こういうブログを書いていたりすると、
韓国料理の名前だとか、食材名の訳に困ることがあります。
簡単に説明できるような料理ならばいいのですが、
ピタリと来る言葉がない場合は説明に一苦労するハメになります。
たいていの料理はもう何度も書いているので、
・スンドゥブチゲ(柔らかい豆腐のチゲ)
・カムジャタン(豚の背骨とジャガイモの鍋)
・トッポッキ(モチを甘辛く炒めた料理)
といった風に、さほど悩まずすいすいと書けます。
まあ、厳密に言えばかなり説明不足なんですけどね。
対して明らかに困るのは、こういった料理。
サムゲタンなんかは注釈をつけなくてもいいくらい有名ですが、
他の料理との関係上、同じように説明を加えることが多いです。
たいていは「若鶏の腹に餅米や朝鮮人参を詰めた料理」と書きますが、
厳密にはナツメや栗、ニンニクなども入りますし、
詰めるだけではなく、「詰めて煮た」くらいは書きたいところ。
でも明らかに長くなってしまうので、最小の説明だけで我慢し、
モヤモヤとしたまま妥協することがほとんどです。
そしてもっと悩ましいのが残りの2つ。
タンピョンチェは緑豆のムクとナムルを混ぜて食べる料理ですが、
ナムルはまだしも、ムク(デンプンをゼリー状に固めた食品)には説明が必要。
料理の説明に、食材の説明まで加わるという翻訳者泣かせの料理です。
同様にエホバクジョンもエホバクを使ったジョンという料理ですが、
エホバクはカボチャがまだ大きくならないうちに収穫したもの。
日本にはないので、僕は「カボチャの未熟果」という説明を使いますが、
この段階でも、すでにずいぶんとまどろっこしいことになっています。
おまけにジョンは野菜や魚などに粉、溶き卵などをつけて焼いた料理の総称。
長ったらしい説明が必要な食材に、だらだらした料理説明が続くことになります。
「タンピョンチェとジョンを食べた」という話を書こうと思ったら、
「タンピョンチェ(緑豆のムク――デンプンをゼリー状に固めた食品――とナムルを混ぜて食べる料理)とジョン(薄切りにしたカボチャの未熟果に粉、溶き卵をつけて焼いた料理)を食べた」
という文章になってしまう。
どうにかならないものかと思いつつ、これがどうにもならない。
まことに悩ましいのですが、ダラダラと書くしかありません。
あと、これはまた違う話なのですが、
冷麺の話を書こうとして……
「韓国の夏は冷たく冷えた冷麺!」
と書いたら「冷」の字が3つも重なって気持ち悪い!!!
というのも韓国料理を語る者にとっての大きな壁ですね。
夏になるたびについつい書いては削除する悩みの種です。
13 Responses to 韓国料理関係用語の翻訳に関する考察。