6月、7月と3度の韓国出張が重なり、そのへんの時期もヒイヒイ言っていたように思いますが、そのすべての原稿仕事がどさっと重なって久しぶりに超のつく原稿地獄です。書いても書いても終わりません。
ちょうどその地獄に差し掛かった頃、ノートパソコンから異音がするというトラブルにも見舞われまして、修理に出したら部品の調達に何ヶ月かかるかわからないという想定外の回答。やむなく新しいパソコンを買って、ようやくもろもろの環境が整ってきたところです。
ブログで書きたいこと、書くべきことも溜まっているので、大量の原稿と格闘しつつなんとかこちらも動かしていきたいと思います。
さて、まずは7月28日(木)に開催した名古屋でのトークイベント。
平日の昼間にもかかわらず、80名以上の方にご参加いただきました。名古屋では今年2月にも地方料理の話をさせていただきましたが、熱心に聞いてくださる方がずいぶん多いように感じています。
今回のテーマは済州島のグルメ。
島の地理や歴史などから話をひも解きつつ、その豊かすぎる食文化についてお話させていただきました。済州島は美味しいもの満載なので、話していても楽しいんですよね。その一部をここでも紹介します。
いちばん最初に紹介したのはアワビ。
朝鮮時代から中央に送っていた進上品であり、現在もヘニョと呼ばれる海女さんが潜ってとっています。ただ、昨今は天然のアワビが激減しており、莞島(ワンド)産の養殖物が済州島でも流通している、なんて正直な話から始めました。
済州島は観光地だけに全国的に名の通った名産品も多いのですが、昨今はいろいろ状況も変わっているので、情報のアップデートが重要です。
済州島産の天然アワビとなるといまや超のつくほど貴重品ですし……。
その代替として人気を集めたトコブシもだいぶ数が減ったそうです。
アマダイも中国産がハバを利かせているので、済州産アワビ、済州産トコブシ、済州産アマダイは、それぞれ済州島を代表する特産品ですが、なかなか口に入らなくなっているのが現状ですね。
「いまのうちに食べておくべし!」
なんて冗談交じりにも言いましたが、本当に食べられなくなる日が来るかもしれません。
なので、そういった名前先行の超貴重品を求めるよりも、済州島では山ほどの魚介がとれますので、そういった知られざる名物をいっぱいおすすめしました。
個人的なイチオシはこちらのケクチュリジョリム(カワハギ、またはウマヅラハギの煮付け、객주리조림)。大豆を一緒に煮込むのが済州島式です。
あるいはサバ、タチウオなどの大衆魚はまだいっぱいとれます。
刺身でいただいてもいいですし、焼き魚、煮付けもいいですが、済州島に行くと食べたくなるのがこのカルチクッ(タチウオのスープ、갈치국)。ぶつ切りのタチウオに、青菜とカボチャが入って青唐辛子をアクセントに。
済州島は朝ごはんに食べたいスープ料理がいっぱいでいつも迷うのですが、僕の場合1度はどこかで食べたいなと思うのがこの料理です。
ひと通り、魚介を語ったら次は肉料理。
済州島といえば豚。かつては各家庭で豚を飼っていて、ハレの日にはそれをつぶしてご近所と分け合いながら食べました。特別なものであるからして、頭から足の先まで余すことなく調理をして食べる習慣があります。
上の写真はトムベゴギ(済州島式の茹で豚、돔베고기)ですが、それ以外にもたくさんのマニアックな料理を紹介しました。
コギグクス(豚スープ麺、고기국수)はもうだいぶ有名になりましたけどね。
あとは、コサリユッケジャン(豚肉とワラビのスープ、고사리육개장)なども済州島らしい料理です。豚肉とワラビをとろとろになるまで煮込み、スープ仕立てにしたところへそば粉でとろみをつけたもの。
また、この料理を通じて、済州島から日本へと渡った在日コリアンの料理についても少し触れました。東京だと荒川区の三河島、大阪だと鶴橋や生野など。済州島の食文化が根付いた地域は日本にもあります。
さらには豚肉だけでなく、牛肉、馬肉、キジ肉、鶏肉あたりにまで紹介したら、たっぷり2時間あったはずの持ち時間も終了。済州島というと野菜、山菜も美味しいですし、B級グルメもたくさんあるんですけどね。
申し訳程度に屋台料理とスイーツに触れて終了としました。
最後は済州島を訪れる旅行ツアーの紹介も。
10月8~10日までの3連休を使って2泊3日のグルメツアー。この記事で紹介した料理を中心に、厳選に厳選を重ねた(というか本気で自分が食べたくて悩んだ)済州島ならではの料理を食べ歩きます。
旅行社が名古屋にある中日ツアーズなので、基本は中部国際空港を利用し僕もみなさんと一緒に出国、帰国しますが、旅行社の方と相談のうえ現地集合ということでも可能だそうです。
もし成田や大阪、福岡などから行きたい方は相談してみてください。
より詳細な情報はコチラ。
八田靖史と行く済州島グルメを味わう旅 3日
https://www.chunichi-tour.co.jp/kaigai/detail.php?kiji_id=5632
食い倒れのみならず、買い倒れもできるよう、東門市場、中央地下商店街、済州市農協ハナロマートも入れておきました。店の奥に隠してある済州産アマダイや、アワビの塩辛、原乳100%のチーズなどをみんなで狙いましょう。
あと、もう1点。
同じく中日ツアーズから秋の韓国旅行として、るるぶ韓国シリーズの取材でご一緒している旅行ライター、木谷朋子さんのツアーも募集中です。「韓国ドラマゆかりの地を訪ねる旅~聞慶・安東・大邱~4日」ということで、こちらは韓国ドラマファン、歴史ファンの方におすすめ。11月5~8日の日程だそうです。
熱心な方はツアーのハシゴをしていただいても僕らは大歓迎です!
One Response to 名古屋トークイベント満員御礼 ~10月8日からの済州島ツアーもご紹介