コリアうめーや!!第297号

コリアうめーや!!第297号

<ごあいさつ>
7月15日になりました。
3連休の最終日、いかがお過ごしでしょう。
仕事が溜まっている僕は家にこもり、
ひたすら原稿三昧の日々を過ごしています。
この忙しさは8月中旬まで続く見込み。
暑さに負けず頑張らねばなりません。
さて、残りわずかとなったメルマガですが、
前号から定番ネタの消化を急いでいます。
今号では2003年に始めたあの企画。
その2013年版をお送り致します。
毎度、データ作りに1日以上かかるのですが、
今回も忙しさの中、セコセコ頑張りました。
コリアうめーや!!第297号。
ミーハー要素を混ぜて、スタートです。

<韓国料理認知度チェック2013!!>

日々の暮らしであくせくしていると、
世間の流れから取り残されることはよくある。

特に芸能事情などは、その最たるもので、
最近はテレビを見ていても誰が誰だかわからない。
特に流行りのアイドルなどは難解だ。

AKBやももクロぐらいなら耳にもするが、
そのメンバーとなると、名前もかなりウロ覚え。
僕の周囲には似たような人がけっこういて、

「AKBのメンバー何人いえる?」

といった話を交わしたりする。
たいていは指を何本か折った時点でおしまい。
とりたてて関心を持って接しなくても、
日常的に情報として入るのはその程度だろう。

試しに公式ページに入ってみて、
選抜メンバーという64人をじっくり眺めた。
しっかり見覚えがあるといえるのは……。

「15人!」

であった。

AKB公式サイト/メンバー情報
http://www.akb48.co.jp/about/members/

うん、まあこんなものではないだろうか。

ただ僕の場合、韓国の芸能界に置き換えても、
疎いのは同じで、メンバーの名前はかなり怪しい。
東方神起やKARAぐらいならなんとかなるが、
人数の多い少女時代になるともうお手上げだ。

それを考えると、AKBで15人わかるというのは、
さすがは国民的アイドルと褒め称えてよいだろう。

というところまでを前置きとして。

このAKBの話がどこにつながるかといえば、
そう、韓国料理の認知度をどう捉えるかの問題だ。

僕はこれまで不定期的に韓国料理をネット検索し、
その検索数によって、認知度の可視化を試みてきた。
最初の調査が2003年で、05年、10年にも実施。
過去のデータは下記のページにまとまっている。

韓国料理認知度チェック2003
http://www.koparis.com/~hatta/ume/ume035.htm
韓国料理認知度チェック2005
http://www.koparis.com/~hatta/ume/ume137.htm
韓国料理認知度チェック2010
http://www.melonpan.net/letter/backnumber_all.php?back_rid=670611

こうした調査を行うのはいつも発作的なので、
年度の間隔がまちまちなのはご容赦頂きたい。
ただ、いま数字を見てふと思ったのは、

「いずれも韓流のピークを挟んでいる!」

という事実。
2003年はまだ韓流前の時期といえるし、
2010年はK-POPブームの直前といえる。

そして今年がK-POPブーム後の2013年。
期せずして、韓流で時代が盛り上がった直前直後を、
この調査で確認しているということになる。

「オレもなかなかやるじゃないか!」

と自画自賛しながら中身の説明に移る。

まず、基本的な調査方法はいつもと同じ。

・グーグルで有名韓国料理を検索する
・検索方法には「完全一致検索」を用いる
・得られた検索件数を多い順に並べる
・表記揺れのある料理は検索結果を合計する
・類義語のある料理は「韓国」を加えて検索する

表記揺れのある料理はというのは、

・サムギョプサル → 354万件
・サンギョプサル → 16万5000件
・サンギョッサル → 1万9400件

といった要素を合算するもの。
サムゲタンと参鶏湯、トッポッキとトッポギ、
冷麺とネンミョンなどが該当している。

ただ、スンドゥブとスンドゥブチゲの場合、
スンドゥブの検索で両方引っかかるので加算はしない。
これらは前回までと共通する独自ルールだ。

とはいえ、改めて現在の視点から見ると、
表記揺れの選択肢は、だいぶ不備がある気もする。
ビビンバ、ビビンパに加え、ピビムパプもあっていいし、
チャジャンミョンはチャジャン麺とする選択肢もある。

おまけにカルビと、カルビグイが両方入っているし、
そもそも、リストの中にナムルがなかった。

毎回、少しずつ料理名は足すようにしているが、
今回はナムルと、ヤンニョムチキンを加えてみた。
いずれも、

「なぜ今までなかった!」

という料理である。

さて、それではここから結果の分析だが、
その前にまず、こちらをダウンロードして欲しい。
一覧のエクセルファイルをアップしておいた。

http://www.koparis.com/~hatta/koriume297date.xls

さあ、それでは見ていこう。

まず、堂々1位は4年連続でキムチ。
前回はカルビと同点1位という奇跡が起こったが、
今回は2630万件を獲得して、堂々の単独トップだ。
だが、2位のカルビも1630万件と健闘している。

