帰国報告が遅くなりましたが、12月4日に1週間の取材から戻ってきました。
今回の取材内容は来年3月発売予定の「るるぶ韓国’16」に掲載されます。当面は9月に発売された「るるぶソウル’15」をご覧いただきつつ、次の最新情報もぜひ楽しみにしてください。おかげさまで今回も内容の濃い取材でした。
さて、そんな取材中、ふと目についたものを写真に撮ることがあります。
記事を書いたり、ブログを書いたりしていると、突然あんな写真、こんな写真が必要になるんですよね。でも、日本にいるとパッと撮りに行くわけにもいかないので、韓国にいるときできるだけいろんな写真を撮っておく、という習性が身につきます。これを僕は……。
「意図のある写真」
と個人的に呼んでいるのですが、たいてい撮ったはいいけど、いつどこで撮ったのかを忘れることがしばしば。そんな忘備録を兼ねて、いつどこで使うかもわからない「意図のある写真」の一部を公開してみたいと思います。
冒頭の写真は、空港に向かうバスの中から窓越しに撮ったもの。
よく目を凝らすとギリギリ読めるかもしれませんが、甕のようなものに「칠패시장터(七牌市場跡)」と書かれています。七牌市場(チルペシジャン)とは、南大門市場(ナムデムンシジャン)の前身となった市場で朝鮮時代にはソウルの三大市場と呼ばれていました。
住所で言うと、ソウル市中区七牌路27(巡和洞151)に位置。道路表記の新住所にも「七牌」の名前が残っているんですね。
よほどの市場マニアでない限り興味はないと思いますが、南大門から忠正路方面に歩くとありますので、探してみてください。僕は南大門市場の記事を書くときなどに、蘊蓄のひとつとして放り込もうと思います。
こちらは弘大で撮った雨の風景。
「韓国では雨の降る日にマッコリを飲む習慣があり~」という原稿を書くときにイメージとして差し込む用です。取材中に雨が降ると、思いついたようにパチパチと撮っています。
韓国におけるアルバイト募集の貼り紙。
직원모집(職員募集)
주방(厨房)…………0명(0名)
홀(ホール)…………0명(0名)
と書いてあるのですが、これ日本的な感覚で見ると「0名」なら募集していないのかと思いますよね。
でも、韓国では「0名」または「00名」と記すのが一般的で、「0名」は「1~9名」、「00名」は「10~99名」を意味するのだそうです。要はひとケタの募集があるか、ふたケタの募集があるかということですね。
日本語で言うなら「若干名」という感じでしょうか。
見るたびに不思議な気持ちになるので、そのたびについつい撮ります。
飲食店の厨房で見かけた「고기망치(肉叩き)」。
本来は肉を叩くものですが、横にニンニクが転がっているように、ニンニクを粗くつぶすのにも使います。ニンニク関連の小ネタにならないかなぁという意図の写真でした。
大学路で見かけたマカロンアイスクリームの宣伝。
韓国で流行っているらしいと聞きつつも、まだ食べていないなぁと思いながら撮りました。
同じく大学路の地下鉄構内。
「釜山名物ソウルに上陸 18番ワンタン」
と書いてあります。
釜山の「18番ワンタン」と言えば南浦洞(ナムポドン)名物としてたいへん有名。詳しくは、コチラの記事を読んでいただくと僕自身の思い入れとともに伝わるかと思いますが、その店がソウルに上陸というのはけっこうなニュースです。
どうやら調べたところ、今年の10月にオープンしたばかりのようですね。釜山好きで、かつチープなB級グルメ系が好きな人はぜひ。
店名:18番ワンタン
住所:ソウル市鍾路区大学路8カキル48(東崇洞1-47)
住所:서울시 종로구 대학로8가길 48(동숭동 1-47)
電話:02-762-0018
もうひとつ、新しいお店情報から。
福岡にある明太子の「やまや」は「博多もつ鍋やまや」として2010年12月から韓国にも進出しているのですが、このほどデパ地下にも新業態を出したということでした。「現代百貨店狎鴎亭本店」と同「貿易センター店」に「365 Deli Yamaya」がオープン。
イートイン用の和定食を提供するほか、明太子おにぎり、明太子入り卵焼き、明太子ソースの鶏唐揚げなど、明太子関連の商品を販売していました。
もともと明太子は韓国のミョンナンジョッ(スケトウダラの卵の塩辛、명란젓)を日本風にアレンジしたもの。それがこうしてもう1度韓国に渡って店を広げているというのは、なかなかに感慨深いものがあります。
師匠こと佐野良一先生の紹介で通うようになった仁寺洞の「イモチプ」。
カンジャンケジャン(ワタリガニの醤油漬け、간장게장)の美味しい定食店ですが、同じ路地に別館ができていました……と言いつついま調べたら2013年6月オープンだったので、これは別段新しい情報でもないですね。
別館では本館にないサムゲタン(ひな鶏のスープ、삼계탕)なども提供しているとのこと。ほかにもいくつか別館のみの料理があるようです。
店名:イモチプ(이모집)
住所:ソウル市鍾路区仁寺洞14キル22-2(寛勲洞84-21)
住所:서울시 종로구 인사동14길 22-2(관훈동 84-21)
電話:02-720-4688
店名:イモチプ別館(이모집 별관)
住所:ソウル市鍾路区仁寺洞14キル5-3(寛勲洞100-2)
住所:서울시 종로구 인사동14길 5-3(관훈동 100-2 )
電話:02-725-4688
そして、弘大(ホンデ)を歩いていて、妙な雰囲気に目を奪われたコチラ。
「마녀커리크림치킨(魔女カレークリームチキン)」
と書いてあって、なんぞやと思わず写真に撮ったのですが、どうやらフライドチキンをクリームカレーに浸した料理を指す模様。コネストの記事を見る限り特にキワモノという感じでもなく美味しそうですね。
もともと「ウルトラコンディション(울트라컨디션)」という店の看板料理で、2、3号店は「魔女カレークリームチキン」が店舗名になっている模様。いずれも弘大にあるので、これは機会があったら足を運んでみたいですね。僕が見かけたのは2号店だったようです。
店名:魔女カレークリームチキン2号店
住所:ソウル市麻浦区臥牛山路133(西橋洞337-15)
住所:서울시 마포구 와우산로 133(서교동 337-15)
電話:02-338-9336
最後は取材後に打ち合わせがてらで足を運んだ店。
宿のそばで目についたところにふらっと入ったのですが、なかなか気になるメニューをそろえた店でした。僕らは旬のクァメギ(サンマの生干し、과메기)を食べたのですが、カンジャンケジャンの定食が1人前1万2000ウォンという激安価格で出ていたり、カンジャンミノジャン(ホンニベの醤油漬け、간장민어장)という珍しいメニューがあったり。
カンジャンミノジャンはぜひ食べてみたかったのですが、残念なことに品切れ。ホンニベの季節になったら、また足を運んでみたいと思います。
店名:珍味パプサン(진미밥상)
住所:ソウル市江南区彦州路98キル26、2階(駅三洞700-35)
住所:서울시 강남구 언주로98길 26, 2층(역삼동 700-35)
電話:02-3453-5599
といったあたりで、今回の出張で拾ってきたこぼれ情報は以上。正規の取材は冒頭にも書きましたが来年3月発売予定の「るるぶ韓国’16」をお待ちください。年末年始とヒイヒイ言いながら原稿を書きたいと思います。
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