2012年これがうまかったベスト10!!
2013年これがうまかったベスト10!!
「と、いつもの紹介をしたところで、八田氏!」
「そう、今年もアナタ!」
「去年さんざん言ったのにまた12月31日じゃないですか!」
「一昨年までは12月15日の恒例行事だったのに!」
はいはい、おふたりのお叱りを受けていると、
今年も年末がやってきたなぁと、実感がわきますね。
今年は12月19日まで韓国出張があったりしまして、
今後のことも考えると、やっぱりギリギリがいいかなと。
12月31日の恒例ということでもいいじゃないですか。
「うわ、開き直りましたよ。このヒト!」
「毎年恒例の重みをまったく感じていませんね!」
「昨年も言いましたが、この年末の忙しい時期にですね!」
「誰も見ちゃいませんよ、ホントに!」
まあ、正月明けに見てもらえればいいじゃないですか。
さ、今年も美味しいものがたくさんですよ~。
「はぁ、これだ……」
「私たちのいくら張り切っても意味がないですね」
「これからというところで気持ちも萎えますが」
「気力を振り絞って皆様にお伝えしましょう」
「それでは2014年のランキング!」
「今年はまず第10位から第7位までを発表します!」
ダララララララララララ……。ジャン!!
第10位、大ブームのハニーバターチップほか!
第9位、大明港(金浦市)のボラ料理!
第8位、南塘港(洪城郡)のコウライエビ料理!
第7位、某地域の某魚料理!
「はい、今年も多彩な顔ぶれが集まりました」
「地方の港町料理が2種類入っていますね」
「今年、話題になった流行の品も見える様子」
「さらには……アレ?」
「……」
「……」
「……ちょっと、八田氏」
「なんですか、この第7位の某なんたらは」
いやぁ、これが今年の厳しいところでですね。
来年の2月にミステリーツアーを予定しているんですよ。
その下見で食べたものがとても美味しかったんですが、
ミステリーツアーなので、まだ語れないんですよね。
「どうするんですか、じゃあ」
「匿名の料理が入るなんて前代未聞ですよ」
んー、まあいずれ語れる時期になったら語ろうかなと。
僕も語りたい気持ちはいっぱいなんですけどね。
「はぁ、ますます前途は暗いですね……」
「もういいですから、10位から8位まで説明してください」
まず、第10位は今年の下半期に話題となったお菓子。
日韓合弁企業のヘテ・カルビー社から8月に発売され、
10月頃に火がついて社会現象にもなるほどの人気でした。
いまなお品薄が続いており、買いたくても買えないほど。
それを友人の厚意により味わうことができました。
原型とされる「ポテトチップス しあわせバター」や、
後発の農心「秀美チップ ハニーマスタード」も楽しみつつ。
いまなお現在進行形でブームを満喫しています。
第9位は今年1月の取材で食べました。
金浦というと空港のイメージばかりが強いですが、
大明港(テミョンハン)というひなびた漁港もあります。
江華島(カンファド)と隣接して同じような魚が並びますが、
冬の味覚、スンオフェ(ボラの刺身、숭어회)が美味でした。
いままで何度か刺身の盛り合わせで食べてきましたが、
改めてボラという魚は美味しいものなんだなぁと。
そのほか、
・トンオグイ(ボラの稚魚の焼き魚、동어구이)
・サムシギメウンタン(カジカの辛い鍋、삼식이매운탕)
・ペンデンイグイ(ツマリエツの焼き魚、벤뎅이구이)
といった名物も満喫。
このあたりの話は7月に出した新刊にも載りました。
<関連記事>
三進トラベル「ぐるぐるグルメ感謝ツアー」後記(前編)
第8位は、11月上旬に出かけた取材ですが、
ちょうどコウライエビ(大正エビ)のシーズンが終わりかけ。
西海岸のあちこちで9~10月頃に旬を迎えるのですが、
僕は南塘港(ナムダンハン)というところで食べました。
ちょっと遅いかなとも思いましたがギリギリ残っており、
身の立派なコウライエビを塩焼きと醤油漬けで賞味。
どちらも美味しかったですが、シンプルな塩焼きでの、
ブリッとした食感と、ほとばしる甘味には驚きましたね。
これまでカニのために地方を目指したことは多いですが、
今後はエビももっと追いかけようと決心しました。
ちなみに冒頭の写真も南塘港のある洪城で撮ったもの。
地元出身の金佐鎮(キム・ジャジン)将軍像です。
「はい、以上が第10位から第8位でした」
「それで、第7位は語れる時期があるまで内緒と」
「それも面白さのうちと思っているんでしょうね」
「そんな浅はかさが八田氏らしいところです」
わはははははは。(場内爆笑)
「さて、それでは引き続いて第6位から第4位を紹介!」
「どんな顔ぶれが集まったのでしょうか!」
ダララララララララララ……。ジャン!!
