新大久保に穴場と呼ばれる店は多々ありますが、
ここほど「知る人ぞ知る」というところもない気がします。
ひと昔前だったら、そんな店ばかりでしたけどね。
「なぜこんなところに店が！？」
という裏路地感こそが新大久保の大きな魅力。
観光地化が進んだいまでは、情報も広く共有されて、
隠れた名店というのもだいぶ少なくなりました。
そんな中、コチラのお店「ホールちゃん」は、
場所が辺鄙なところにあるだけでなく……。
「いろんな意味で敷居が高い！」
といったあたりが穴場感を強調しています。
・テーブル4つのみの完全予約制
・メニューはなくお任せコースのみ
・新大久保とは思えない値段設定
・ライスは事前予約必須
と並べていけば、まあ想像はつくかと。
僕も店の存在こそ知っていたのですが、
なかなか機会がなく悶々としておりました。
この日はグルメな方にお誘いいただいて、
長いことの念願をようやく果たした次第です。
前菜がわりにまず登場したのは……。
・ペチュキムチ（白菜キムチ、배추김치）
・チャンナンジョッ（チャンジャ、창난젓）
・クルジョッ（牡蠣の塩辛、굴젓）
左上は焼肉用のタレとワサビです。
山盛りのサラダが来て……。
焼き立てのチヂミ。
牡蠣、ニラ、エノキが入っていました。
ハラミたたきが出ていよいよ期待感は加速。
脂の舌で溶ける感じがよかったですねぇ。
書き忘れましたが、僕ら4人だったので4人前。
炙った豚レバーのたたきが出て……。
七輪登場。大皿がどーん。
網の上で焼かれているのが肉厚ジューシーなシイタケで、
下の大皿が、各4切れずつの11点盛り。
お店の方から、ひとつずつ部位を教えていただいたところ……。
・カイノミ（中バラの一部）
・塩麹で味付けをしたシンタマ（モモの一部）
・ハラミ（横隔膜）
・ハツ（心臓）
・ガツ（豚の胃袋）
・豚タン
・豚トロ
・コブクロ（子宮）
・ノドブエ
・センマイ（第3胃）
・ヤン（ハチノスとセンマイの間）
こんな感じのラインナップでした。
これらはすべてお店の方が焼いてくれるので、
ベストのタイミングで食べるだけという幸せです。
カイノミ、シンタマ、ハラミはいずれも肉厚ジューシー。
個人的には豚タンあたりも気に入りました。
さっくり食感で、じわじわとうま味がにじみ出ます。
大皿をたいらげた後、シビレ（胸腺）を経て、
ちょっと目先を変える感じで大山地鶏のせせり焼き。
日によってコースの内容もいろいろだそうで、
これが彦陽式のプルコギ（牛焼肉）だったりもするそうです。
「常連さんが多いから少しずつ変えるんだよね」
ということらしいですね。
さらに写真のミノ（第1胃）、コプチャン（小腸）と続いて、
もういったい何品出てきたんだろうという感じでしたね。
最後にコムタン（牛スープ）を飲んでシメ。
頼んだはずのライスが実は通っていなかったりもしましたが、
けっこうな量を食べましたので、おなかは充分でした。
いずれの部位も鮮度、肉質ともに一切の文句なし。
焼肉好き、ホルモン好きな方なら喜んでいただけるはずですが、
唯一、障壁となるのが値段の問題でしょうね。
僕らのお会計で、
「ひとり1万円！」
といったところ。
おまかせのコースが1人7500円で、プラス飲み物代ですが、
そこまで派手に飲んだという訳でもありません。
なにしろ、
・生マッコリ：2980円
・チャミスル：1980円
という値段設定ですからね。
これらの金額に納得し、それでも美味しいものが食べたい人か、
あるいは太っ腹な財布係を味方につけられる人か。
誰でも気軽に行ける訳でないあたりも穴場的な要素でしょう。
さらにはカンジャンケジャン（ワタリガニの醤油漬け）とか、
ホルモン鍋なんかも、注文によっては出てくるとのこと。
常連になればなるほど、いろいろ融通も利くようなので、
通い詰めるファンが多いのもよくわかる気がします。
お店の姫に伺ったところオープンから4年目とのこと。
（ヌナっていったら怒られたのでコンジュニム＝姫って呼んだ）
昨年夏、赤坂に2号店として肉割烹の店も出したようなので、
人によってはそちらのほうが行きやすいかもしれません。
もし、ご馳走してくれるような剛毅な方がいらしたら、
僕は新大久保でも赤坂でも行きますのでお声かけください。
店名：ホルモン船 ホールちゃん
住所：東京都新宿区大久保2-13-12クリハラビル1階
電話：03-3202-8323