以下、上位圏内でベスト10までを見ると、
今回新たに追加したナムルが10位にランクイン。
ほかも多少の変動はあれど、順当な面々が並んでいる。

特筆すべきは7位のサムギョプサルだろうか。

前回も10位だが、03年は23位、05年は21位と、
右肩上がりで知名度を上げているのがよくわかる。
ビビンバの次というのは、かなりの好成績といえよう。

さらに、ベスト20圏内も興味深い。

サムギョプサルを筆頭とする新定番料理が、
しっかり20位以内まで食い込んできている。

・スンドゥブ:12位(43位→41位→13位)
・トッポッキ:13位(24位→15位→14位)
・タッカンマリ:19位(72位→55位→42位)

※カッコ内は03年→05年→10年の順。

といったあたりが右肩上がりの面々。

これを見ると、スンドゥブは05年から10年にかけて、
タッカンマリは10年から13年に認知度を上げたのがわかる。
ブレイクのタイミングをしっかり反映した結果だ。

特にタッカンマリは23ランクアップのごぼう抜き。
今回の調査でもっとも順位を上げた料理となった。

前回からの増加率を見ても、2285%増でトップ。
全体における増加率の平均は538%だったので、
他の料理に比べ、約4倍の勢いで伸びたともいえよう。

また、もうひとつ目立つのはホットクの15ランクアップ。
こちらも増加率では1355%増と好成績だ。

・ホットク:26位(41位→39位→41位)

逆に少し心配なのはコチラ。

・プゴクッ:41位(89位→94位→27位)

05年から10年にかけて大幅に順位を伸ばしたが、
ブームが過ぎたことで、今度は下落に転じた。
増加率のほうを見ても、227%増と平均値の半分程度。
今後の巻き返しを期待せざるをえない。

また、ひとつ発見として面白かったのが、
83位に入ったチョゲタン(アサリのスープ)。
普通に検索をしたら、鶏肉の冷製スープを意味する、
また別のチョゲタンがずらずらと出てきた。

これを排除するために、今回は「チョゲタン 貝」で検索。

・チョゲタン → 1万5000件
・チョゲタン 貝 → 1万700件
・チョゲタン 鶏 → 7710件

という結果になっている。
チョゲタンだけでも順位は80位なので、
大差はないが、貝と鶏でさほど違わないのは面白い。

鶏のチョゲタンはまだまだマイナー料理だが、
ここ数年、韓国ではずいぶん存在感を強めている。
いずれ鶏が逆転する日もあるかもしれない。

さて、結果に対する分析は以上である。
ほかにも細かく突き詰めれば発見は多いのだが、
あとは読者皆様の興味でさらに眺めて欲しい。

残すところは冒頭で書いたAKBの話題。

僕にとって顔と名前の一致するメンバーは15人なので、
これを無関心層の物差しにするなら、

・チャプチェ:15位

までがギリギリ。

その直後にユッケジャン、キムチチゲがあるので、
妥当なのかは微妙だが、そこは韓国好きの先入観もあろう。
また、そもそもが順位とは無関係に15人なので、
上位陣でも無関心層には無名ということが当然ありうる。

選抜選挙の順位と比較してみようかとも思ったが、
上位でも知らないメンバーがけっこういたので断念した。

よかったらみなさんもAKBのメンバーを眺め、
自分の物差しを作ったうえで順位をもう1度見て欲しい。
韓国料理への見方が、また少し変わるかもしれない。

ただ、個人的にはAKBになぞらえたことで、
サムギョプサルの7位に意味が生まれた。
AKBファンは上位7位を、

「神セブン!」

と呼ぶらしい。

ならば、2013年はサムギョプサルが初の神セブン入り。
感慨深いのは、たぶん僕だけでいい。

<新刊情報>
韓国料理には、ご用心!
http://www.amazon.co.jp/dp/4883205800/
http://books.rakuten.co.jp/rb/12257440/

<リンク>
ブログ「韓食日記」
http://koriume.blog43.fc2.com/
Twitter
http://twitter.com/kansyoku_nikki
FACE BOOK
http://www.facebook.com/kansyokunikki

<八田氏の独り言>
前回は都道府県別の調査も行いましたが、
今回は検索で表示されず、残念ながら断念しました。

コリアうめーや!!第297号
2013年7月15日
発行人 八田 靖史
hachimax@hotmail.com

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