第6位、江華島の料理全般!
第5位、青松郡の料理全般!
第4位、栄州市の料理全般!
「……」
「……」
「……ちょっと、八田氏」
「なんですか、この手抜きな全般だらけは」
いや、えーと。
決して手抜きという訳ではないんですよ。
今年は特定地域に深くかかわることが多かったなと。
グルメツアーの下見が多かったこともありまして、
ひとつの地域を深く掘り下げられた1年でした。
第6位の江華島は2月の第1回「ぐるぐるグルメツアー」で、
メインの地域として全部で3種類の料理を味わいました。
・チョックッカルビ(豚肉の塩辛鍋、젓국갈비)
・コッケタン(ワタリガニ鍋、꽃게탕)
・コンボリバプ(麦飯ビビンバ、콩보리밥)
中でもコッケタンは抜群に美味しかったですねぇ。
ただ、時期的に5月がいちばん美味しいそうなので、
いずれまた最高の味を食べに行きたいと思っています。
<関連記事>
三進トラベル「ぐるぐるグルメ感謝ツアー」後記(前編)
第5位の青松(チョンソン)は慶尚北道の山間部。
人口2万7000人という小さな町ではありますが、
たくさんの名物料理に出合うことができました。
・タッペクスク(丸鶏の水炊き、닭백숙)
・サンチェジョンシク(山菜定食、산채정식)
・ソンイジョンゴル(マツタケ鍋、송이전골)
といったあたりが代表的なメニュー。
中でもタッペクスクは温泉地でもあることから、
炭酸を含んだ湧き水で煮るという点に特色があります。
鶏そのものもさることながら、煮込んだスープで、
お粥を作って食べるのがまた美味しかったです。
第4位の栄州(ヨンジュ)も慶尚北道にありますが、
ここが今年いちばん深くかかわった地域でした。
友人の誘いもあって5月に3泊してきたのですが、
さすがにそれだけ滞在するといろいろ見えてきます。
市の観光担当者さんにも手助けいただいたことで、
ひとつの地域と向き合う面白さを学びました。
・テピョンチョ(そば寒天入りキムチ鍋、태평초)
・センガンドノッ(ショウガドーナツ、생강도넛)
・カルビサル(牛カルビ焼き、갈비살)
・コグマパン(サツマイモ饅頭、고구마빵)
・サグァマルレンイ(リンゴチップ、사과말랭이)
といったあたりが代表的な名物。
青松と栄州は「韓食ペディア」にも情報をまとめたので、
そちらも併せてご覧いただければと思います。
<関連記事>
韓食ペディア/地方料理一覧(栄州市の料理)
韓食ペディア/地方料理一覧(青松郡の料理)
栄州物語(1)~栄州と聞いて思い浮かべるものは?
栄州物語(2)~衝撃の大粒チョングッチャンに出合った日
栄州物語(3)~郷土料理の源流には宮中料理があった
「以上、第6位から第4位でした」
「特定の料理よりも地域と向き合った結果ですね」
「味をしめて最近は地方に行くとまず観光課を訪ねるとか」
「旅行ライターの基本ですけどね。何をいまさら」
がはははははは。(場内爆笑)
「さて、ベスト3の前にこちらも恒例の番外です」
「次点のような扱いとしてご覧ください」
番外、京東市場の韓方エキス
「はい、韓方エキスが番外にランクイン」
「これはどんなものでしたか?」
はい、京東市場(キョンドンシジャン)というのは、
ソウルを代表する韓方市場なんですけどね。
今年1月に初めて韓方医にかかってみたんですよ。
そこで、3ヶ月分の韓方エキスを処方してもらい、
飲み続けてみたところ、体重が3kgほど落ちました。
いい値段でしたけど、まあ成果はあったなと。
「なるほど、痩せたぶんへのランクインですか」
「相変わらず暴飲暴食の暮らしですからね」
「少しであっても痩せるというのはいいことです」
「ところでその3kg、いまはどうなったんですか?」
下半期で着実にリバウンドしました。
はははははは。(場内冷笑)
<関連記事>
ソウル報告~拡大を続ける「麻薬」ブームの実態に迫る!
「やっぱり相変わらずの八田氏でしたね」
「気を取り直して、ここからはベスト3の発表です!」
「2014年の頂点に輝くのはいったいどの料理か!」
「見てみましょう……どうぞっ!」
ダララララララララララ……。ジャン!!
第3位、某地域の某麺料理!
第2位、九龍浦港(浦項市)のアワビ粥&ズワイガニ!
第1位、機張のウニ丼(春夏ver. & 秋冬ver.)
「決まりました、第1位は機張のウニ丼!」
「さあ、八田氏に語っていただき……あれ?」
「だ、第3位が……」
「ちょっと、また某ってなんですか!」
んー、これも語れない事情がありまして。
いずれ機会があればきちんと語ります。
とっても美味しい麺料理ではあったんですけどね。
「はぁ、年に1度の企画で情けない……」
「もうそろそろ止めたほうがいいかもですね」
「こういう横着をすると毎年某が増えますよ!」
「もう第2位から語ってください」
はい、第2位も漁港料理から選んでみました。
浦項(ポハン)の九龍浦(クリョンポ)港です。
11月の「まんぷくツアー」で食べた2品。
九龍浦はズワイガニの主産地として有名ですが、
海女さんがとる天然アワビも自慢です。
夕食にズワイガニをしこたま食べて満足し、
翌朝、アワビ粥を食べて出発という至福の流れ。
浦項という町の素晴らしさを再確認しました。
第1位も漁港料理と言えるかもしれませんが、
釜山市の機張(キジャン)郡も海産物が豊かな町。
昆布やワカメ、煮干しなどを特に自慢とするのですが、
ウニも美味しくて、それを丼で食べました。
面白いのが春夏と秋冬に分けて2度の旬があり、
ムラサキウニとバフンウニの主役が入れ替わります。
5~8月はムラサキウニが主役でバフンウニが脇役。
11~2月月はバフンウニが主役でムラサキウニが脇役。
両方がいっぺんに入ってこそ美味しいという料理ですが、
旬を迎えた主役が多めに入るので味が違いました。
こちらが5月にたべたウニ丼で……。
こちらが11月のウニ丼。
上の写真を見ると白っぽいムラサキウニが多く、
下の写真はオレンジ色のバフンウニが多いという感じ。
どちらも悶絶するほど美味しいのは同じなのですが、
春夏バージョンはムラサキウニのとろとろさと甘さが際立ち、
秋冬バージョンはバフンウニの濃厚さとコクが光ります。
5月と11月に行って両方を食べ比べたのですが、
いま考えても、なんて幸せなことだったんだろうと。
いまも至福のひとときがよみがえってくるようです。
「なるほど、合わせ技1本のウニ丼ですね」
「第3位の某はともかく、力のこもった解説でした」
「来年はきちんと10個発表してくださいね」
「まかり間違っても某だらけにはしないように!」
「さて、今年も残るところわずかとなりました」
「また、来年笑顔でお会いできることを期待しつつ」
「最後のご挨拶とさせていただきます」
「それではみなさま……」
「よいお年を!」
※商品へのリンクはamazonアソシエイトリンクが使用されています。